1. 後ろに下がることで見えてくるものもある。あえて後退を選ぶキャリア「ステップバック」

後ろに下がることで見えてくるものもある。あえて後退を選ぶキャリア「ステップバック」

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 目の前の仕事には全力で取り組んでいても、「このままでいいのだろうか......?」という不安はついてまわるもの。また、企業という組織の中では、自己実現や自己成長に限界を感じている方も少なくないのではないでしょうか?

 そんな方に参考にして頂きたいのが、最近注目を集めている「ステップバック」という考え方です。 

ステップバックとは?

 ステップバックとは、自己実現や自己成長のために、当面の収入や地位が下がっても、あえて一時的な後退を選ぶキャリアの考え方。バックという言葉からマイナスなイメージを抱く方もいるかもしれませんが、ステップバックの概念は「自らあえて後退する道を選ぶ」というものです。

 行く末が明らかな予定調和的キャリアパスから外れ、遠回りにも思える進路を選択する。それが結果的には豊かなキャリアに繋がるとして、ステップバックの考え方が注目を集めています。

なぜ今ステップバックが注目されているのか?

 このステップバックという考え方が注目されるようになった一つのきっかけとして挙げられるのが、米国のウォール・ストリート・ジャーナル誌に掲載された「How to Get Ahead By Going Backward」です。

 この記事では、ステップバックを行った1人のビジネスパーソンの事例が紹介されています。単調で予定調和なキャリアパスに疑問を抱いた彼は、もっと他の分野でも働いてみたいと考え、当時のポストを捨て自ら異動を願い出ました。結果、数年後により大きな企業のCFOとして迎えられたものの、そこでもCFOとして務め上げることにこだわらず、別の事業部門へ。あえて現状を壊し、一時的な後退によって新たな視点を得た彼は最終的に、CEOにまで上りつめました。

ステップバックで得られるものとは......?

 日本では、終身雇用制や年功序列が崩れ始めたことで、会社がキャリアを設計する時代は終わりを迎えました。会社に頼らず、自分のキャリアを自分で設計するための一つの方法として、ステップバックという考え方が登場してきたと言えます。

 一つの仕事や職務しか経験していなければ、その仕事でのスキルや知識しか得られません。あえて別の環境に身を置くことで、新たな視点を持つことが出来、より広い視野で物事を見られるようになります。

 また、ビジネスの第一線で活躍している人の多くが、不本意な異動や人間関係の軋轢、病気などといった挫折を経験しています。このような経験を糧に新しい考え方や視野を身に付け、成長を遂げることで現在の地位を築いていると言えます。さらには、このような経験から得た人間力は、彼らの人間味や魅力に繋がっていると言えるのではないでしょうか?

ステップバックにおいて大切なこと

 ステップバックを考えるにあたって大切なことは、大きく分けて3つあります。

明確な目標を持つこと

 目標もないまま後退を選んでも何も得られず、自分の成長を停滞させてしまいます。何事も達成のためには目標が付き物ですが、ステップバックを行うにあたっても明確な目標を持つことが何よりも大切です。

マイナス要素も受け入れること

 明確な目標もなく後退を選んでしまうと、何も得られないどころか今後のキャリアを立て直すことすら出来なくなる可能性もあります。そのような状況に陥るリスクがあることも受け入れることが必要です。

感情的な理由で後退を選ばないこと

 「今の仕事が嫌になったから、とりあえず会社を辞めてやりたいことを見つける」といった感情的な理由で後退を選ぶのは、単なる怠惰な選択に過ぎません。あくまでも、明確な夢や目標のためのポジティブな後退である必要があります。


 新たな視点を手に入れることで、より広い視野を持つことが出来るステップバックという考え方ですが、数多くのリスクを伴っているということも念頭に置いて考えなくてはなりません。
 
 5年後、10年後の自分の姿に希望を持てず、「このままでいいのだろうか......?」と悩んでいる方は、ステップバックという考え方も視野に入れて考えてみてはいかがでしょうか?

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