1. ノウハウに頼ってもムダだった。『リスクに背を向ける日本人』社会問題として考える「リスク」

ノウハウに頼ってもムダだった。『リスクに背を向ける日本人』社会問題として考える「リスク」

出典:pixabay.com

 書店のビジネス書コーナーには「リスクを恐れずに仕事を取り組む方法」や「限りなくリスクを減らす方法」といった内容のノウハウ書が数多く並びます。「リスク」は多くの人にとって回避したい問題のようです。

 こんなにもリスクに関する情報は溢れているのにもかかわらず「リスクに関する悩み」は絶えることがないのはなぜなのでしょう。

 こうした問題に対し、社会心理学者である山岸俊男氏とハーバード大学で日本研究を行っているメアリー・C・ブリントン氏は「日本社会の問題」として考察しています。そのことが詳しく書かれた『リスクに背を向ける日本人』という本から、一部をご紹介します。

リスク回避傾向の強い日本

 2005年から2008年にかけて世界で実施された「世界価値観調査」によって、リスク回避傾向が強い国として日本は世界一に選ばれたというデータがあります。

リスクを取りづらい社会

 バブル崩壊後、日本の経済が大きな変化をむかえた時、企業は安定して人材を採用することが不可能に。学生達は、学生時代に努力をしても就職が出来ないといった就職難の時代に直面しました。

 このような社会現象は、決して若者だけの問題ではなく日本社会の問題だと著者たちは述べています。単に若者に対して自立を求めるのではなく、社会という広い枠組みで考えていく必要がある問題ですね。

協調的というより、強調しないとまずい空気?

 日本の良さとして挙げられる「協調性」。東日本大震災の時も、日本人の協調的な姿勢は世界的に評価されました。しかし著者たちによると、多くの人は自ら協調しようとしているのではなく、互いに監視されているという前提のなかで、周囲に嫌われないために協調的な行動を取っている可能性があるそうです。

 では、本当に協調的な行動をする人はどのような人なのでしょうか。それは、自分の意思をはっきりと主張できる個人主義者であると著者たちは述べています。

 独立的な傾向のある人は周囲の目を気にしませんが、なにかを実現するために協力が必要ということを認識しているため、自ら進んで協調的な行動を取るそうです。



 『リスクに背を向ける日本人』には、今回ご紹介しただけでなくグローバル化という視点から日本人を分析したもの、「幸せ」に関する考察などが詳しく述べられています。さらに詳細を知りたい方はぜひ読んでみてください。

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