1. 必要なのは「会話」より「対話」。『わかりあえないことから』始めるコミュニケーション

必要なのは「会話」より「対話」。『わかりあえないことから』始めるコミュニケーション

出典:www.flickr.com

 応募条件に英語能力を求める求人も増えてきました。もはや英語はビジネスパーソンにとって必須のスキルになりつつあります。
 
 しかし、英語は話せるだけではダメ。言葉が通じても、まだ価値観の違いという壁が立ちはだかります。

 今回は、そんなグローバルコミュニケーションの壁を取り除いてくれる『わかりあえないことから』という本をご紹介します。

企業が求めるコミュニケーション能力

 昨今は、どこに行ってもコミュニケーションの必要性が叫ばれています。2012年に実施された日本経団連の調査でも、企業が新卒採用の際に最も重視している能力は9年連続「コミュニケーション能力」となっています。特に近年、企業が強く要求するコミュニケーション能力の内容については以下の通りです。

・異文化理解能力
 異なる価値観を持った人に対しても、その生活や文化の背景を理解・説得し、妥協点を見出すことができること

・日本社会における従来型のコミュニケーション能力
 「上司の意図を察して機敏に行動する」「会議の空気を読んで反対意見を言わない」「輪を乱さない」など

 企業はコミュニケーション能力として、明らかに性質の異なった2つの能力を要求しています。さらに厄介なのは、これを要求している側がそのことに気が付いていない点です。

求められるのは、会話ではなく「対話」

 日本社会は、同じような価値感や生活習慣を持つ者同士の集まりが基本となっているため、「相手の意図を察し、同調する」コミュニケーションが根付いています。対して欧米は、異なる価値観(宗教など)が常に存在する環境であるため、自分が意思や能力をきちんと相手に説明することが不可欠とされる社会。

 つまり、日本は「会話」、欧米は「対話」をコミュニケーションで重視しているということになります。本書の中では、この2つの特徴を以下のように定義しています。

・会話:価値観や生活習慣なども近い親しい者同士の話し合い
・対話:あまり親しくない人同士の価値観や情報の交換

 もちろん双方に優劣はありませんが、私たちは日本のコミュニケーションが世界において少数派であることは認識すべきです。今後ビジネスパーソンとして、他者にきちんと言葉で説明できる能力を重要視していく必要があります。

 異なる価値観と出くわしたとき、粘り強く共有できる部分を見つけ出していくことができれば、新たな発見や出会いの喜びも得られるでしょう。そういった小さな喜びの体験を少しずつ味わうことが、対話力を身に付ける近道となるはず。


 日本社会では「心から分かり合うこと」がコミュニケーションであるとされがち。しかし、私たちがこれから身に付けていくべきなのは、「分かり合えないことを前提に、その中で共有できる部分を見つけ、広げていく」コミュニケーションなのではないでしょうか。





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