1. 難関資格を取得しても収入は平均以下? 『資格を取ると貧乏になります』取得者のみぞ知る収入格差

難関資格を取得しても収入は平均以下? 『資格を取ると貧乏になります』取得者のみぞ知る収入格差

by pedrosek

 就職やキャリア、スキルアップのためなど、様々な局面で資格は有利なものとされています。上記にあげた理由で資格を取ろうとしている人も多いのではないでしょうか。グローバル化が進む企業でも、TOEICの受験を必須にしているところが多いように、資格取得は社会的に見ても有利なものとされています。

 今回ご紹介する『資格を取ると貧乏になります』はタイトルが少々挑発的ですが、難関資格が有利と手放しに賞賛している人々に対して 具体例を挙げて批判した本です。なぜ、資格を取るだけでは有利にならないのか、詳しく見ていきましょう。

会社でTOEICを受けさせたがる理由とは

 企業への入社時にTOEICの点数が重要視されたり、入社後にTOEICを受験することが必須な企業が数多くあります。世界基準の英語資格はいくつかあるにもかかわらず、なぜこれほどまでにTOEICが普及したのでしょうか。著者は、その理由を次のように述べています。 

TOEICが爆発的に普及したのは、5565円という受験料の安さによるところが大きい。
 企業が、「TOEIC高スコアでも英語が喋れない社員問題」を認識していながらも、スピーキングとライティングの能力もしっかり測ることで定評がある米国発のグローバルなテスト「TOEFL」の採用に踏み切れないのは、TOEFL受験には最低、225USドルが必要で、TOEICと比べて4倍近い値段の開きがあるからだろう。

出典: 佐藤留美(2014)『資格を取ると貧乏になります』

 なんと、 受験料が安いことが大きな要因だったのです。著者の述べるように、読み書きの能力を測るTOEFLのほうが実践的ではありますが、TOEICが圧倒的に安く受験できるという理由で企業はTOEICを選択してしまうそうです。

 多くの会社が社員にTOEICを受けさせているのは、 TOEICが英語資格として優れているからではなかったようです。

公認会計士の待機合格者が増えている

 公認会計士は独占業務を持っており、資格として非常に有利なイメージがあります。しかし、試験に合格しても実務経験がなければ取得が出来ず、 待機合格者が増えているのが現状だそうです。

監査法人に就職できず、実務験を積めないために、資格取得ができない人が急増しているのだ。2010年の合格者で就職できなかった人は53.2%、11年は46.1%もいて、11年末の時点の待機合格者数は1300人にも達する。

出典: 佐藤留美(2014)『資格を取ると貧乏になります』

 公認会計士の資格が就職に有利に働くどころか、 資格を取るための就職が難しいという事態に陥ってしまっているのだとか。その数が 約50%前後というのにも驚きですね。 難関な資格であるにもかかわらず、就職が上手くいかないことで活用できないというのはなんとも皮肉なことです。

所得100万円以下の弁護士が増えている?

 高給取りなイメージがある 弁護士に所得100万円以下という人が増えつつあるそうです。

国税庁の調査によると(2011年)、「所得100万円以下の弁護士」は、登録弁護士の8割を超える2万7094人のうち実に22%にも及んだ。

出典: 佐藤留美(2014)『資格を取ると貧乏になります』

 もちろん、全ての弁護士が低賃金で働いているわけではありませんが、このように 収入が圧倒的に低い弁護士がいるのも事実。一流の資格といわれた弁護士という資格ですが、その内部において 深刻な収入格差が生まれているそうです。


 この本は挑発的なタイトルではありますが、具体例を調査して考察しているので、とても興味深い内容になっています。資格取得の全てを否定するわけではなく、「資格さえあれば安泰」と思っている人に警笛を鳴らし、 資格を取る意味を改めて考えさせてくれる本です。気になった方はぜひ手にとってみては?


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