1. エンジニアやクリエイターが徳島に集まる理由とは? 『神山プロジェクト 未来の働き方を実験する』 

エンジニアやクリエイターが徳島に集まる理由とは? 『神山プロジェクト 未来の働き方を実験する』 

by utpala ॐ
 
 IT企業の一大拠点であり、起業家の聖地とも呼ばれるシリコンバレーを知らない人はいないと思いますが、日本にもITベンチャーやクリエイターが集まる場所が存在していたことを皆さんはご存知ですか? 

 その場所はなんと「徳島県神山町」。観光スポットもない山間の町だそうですが、なぜ人々はこの場所に集まるのでしょう? 今回は、日経ビジネスクロスメディア編集長の篠原匡氏の著書『神山プロジェクト 未来の働き方を実験する』から、その答えをお伝えします。

なぜ人は神山に集まるのか

 神山は、いわゆる他の地方でも発生している若者の流出・高齢化といった現象に伴って、過疎化が進んでいました。しかし、今やヤフーやグーグルなど大企業の社員が短期滞在で訪れることも多々あり、新たな店舗や施設のオープンも相次いでいるよう。

 変化の理由は、やはり神山そのものにありました。それは、抜群のIT環境と生活費の安さ。2000年半ばに県内全域に整備された光ファイバー網の総延長は、県民1人当たりに換算すると全国1位だそうです。また、空き家の家賃は平均月3万円前後。利便性も悪くなく、新府能トンネルができたことで徳島市内との距離は一気に縮まりました。

 しかし、この2つのどちらも神山に人々が集まる決定的な理由ではありません。一番の理由は、様々な人が神山の地域や住民という「場」の雰囲気に惹かれたから。その雰囲気の中心にいるのは、神山に本拠を置く地元NPOグリーンバレーです。

方向性と継続性が成功を生んだ

 グリーンバレーでは、移住支援(ワーク・イン・レジデンス)や空き家再生(サテライト・オフィス)などの施策が5人のスタッフにより手掛けられています。しかし、成功の理由は何といっても、「モノ」でなく「ヒト」に焦点を当て続けたこと。

 彼らが重視しているのは「そこに何があるかではなく、どんな人が集まるか」という1点だけです。何かを生み出せる人を呼び寄せ、その人々の交流を通して地域を発展させるという方向性が定まっているからこそ、町の中は常にアクティブで楽しい空気で
包まれるようになりました。また、神山に住む人たちが外部の人に寛容であることも、雰囲気を構成する1つの要素になっているでしょう。

 神山は、クリエイティブな人材が集まる場をつくるためのベクトルと継続性を重視してきたからこそ、成功を収めることができたと言えるのではないでしょうか?


 時代の変化により、働き方を見直す必要性が生まれている現代。先の予測が不可能な時代には、自分がどこに向かって何をするかを定め、それを実行し続けていく力が求められているのかもしれません。



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