1. 「大事なのは夢じゃない。あらゆるものを疑ってみろ」ーー 家入一真が語る、仕事と夢の本当の話

「大事なのは夢じゃない。あらゆるものを疑ってみろ」ーー 家入一真が語る、仕事と夢の本当の話

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 これから就活を迎える学生の多くが抱える悩みや不安。何をすればいいかもわからずに、気持ちばかりが焦っている人もいるだろう。そんな人のために、独自の道を歩く4人の先輩が一筋の光を与えてくれるイベント、「『人を楽しませる』を仕事にしたい学生のためのセミナー」が明治大学で開催された。その講演を5回に分けて書き起こしていく。

 最終回のテーマは、尊敬する人物とこれからの目標について。「成長するためには目標を持て」とよく言われるが、実際にはどんな目標を持つべきなのだろうか?  

登壇者

芸人 2003年から中田敦彦とコンビ「オリエンタルラジオ」として活動 藤森慎吾氏
クリエイティブディレクター 2011年にクリエイティブラボ「PARTY」設立 中村洋基氏
株式会社TBSテレビ 番組プロデューサー 中島啓介氏
BASE株式会社 共同創業者/取締役 LivertyやCAMPFIREなど複数の立ち上げに関わる 家入一真氏

モデレーター

株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー 佐藤詳悟氏

前回までの記事はこちら




見出し一覧

・「自分の物語を歩きたいから、尊敬する人はいない」
・仕事をしている以上、尊敬している人から褒められたい
・「いい意味で舐められる人」はなかなかいない
・「有名になったから、夢をもう一回考えた」
・世の中を動かすほどのインパクトの大きいことに取り組みたい
・別に夢がなくたって気にすることはない
・同じ空間にいることで生まれた”つながり”を残す

「自分の物語を歩きたいから、尊敬する人はいない」

家入一真氏の尊敬する人:なし

藤森:質問受けたいですね。なんでもいいですよ。「付き合ってる人はいますか?」とかでも問題ありません。

質問者A:みなさんは、尊敬する人はいますか?

藤森:尊敬する人ですって。

家入:僕、いないかな。

藤森:NOって答えるのだけはやめましょうよ。

家入:いやいや。これってよく出る質問で、堀江さんに聞いたら「お前、これ聞いてどうするの?」って返ってくるんですよ。そこまで言わなくていいと思うんですけど。僕は本当にいない。どうしたらいいですかね…。

藤森:堀江貴文さんみたいな業界の先輩とか? GREEの田中良和さんは?

家入:そうですね。僕の場合は自分固有の物語があって、それを歩くだけなので、特に誰っていうのはないですね。

中村洋基氏の尊敬する人:佐々木宏

佐藤:中村さんが尊敬する人は?

中村:広告業界には、今ではあまり知らないかもしれないですけど、佐々木宏っていうすごいおじさんがいるんですよ。もう60歳ぐらいなんですけど。

 最近で言うと、ドラえもんの映画を興行収入1位にさせた人で日本のCMの5割ぐらいは手がけているんですけど、僕はいつも説教されながら、「どうすればあの人を超えることができるかな」と思ってますね。

仕事をしている以上、尊敬している人から褒められたい

中島啓介氏の尊敬する人:阿部龍二郎

中島:僕も、自分の番組作りの師匠みたいな人はいるんですよね。

藤森:TBSのプロデューサーの阿部龍二郎さん?

中島:はい。TBSのバラエティ番組でいろんな素晴らしい番組作ってきた人で、テレビ局に入ると1回はその人の弟子になるんです。徹底的にしごかれるんですけど。(笑)尊敬もしてますし、絶対にあの人に「よく頑張ったな」って言われたい。1回は破門になってるんですけど、それでも認められるために日々、頑張ってますね。

「いい意味で舐められる人」はなかなかいない

藤森慎吾氏の尊敬する人:爆笑問題

藤森:僕の場合は誰だろう。憧れて入った会社ですから、吉本の先輩はみんな好きです。尊敬って難しいですけど、僕は一緒に働いている人はどうしても好きになります。あえて言うならば、爆笑問題さんかな。事務所は全然違いますけど、すごく好きですね。

 スキルとか技術的にも好きだけど、最終的には、人が好きかどうかになってくる。例えば、ツッコミならくりいむしちゅーの上田さんとか色々ありますけど、それはその人にしか出来ないことなので、「あの人みたいになりたい」ということではない。ああいう人間になりたいっていう意味では爆笑問題さん。

