1. 川上量生氏が明かす『ニコニコ哲学』 ドワンゴの経営、ニコニコに込められた想いがここに

川上量生氏が明かす『ニコニコ哲学』 ドワンゴの経営、ニコニコに込められた想いがここに

出典:pixabay.com
 今年の10月に「ニコニコ動画」を運営するIT企業の株式会社ドワンゴは、出版社の株式会社KADOKAWAと経営統合しました。代表取締役会長である川上量生氏の独特の経営方針が最近よく話題に上がりますね。

 そんな彼が、本音で自身の哲学を明かした書籍が『ニコニコ哲学』です。今回は、本書の中からビジネスに関連するものに視点を当ててご紹介します。

なぜ国産のプラットフォームにこだわるのか?

 「ニコニコ動画」は国内の動画共有サイトとして確固たる地位を築きました。海外ではYouTubeなど、既に巨大な動画共有サイトが存在しますが、川上氏にはあえて国産のプラットフォームにこだわる理由があるそうです。

外資系のプラットフォームではなく、国産で、かつ、寄りかかれるくらい大きくて安心なプラットフォームができたらいいな、と思っている人は多いでしょう。

(中略)ある程度、日本のコンテンツ業界にとってもシンパシーが持てるプラットフォームが登場する。そこに意味があると思います。

出典:川上量生(2014)『ニコニコ哲学』


 海外のプラットフォームに頼っていては、いつサービスが大幅に変更されるかわからなく、国内にとって不利な条件になる可能性も否定できません。そのため、安心して利用出来る国産のプラットフォームを作ることに意味があるのだそうです。

「善人」なだけでは経営は難しい

 川上氏は、経営者になる前までは「自分は性格のいい人間だ」という意識を持っていたそう。しかし、経営者になって会社を潰せないという責任から、部下に厳しい指導をしたり、処分を下さなければならない状況を経験しました。

 想像では誰でも「善人」になることはできますが、現実では職場の環境などから「善人」でいられなくなることもあります。川上氏によると、そういった状況でもなお自分を「善人」だと思い続けられる人や、なにも気にしない人の方が経営は向いているそうです。

ビジネスと正義、使命感

 川上氏がインタビューにて「会社ではいいことを言わないようにしている」と述べていたことについて、その言葉の本意を述べています。

ーー 社員が「自分たちは社会のためになるビジネスをしている」と思うことはプラスにならないんですか。

川上 それが目的になったらまずいでしょう。だって会社って、そういう存在じゃないから。僕はとにかく欺瞞やウソが嫌いなんです。それは正義感とかじゃなくて、論理的におかしいからです。

出典:川上量生(2014)『ニコニコ哲学』


 ビジネスで社会貢献というのは決して悪いことではありませんが、それが会社の第一の目的になってしまうと会社は潰れてしまいます。つまり、ビジネスの軸を正義や使命感にしてしまうと会社にとってマイナスにしかならないということです。


 ユニークな動画共有サイトや、独特な経営方針から個性的な経営者と思われがちな川上量生氏ですが、本質は正直で論理的なものでした。

 今回ご紹介した『ニコニコ哲学』には、ビジネスに関するものだけでなく、「現代社会」や「人の性格」、「今後の方針」に関してなど川上量生的哲学が多岐に渡って展開されています。気になった方はぜひ手にとってみては?

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