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自分の要望を上手に伝える「DESC法」:「伝え方」を変えれば、「伝わり方」も変わる

U-NOTE編集部

2018/05/14(最終更新日:2018/05/14)


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 仕事をする中で、誰かに依頼をしなければならないシーンは多い。しかし、相手を説得するだけではなかなか首を縦には振ってくれない。相手を納得させる必要があるのだ。

 そんな相手を納得させたいときに役立つ技術が「DESC法」である。

相手を納得させるのに有効な「DESC法」とは?

相手と自分にメリットがあるDESC法

 DESC法とは、相手の感情や勢いに流されることなく、自分の主張や感情を相手に上手く伝える技術のこと。

 話を4段階に分けて伝えることで、言いたいことを整理することができ、相手に伝わりやすくなる。

 DESC法の最大のメリットは、相手に納得感をもってもらいながら自分の主張を伝えられるため、相手との信頼関係を築きやすいという点である。

 「私は~したい」といった自己主張をするだけでは解決に結び付かないこともあるだけでなく、状況が悪化してしまう可能性もある。

 DESC法を用いて現実的な譲歩案や妥協案を示すことで、相手に再検討の余地を与えることができ、合理的な解決へと繋げることができる。

【DESC法】相手を納得させる話し方の手順

 問題を解決したい時や自分の主張を伝えたい時は、相手にDESCの順で内容を伝えていく。

DESC法で話す手順①:D(Describe) 描写する

 問題の現状や相手の行動を客観的に描写すること。この段階ではあくまでも、感情を入れずに事実のみを客観的に描写することが大切である。

 例:相手が打ち合わせに遅刻する。

DESC法で話す手順②:E(Express) 表現する

 自分の気持ちや感情を率直に表現すること。ここでは、攻撃的にならないよう注意することが大切である。

 例:イライラする。心配になる。

DESC法で話す手順③:S(Specify) 提案する

 相手の行動に対して、自分の要望を満たす具体的な解決策を提案すること。ここで注意したいのは、命令や強制にならないようにすることだ。

 例:時間通りに来て欲しい。

DESC法で話す手順④:C(Choose) 選択する

 相手が要望を受け入れた場合、受け入れなかった場合の自分の行動を選択すること。相手に提案が拒否された時のことも考慮しておく。

 例:遅れる時は事前に一報入れて欲しい。

【具体例】「DESC法」を使って相手を納得させる方法

 では、DESC法は仕事の場面ではどのように活用できるのだろうか?

 「値引きを要求してくるお客との価格交渉の場面」を例に出して考えてみよう。

DESC法:「D(Describe) 描写する」の具体例

 「要求されている値引き率では利益を出すことが難しい。経営陣から正価の取引をお願いするよういわれている」という旨を相手に伝える。

DESC法:「E(Express) 表現する」の具体例

 「私も経営陣も末永い付き合いをさせて頂きたいのが本望であり、その思いでお願いに上がっている」という自分の気持ちを表現する。

 ビジネスの場面であっても人間は理屈だけでなく感情を持って行動する。

 敬意をきちんと示して依頼をすることで、相手の気持ちはポジティブなものになり、取引がよい方向に動きやすい。

DESC法:「S(Specify) 提案する」の具体例

 「値引きの代わりに、有料オプションの1つを無料でつけさせて頂きたい」など、相手に受け入れてもらいやすい妥協策を提案する。

DESC法:「C(Choose) 選択する」の具体例

 提案後「費用対効果は20%アップする」など、提案を受け入れてもらった後の効果まで伝えられると、相手はより前向きに検討できる。

 また、受け入れられなかった場合を想定し「上司ともう一度相談してみる」「他のオプションを用意しておく」などいくつかの選択肢をあらかじめ持っておくと焦らずに対処できる。



「DESC法」で相手を納得させるための注意点

DESC法の注意点①:C(Choose)から考える

 考える時は、結論であるC(Choose)から逆算して組み立てる。その上で、相手に伝える時はDESCの順に伝えるとよりわかりやすくなる。

DESC法の注意点②:相手を思い通りにしようとしない

 DESC法は、お互いが納得した形で解決することを目的としたものだ。決して自分の主張を押し通すことが目的ではない。

 DESC法を用いる際は、自分が歩み寄る姿勢を持って、お互いが妥協できる点を探すことが大切。相手の拒否権もきちんと認めることが必要なのだ。

 DESC法を身に付ければ、世代や役職を超えて、さまざまな人とのコミュニケーションを円滑に行うことができるようになる。

 また、選択肢を広げられるため、相手も前向きに検討することが可能になり、よりよい問題解決へと繋げられる。

 DESC法を正しく使えば相手との関係を壊さず、自分の依頼を伝える方法として大いに役立つことだろう。

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