1. ロシア経済:ルーブルの急落を懸念 背景には原油価格の暴落/政治的な陰謀説も浮上

ロシア経済:ルーブルの急落を懸念 背景には原油価格の暴落/政治的な陰謀説も浮上


 ロシアの通貨「ルーブル」が急落した。ルーブルの急落は、ロシア経済への不信の現れだ。背景には世界的な原油価格の暴落が関係している。
 
 ロシアの輸出の7割は燃料・エネルギーが占めており、原油は全体の約3割を占める。エネルギー資源で国内を潤そうとする経済政策が裏目にでたかたちとなった。原油価格の下落を受け、経済状況が悪化するとの見方から通貨ルーブルが売られている。

 2014年12月16日、ロシア中央銀行は下落に歯止めをかけるため、政策金利を10.5%から17%へと大幅に引き上げた。それでも歯止めはかからず、ロシア国営通信によると、モスクワ市場で瞬間的に、1ドル=80ルーブル台となり、半年前と比べて50%以上下がっている。

シェールオイルが原油価格の下落を招いた

 そもそもロシア経済は、ウクライナ危機に伴う欧米の制裁の影響で低迷していた。さらにこの状況に追い打ちをかけるかのように、原油価格が大幅に下落。なぜ原油価格が世界的に下落したのか?

 それは北米でシェールオイルが産出されるようになり、産油国の大半を占めるOPECによる原油の寡占状態が終焉したからだ。増産が続く北米産のシェールオイルという強力なライバルの台頭で、産油国は安値にどこまで耐えられるかを競い合う「価格戦争」への突入を余儀なくされたのである。この価格競争の結果、1バレル=100ドルを上回っていた産油国にとっての良き時代は終わり、2014年12月16日時点で1バレル=53ドル台にまで値下がりした。

 以上の理由から、原油の価格が約半額にまでなったことで、ロシアの経済も大ダメージを受けた結果となった。

陰謀説:「新冷戦」構造がロシアを窮地へ

 ロシアの経済が悪化している政治的な理由として、ウクライナ問題によって生じた「新冷戦」が関係しているという説がある。

 ウクライナ問題によって「アメリカ対ロシア」という構図が浮かび上がった。中東ではサウジアラビアがイランと敵対し、そのイランをロシアが支援している。この状況を快く思わないサウジアラビアが米国と手を組み、ロシア牽制のために原油価格の引き下げを起こしたというのだ。

 実際、冷戦時代にも、ソ連のアフガニスタン侵攻に反発するサウジアラビアと米国が結託して原油価格を引き下げたという陰謀説が飛び交った。当時のソ連経済も原油輸出への依存度は非常に高く、原油価格の下落は致命的であった。

 上記の陰謀説は確証があるわけではないので、鵜呑みにするのは危険だが、アメリカとロシアの対立構造をみれば考えられない説でもない。


 ロシアだけでなく、世界的に見ても、原油価格の変動が政治や経済に及ぼす影響は計り知れない。今後も原油価格は大きく変動するとみられており、目が離せない状況が続きそうだ。

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