1. 「心を動かす“コトづくり”」で世の中を変えたい―だから、私は「起業」しました【前編】

「心を動かす“コトづくり”」で世の中を変えたい―だから、私は「起業」しました【前編】


 「自分とマッチしない」「仕事がキツい」こういったネガティブな要素が、未だ転職の理由の多くを占めている。しかし、ただ働く環境を変えるだけで上手くいくようになるのだろうか?本当に大事なのは「自分がどうなりたいか」「こういう働き方をしたい」という明確なイメージを持つことだ。

 今回インタビューしたのは、開発会社のシステムエンジニアを辞め独立、株式会社コトコトを立ち上げた門松信吾さん。彼が「起業」という道を選んだ最大の理由、それは「モノづくりではなく、その先にある”コトづくり”がしたい」というものだった。


――株式会社コトコトの代表を務める前は、どのようなお仕事をしてきましたか?

 前職は受託の開発会社のシステムエンジニアとして、お客様から依頼を受けたサービスの開発を主な業務としていました。7年くらい勤めていましたが、後半はプログラムを書いているだけではなく、社内にあるチームのマネジメントを担当する機会も多かったですね。


――では、コトコトでのお仕事はどのようなものですか?
 
 こどもの成長シネマサービス「filme(フィルミー)」の開発と運営が主な業務です。

 filmeはスマホで撮影した20日分のこどもの動画の中から、ベストシーンだけを自動で編集した「成長シネマ」にしてお届けするサービスです。



――前職を辞め、現在のコトコトの立ち上げを決めた理由は何ですか?

 今までずっと、大手企業からの依頼を受けてモノづくりをしてきましたが、「作っているだけでは、どうしても世の中は変わらない」と思っていました。いくら企画やモノが良くても、お客様の体験を変えることができなければ絶対にいい状態にならない。そこにジレンマを感じていたんです。

 だから受託ではなく、お客様の体験を変えるようなモノを自分たちでしっかりと作っていこうと決めたんです。コトコトが掲げるミッションは「心を動かす“コトづくり”」。その「コトづくり」をやろうと思い、起業に至りました。


――モノづくりだけではお客様の体験を変えることはできない、とのことですが、既存のサービスの中にお客様の体験を変えていると思えるものはありますか?

 例えば「Dropbox」が世に出た時は、ファイルを管理するという体験自体が変わりました。「Evernote」が出た時は、メモを取るという体験が圧倒的に変わったと思いますね。

 私も前職では、大手スーパーマーケット向けにタブレットで商品注文ができるようになるサービスを考えることがありました。でもそれがお客様の生活をガラッと変えるようなものかと言われれば、上手くいかない部分がある。作り手と考え手の間には考えのギャップがあるんです。サービスの先にある思いを大事にしなければいけないので、難しいところですね。


――「filme」を前職の会社から発表するのではなく、コトコトから発表させなければいけなかった理由はありますか?

 
 私たちは「何をやるか」の前に「なぜやるか」を重要視しています。この「なぜやるか」が、前職とは最も異なる部分。 これがずれると、一つ一つの判断がずれ、お互い不幸になってしまいます。 そして、ものごとの判断だけではなく、集まってくる人、さらには世の中を変えるだけのイノベーションを起こせるパワーが変わってくると思っています。

 感動的な体験を生み出すことが、私が独立を決めた理由です。コトコトでは、費用対効果などではなくお客様の体験を最優先に考えてジャッジできる。「そこはコストはかかってでもしっかりとやっていこうよ」と言える環境がありますから。(続く)




門松信吾(かどまつ・しんご)さん プロフィール

受託開発会社でオムニチャネル基盤、O2Oプラットフォームなど様々なプロジェクトにSE、プロジェクトリーダーとして7年間携わる。その間も個人でモノづくりに励み、リクルートメディアテクノロジーラボ主催のMashupAwardでは2012年ヤフー(株)賞、2013年MashupCampソフトウェア部門最優秀賞、(株)ビズアイキュー BusinessHack賞を受賞。
その後、2014年6月に「心を動かすコトづくり」をミッションに株式会社コトコトを設立。こどもの成長シネマサービスfilme(フィルミー)を運営し、同サービスにてKDDI∞LABO第6期オーディエンス賞を受賞。

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