1. 現代は「産業の垣根」が消えつつある!? シェアリングサービス台頭の理由を、大前研一氏に学ぶ

現代は「産業の垣根」が消えつつある!? シェアリングサービス台頭の理由を、大前研一氏に学ぶ


 テクノロジーの進化、M&A等による他分野への進出、ビジネスモデルの多様化、法規制の緩和などによって、 産業の垣根が崩れつつあることをご存じだろうか?

 その端的な例は、U-NOTEでも日々お伝えしている「シェアリングビジネス」。 空き家を貸したり車を貸したりと、既存の「モノ」を貸したい人と借りたい人をマッチングさせるサービスが、欧米を中心に盛んに登場している。日本にも「 スペースマーケット」などのサービスがすでに誕生しており、この流れはより一層加速していくと見られる。

 長年にわたって日本および国際経済を見つめてきた、日本を代表する経営コンサルタントであり、ビジネス・ブレークスルー大学大学院学長でもある大前研一氏は、この潮流をどう見ているのだろうか。


産業の垣根がカンタンに取り払われる時代。ビジネスパーソンはどうしたらいい?


 シェアリングビジネスについて注目すべき点は、 既存の産業の顧客を奪っていること

 例えば、以前は空き家を貸すのは不動産業、車を貸すのはレンタカー会社しかできなかった。それが、現在ではスマートフォンさえあれば、サイトやアプリにアクセスしてサービスを受けられる。ユーザーにとっては便利な時代だが、既存産業で働いているビジネスパーソンにとっては大きな脅威だろう。 

 この状況を大前氏はこう解説している。


『ユビキタスとフリクション・フリー(インターネットを介在した経済において、需要が増加すると価格が低下し、消費者にとって、摩擦やストレスのない経済となる現象)がかなり実現して、 世の中の業態を急速に変えつつあるのではないかと思います

 同時に、かつて『企業参謀』(大前氏の著書)で言った戦略、 3つのC(Customer=顧客、Competitor=競合、Company=自社) も変わっています
 
  カスタマーそのものが、どんどん定義できなくなってきている。例えばゲームアプリに課金をしないで遊んでいるユーザーは、お金を払っていないにもかかわらず、カスタマーです。これが、もっと楽しみたいと思えば有料ユーザーになる、というような感じですよね。この、最初に基本的なサービスを無料で提供して、さらに高度なサービスを有料で提供する経済を「フリーミアム」といいます。これは、インターネットでの商売と非常に親和性が高い』

 
 また、大前氏は先に話した「3つのC」が変わっている現状について、こう話す。


 『Competitor(競合)についても、例えば 物流業者はまさかAmazonがCompetitorになるとは思ってなかったでしょう。Amazonはネットの本屋じゃないかと思っていたら、世界中に届ける力を持ち、今や最強の物流業者になった。

  そんな状況なので、3つのCが明確に定義できない。だからこそ皆さん、 自分の競争相手、自分の業界、自分の会社自身が何なのか、考えてください

 でも、こういうことをやりたいと思ったら、必ずやる方法がある。なぜかというと、自分のやりたいことに必要な技術やノウハウを持っている会社が世の中にはたくさんあるからです。だから、 どういう会社になりたいのかを先に定義すれば、道はたくさんあるということです』

AppleとAmazonはライバルじゃない! 「競争相手」が見えにくい現状

 Competitor=競合が見えにくい例として、大前氏はAppleとAmazonの関係を挙げてこう続けている。


 『競争相手が見えにくい例を挙げると、 AppleとAmazonは一見競争しているように見えますよね。でも、実際Amazonが販売している電子書籍端末のKindleはあまり売れてない。

 それでは、多くの人はどうやってKindleの電子書籍を読んでいるかというと、まずAmazonのKindleアプリをAppleのiPadやiPhoneにダウンロードする。そしてAmazon経由で電子書籍を買って、iPadやiPhoneで読むという人が一番多いわけです。
 
 だから、実はAmazonは、Kindleを売りながら、「 Appleは私たちのエージェントだ、代理店の1つだと思っているわけです。よって、あまりきつい競争は今ではやってない』

「顧客」の定義が難しい状況は、私たちの身近で起こっている


 「顧客の定義が難しい」とは、どういう意味なのだろうか? 実は、この「顧客の定義が難しい」状況は、私たちが普段利用しているサービスやプロダクトの周辺でもたくさん見られることなのだ。大前氏はこう解説する。



  『顧客の定義が難しい例としては、まずはヤマトなどの 物流サービス。サービスにお金を払うのは荷主だけど、荷物が配送されないと届け先からクレームが来る。「一体どちらが顧客なのか?」ということです。あとは、決済カードリーダー。 Square(モバイル端末での決済を可能にするサービス)が代表例ですね。

  IT企業はオールマイティーではないので、自分の非常に強い領域と、足りない技術がはっきりと分かるんです』


「自社」に足りない技術を補う方法は「買収」

 IT企業が自社に足りない技術を補うためにはどうしたらよいのだろうか? 技術者を雇うのだろうか? そうではない、と大前氏は言う。



 『 では、足りない技術をどう補うかそれは買収です

 例えば、Appleはストリーミング配信に出遅れたのでビーツ・エレクトロニクスを買収しました。Googleは、ロボットをたくさん買っています。

 それからAmazonは、キバ・システムズという物流ロボットメーカー、さらにザッポスという靴の通販サイトも買いました。それからFacebookはWhatsAppを買収しました。これが「 最強の買収」と言われていまして、1兆8000億円で買ってます。

