1. 「仕事と私、どっちが大事?」のベストアンサーが決定?コピーライター選手権LIVEイベントレポート

「仕事と私、どっちが大事?」のベストアンサーが決定?コピーライター選手権LIVEイベントレポート


 街中やTVを何気なく見ていると、ふと心に留まる一言がある。そんな言葉を考えるのが、コピーライターという職業だ。そんなコピーライターたちがアイデアをぶつけあうイベント「コピーライター選手権LIVE」が開催された。彼らはどうやって人の心をとらえるコピーを考えているのだろうか?

コピーライター選手権LIVEとは?


 面白法人カヤックのコピーライター長谷川哲士さんが、定期的に開催するキャッチコピー好きのためのイベント。お題に対してプロのコピーライター、会場の観覧者、そしてTwitter上の参加者たちが即興でコピーを考え、会場からの投票によってベストコピーを決定する。臨場感満載の、コピーによるバトルなのだ。

登壇者のご紹介!

登壇者

武田さとみ氏(電通)東京ガスTVCM「まほちゃんの作戦」で、2014年TCC新人賞受賞。代表作:「まほちゃんには、ヒミツの計画があります。サンタさんに直接言いたいことがあるのです。」(東京ガス)


宇野元基氏(博報堂)朝日広告賞、フジサンケイビジネス広告大賞、TCC新人賞など。
代表作:「家庭には入ったけど社会から出たわけじゃないんです、私。」(ユーキャン)

金そよん氏(博報堂クリエイティブ・ヴォックス)
代表作:「初摘みミント、食べてミント!」(ロッテ/グリーンガム)

主催

長谷川哲士氏 面白法人カヤック コピーライター

プロはとにかく手を動かす!


 最初のお題は、 「ハロウィンにコスプレしたくなるコピー」。日本にも定着してきたハロウィンだが、実際にコスプレをしてイベントに参加したことがある人は少ないだろう。たまにはハメを外して街に出たくなる、そんなコピーは出てくるのだろうか?

 テーマが発表されてシンキングタイムが始まったのもつかの間、コピーライターたちはすぐさま手を動かし始める。すごい速さでスケッチブックを埋めていく。静かな会場には、コピーライターたちがペンを動かす音とページをめくる音だけが響きわたる…。 
 まずは最初のシンキングタイムが終了。そこでカヤックの長谷川さんが出したコピーがこれ!

「好きなアニメがおなじなら、ずっと話していられる」
 
 見知らぬ人が集まるハロウィンイベントに参加するのは、ちょっと勇気がいるもの。でも、自分と同じ作品のコスプレをしている人となら、共通点もあるから話も広がるはず。初めてコスプレをしたふたりが、少しずつ打ち解けていく様子を想像できるコピーだ。

ビジネスマンを一番悩ませた質問がここで解決!?

 続いてのお題は、 「仕事と私どっちが大切?」と聞かれたときの正しい答え。男女関係がもつれたときの常套文句ともいえるこの質問。どう返せば彼女を喜ばせることができるのだろうか?

 ちなみに、ルミネのコピーで有名な尾形真理子さんはこの質問に対して、「そんなこと言わせてごめんな」と答えるのがベストと言ったそう。比べてはいけないものを比べてしまっているのだから、怒っている側の気持ちを汲んでそもそもそんなことを言わせてしまったことに言及するのがいいということだろう。


 これを受けて、博報堂クリエイティブ・ヴォックスの金さんが「自分はこう言われるのが一番かも」と言って出したフリップには、括弧だけが書かれていた。
「( )」

 その意味は「何も言わない」ということ。「この質問をしている女性も自分のことが嫌いだと思うので、何を言ってもダメだと思うんですよ。だから、しばらく無言になって態度で示してくれた方がうれしいかなって」。なるほど、非常に女性らしい意見だ。

 「怒っている女性も自分に嫌気がさしているというのは考えなかったな」と長谷川さんも納得。ときには、何も言わないのが一番の答えなのかもしれない。


 すると、博報堂の宇野さんは、「これは 二者択一の質問ではないので、質問とは別のところで戦わないといけないんですよ。お前が大事だって伝えて、
そしてできれば笑ってもらえるのがいいですよね」と説明する。
そんな彼が出したコピーに会場は騒然。

「いつだって、仕事やるより、お前とやりたい。」

 「男性だったら、これで笑ってくれるとうれしいじゃないですか?」と宇野さん。会場の男性の中にも、納得したように笑いながら頷く人がちらほら見える。しかし、これで笑ってくれる女性はどれくらいいるのだろうか…? とにかく、これが今回のベストコピーに決定!

なんだかんだでシンプルが一番!?


 続いてのテーマは、 「職場で誕生日を迎えた人にひとこと」

 実は、イベント当日は宇野さんの誕生日。広告業で毎日遅くまでバリバリに働く宇野さんが、仕事で疲れた時にかけてほしい言葉とはどんなものなのだろうか?