 さきほど触れた ロボットですが、これは 今たくさんのベンチャー企業が進出している分野です。あらゆる分野でIT企業がロボットを買っていく。

 例えば、介護サービスで人を抱えるときに、介護従事者が腰を痛めないようにロボットを使う。それから、「ロボットが人間に似る必要はないんだ」というコンセプトのもと、四本足のロボットを使っているというBoston Dynamicsみたいなところもあります』

究極の技術を補う方法ーー「誰かに作ってもらう」

 買収というと、巨額の資本がないと実現できない。
 
 しかし、大前氏は技術を補う方法として、驚くべき方法を紹介している。 



 『それからEMS(Electronics Manufacturing Service=電子機器の受託生産を行うサービスのこと)。これは、 誰かに作ってもらうことですね。Microsoft、Google、Amazonといった大企業が、台湾や中国に製品の作成だけを頼む。台湾や中国の会社は、企画や設計を行わず、製造だけを受託する会社です。

 日本にもEMSを行っている会社があります。プラスワン・マーケティングという会社がfreetelというSIMフリーのスマートフォンを作っています。このスマートフォンは、 イオンスマホとして販売されているものですね。

 以前、「freetelってどんな会社なの?」と聞いたら、社長以下1人しかいないそうです。それでもスマホが提供できるんです。巨大なシステムの中で設計して製造して売る今までのモデルと全然違うわけです』

カオスな時代を生き抜くためには、「3年先、5年先を描く」べし

 ビジネスの基礎中の基礎である「3C」の定義すら曖昧な時代に、私たちはどうしたらよいのだろうか? その処方箋を大前氏が示してくれたので、紹介したい。
 


 『 10年後を描ける人なんかいません。今、私が言ったようなものは10年前にはいずれもなかったからね。だからそんな遠い未来ではなくて、 3年から5年先の未来を描く

 どうすればいいかといえば、 自分の会社の再定義です。これはGoogle、Amazon、Apple、セコム、それからGE、フィリップス、ノキア、富士フイルム、みんなやってるじゃないですか。

 皆さんもぜひ、自分の会社について、「 お客さんがどう変わってきているか」「 彼らの買うチャンネルはどうなってきているか」「 競争相手は、今までの競争相手でいいのかを考えてください

 そして、 自分の会社が持っているものと、持っていないものを見る。では、持っていないものはクラウドソーシングで補うのか、それともそういうことをやってくれるEMSに頼むのか。

 そういったことを考えながら、3年から5年後を席巻してもらいたいと思います』



3年後、5年後を席巻するビジネスパーソンになれるチャンス!


 確かに現代のビジネスシーンは混沌としている。しかし、 大前氏の話を聞いているとワクワクしてこないだろうか? 大前氏が言うところの「3Cの見直し」や「自社の再定義」をして、その数年後に華々しくサービスを展開している会社は数多くある。

 カメラフィルムを製造する過程で用いられるコラーゲンの生成や抗酸化の技術を応用して、化粧品や健康食品を製造・販売している 富士フイルムは、その代表例といえるだろう。

 「こんなにも豊かな発想をできる大前氏の教えを直接受けたい!」「3年後、5年後のビジネスシーンを席巻するビジネスパーソンになりたい!」という希望に近づける場所がある。それが、ビジネス・ブレークスルー大学大学院だ。


一生もののビジネススキルを身につけられる場所がある


 ビジネス・ブレークスルー大学大学院は、経営コンサルタントである学長・大前研一氏をはじめとするビジネスの最前線で活躍する教授陣から、現代のビジネスにおいて必要不可欠な、「論理思考」「問題解決」「経営戦略」「マーケティング」「組織人事」といった様々な科目を学ぶことができる。

  授業形式はオンデマンド。PCやスマートフォンを用いて学習ができるので、「 忙しいなかでビジネスで勝つためのスキル を身につけたいというビジネスパーソンにぴったりだ。

説明会・個別カウンセリングで不安や疑問を解決

 ビジネス・ブレークスルー大学大学院では、入学の受付を春期・秋期の年2回行っている(グローバリゼーション専攻は春期のみ)。説明会への参加は、通常の説明会の他に オンラインでも開催されている。また、 個別でのカウンセリングにも申し込むことができる。申込は下記リンクから。


これから学びたい人に嬉しいニュース! 学費が最大96万円支給

 さらに、これからビジネス・ブレークスルー大学大学院で学びたいビジネスパーソンに嬉しいニュースが。2014年10月以降に「経営管理専攻」(MBAプログラム)に入学すると、厚生労働省の「 専門実践教育訓練給付金」の支給対象となり、2年で修了した場合、 学費が最大96万円支給される可能性がある。

 「勉強したいけど、学費が心配」というビジネスパーソンにとって、大きな味方となるこの制度。詳しくは以下のリンクから。


診断結果整合率84%!「MBA診断」で、まずは自己分析を

 それでも、「 MBAなんて敷居が高い!」と思っているビジネスパーソンにピッタリなのが、ビジネス・ブレークスルー大学大学院の「MBA診断」。

 10分程度で今の「ビジネス能力」と「志向特性」を明らかにし、5年後のあなたがどうなっているか予測してくれるこの診断は、「5年後の自分がどうなっていたいのか? そのために今、何が必要なのか?」をあぶり出してくれると好評だ。


 一生モノのビジネススキルや思考力を、そろそろ本格的に身につけたい。そんなビジネスパーソンにとって、ビジネス・ブレークスルー大学大学院は最適な場所ではないだろうか。




 本稿は、大前研一氏が主催する企業経営家ネットワーク「向研会」で2014年9月21日に行われた講演であり、ビジネス・ブレークスルー大学大学院の講義映像としても使用された「消えゆく産業の垣根~業種の壁を超える企業~」の模様(一部)を書き起こし、使用したもの。

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