 まず会場でウケが良かったのは、Twitterから投稿されたこのコピー。

「年の数だけフリスク食べましょう!」

 口の中がすごくスースーしそう…。もちろん宇野さんも、「そんなに食べたくねぇよ!」と笑いながらツッコミを入れる。ちょっととぼけた一言がクスリとさせてくれる、面白い着眼点のコピーだ。


 続いて電通の武田さんが挙げたコピーは、後輩に言われたら嬉しくなりそうなもの。

「おめでとうございます!誕生日、手帳に書いておきますね!」

 今まで接点の少なかった職場の人にこんなことを言われたら、これから仲良くできそうに思えてしまう。ただおめでとうと言うわれるより、自分に関心を持ってくれているのがわかってよりハッピーな気持ちになれるコピーだ。


 続いては金さんが挙げたコピー。

「先輩、尊敬してます。おめでとうございます。」

 宇野さんは「これはすごく言われたい!」と大絶賛。実は金さんは、宇野さんと同じ職場の同じチームにいたこともあるという。リアルな後輩からのシンプルな言葉が、どうやら一番心に響いたようだ。 感謝の気持ちを伝えるときは、かっこいいコピーを考えるよりも、シンプルに思いをぶつけた方がいいのかも!?

人とは違った切り口を思いつく秘訣は?


 本当はあと2つお題が控えていたのだが、どのテーマでも予想を上回るコピーが登場し、時間の関係でこれが最終決戦に。本日ラストのお題は、 「本屋さんで待ち合わせしたくなるコピー」。今までのテーマでは面白いコピーも多かったが、このテーマではつい口に出したくなるようなみずみずしいコピーが多く登場した。ここではその中でも選りすぐりの3つを紹介。


 まずは宇野さんが、気の弱い文学青年を思わせるコピーを発表する。

「読んでる本が、僕自身です。

 本の趣味には、個人の性格が色濃く表れるもの。口下手な青年が、精一杯のアピールをする姿が浮かぶ甘酸っぱいコピーだ。


 Twitterからも、詩的なコピーが登場。

「しおりの場所は、きみと会えた場所」

 好きな人と出会えた場所が思い出に残るように、そのとき読んでいたページも思い出になるのかも。本屋で待ち合わせをすれば、そのぶん思い出も1つ増えそうだ。


 今回のベストコピーに選ばれたのは、カップルのほほえましい姿を描いた武田さんのコピーだ。

「好きな人の横顔は、意外とながめられない。」

 いつもは向き合うことが多いふたりだと、なかなか横顔を見る機会は多くない。本に真剣に向き合う横顔から、パートナーの新しい一面を発見できるかもしれないだろう。

 少し変わったテーマが多かった本イベントだが、最後のテーマはコピーライターの力量が存分に発揮されたテーマだ。最終的には、登壇者全員が最初に配られたスケッチブックをすべて使い切るほどの大量のコピーが誕生。本屋の新しい魅力を見せてくれるコピーやドキッとする一言など、全部紹介できないのが残念なくらいにたくさんの名コピーを見ることができた。
 
 口では冗談ばかり言いながら、いざ発表となるとハッとさせられるコピーを連発させるコピーライターたち。もしかしたらこうやって複数のアクションを同時にこなすことが、人とは違った切り口のコピーを思いつく秘訣なのかもしれない。

一言で誰かを動かせるのが、コピー


 最後に宇野さんが全体の感想を、「コピーはとても面白くて、一言で誰かの気持ちを動かせる技術です。テレビや広告じゃなくても、SNSにそんな一言が広がるととてもうれしいです。ありがとうございました」と述べた。

 今やSNSで誰もが毎日のように言葉を発信している。コピーライターを目指す人でなくても、みんながコピーについて考えて広告の文句に気を配っていれば、世の中にはもっと素敵な言葉があふれるのかもしれない。

 その後、本日誕生日の宇野元基さんにサプライズでバースデーケーキをプレゼント。ここで宇野さんは「この後泣いちゃうかも」と感極まった様子。大盛況の中、第4回コピーライター選手権LIVEは終了した。

 センスに溢れたコピーライターらしい名文からちょっとしんみりさせる瞬間、さらには下ネタまで盛りだくさんの3時間だった。定期的に開催される予定なので、コピーライターの才気や人間らしさを実感したい人はぜひご参加を!

今回生まれた勝利コピーはこちら!

「1着で、リア充。」
(ハロウィンにコスプレしたくなるコピー/金そよん)

「被災地じゃない。いちばん、未来がある土地だ。」
(被災地に行きたくなるコピー/宇野元基)

「いつだって、仕事やるより、お前とやりたい。」
(仕事と私どっちが大切?と女性に聞かれたときの男性のベストな回答/宇野元基)

「先輩、尊敬してます。おめでとうございます。」
(職場で誕生日を迎えた人にヒトコト/金そよん)

「好きな人の横顔は、意外とながめられない。」
(本屋さんで待ち合わせしたくなるコピー/武田さとみ)

そのほかのコピーやコピーライター選手権LIVEの情報はこちら!


U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する