 あれだけすごいポジションにいて、単純に偉そうにしない。いい意味で後輩から舐めさせてくれるというか、舐められる才能があるというか、それに単純に面白い。

佐藤:ありがとうございます。

「有名になってから、夢をもう一回考えた」

藤森慎吾の目標:夢を与えるのが夢

質問者B:みなさんのお仕事観や人生、やりがいを通して実現したいことなどあればお聞きしたいです。

藤森:まさに昨日、相方と偶然そんな話をしていました。今32歳なんですけど、芸能界は60歳ぐらいまでやっている人もたくさんいる中で、どうするかを改めて考えました。これから話すのは、相方が言っていたことにもなります。

 デビュー当時に持っていた有名になりたいという夢は、ちょっと叶っちゃったんですよね。そのときに「もう一回、あと30年頑張るモチベーションは何だろうね」って真剣に話し合った結果、「見ている人に夢を与えられるのが我々の一番の夢じゃないか」って、昨日会議室で真面目に話しました。

 何だろうね。僕らが舞台を見て興奮したときって理屈なしに「かっこいいな、憧れるな」って思っていたので、見る人に夢を与えることが夢かな。

中島啓介氏の目標:行っただけでワクワクする街を作りたい

中島:僕は、テレビの仕事とは違うんですけど街を作ってみたいですね。今、日本で最も楽しい街は、多分ディズニーランドかユニバーサル・スタジオ・ジャパンです。海外ではラスベガスとかもそう。

 行っただけで楽しくなる、ワクワクする場こそが、エンターテイメントの凝縮だと思っていて、演出の要素とか、色んなことが組み込まれた極地ですよね。

 テレビ番組は1回流れたら、基本的にその場限り。でも、街はずっと同じまま残り続けていくエンターテイメントだと思っているので、将来はそんなことがやりたい。

藤森:かっこいいですね。

中島:夢として持っています。

佐藤:都知事に立候補しますかね。

別に夢がなくたって気にすることはない

家入一真氏の目標:目標なんてない

佐藤:家入さん、締めをお願いします。

家入:夢は本当になくて、どうしようかな…。

藤森:こんなことを考えているとか、近い将来とかでもいいですよ。

家入:近い将来も特になくて、僕は夢持って夢破れるというのを何回も経験してるんです。だから、引きこもりとかやってきた中で、最初から夢なんか見ない方がいいんだなって思うようになりました。

 夢を見ずに、自分のやるべきことをただやろう、身近な人が喜ぶことをやろうとしているだけ。先のことを描いてもその通りにいった試しが無いし、途中で心が折れちゃうし…。

 夢とか目標なんて持たなくていいんじゃないかなと思っています。僕も「夢を持ちなさい、目標を持ちなさい」という言葉の通りにしたら上手くいかず苦しまられ、他の人の言うことを信用しなくなってしまった。

 夢とか目標とか、例えばみなさんは就活生だから、これから「こんな会社入りたい」とか色々あると思うんですけど、入ってもできないことなんてたくさんあるので、ギャップに苦しむことになる。だから諦めろという話ではないけれど、過度に夢を持つのも考えものだと思っています。

「大人を信用するな」

家入:だから、経営者としてではなく、ひとりの家入一真という人間として喋ります。これが例えば経営者セミナーとかだったら、夢という船に社員を乗せてと『ONE PIECE』を例えに出しますよね。

 『ONE PIECE』ってルフィの夢を叶えるためにいろんな人が物語に加わり、個々の物語もある。そして、ルフィはその人たちの夢も叶えてやろうと動くわけじゃないですか? 僕、読んだことないですけど…。

藤森:ないの?

家入:ないですよ。ないけど、何となくわかる。簡潔に言うと、あんまり大人を信用しない方がいいですね。

藤森:ネガティブ。

家入:夢とか目標に限らず全てのことに対して、とにかく疑えってことですね。例えば、一人のビジネスマンとして発言すると、ビジネスっていうのは、ニーズという名の欲望をくすぐってビジネスに変えるものなんですよ。これってマスコミも同じだと思います。

 欲望を作り出すために、「もっと年収が高くなるには?」とか「もっときれいになるには?」っていう特集を組んで化粧品を売る。それって、欲望を喚起し続けた結果、そこにどんどんビジネスを生んでいくわけじゃないですか。

 みんなが求めているニーズに応えるという形でビジネスを展開するわけですけど、それは本当に正しいのか。

 もっときれいになる方法とか、もっとモテる方法は僕も読むけど、本当にモテたいのかな、みたいな。モテた先に何があるんだっけ? 身の回りにあふれている大人の言葉を常に疑う。ただ、疑心暗鬼になれってことではないですけど、疑い続ける。

 夢があるのは、すごい素晴らしいことだと思うんですけど、別に夢がなかったとしても気にしなくていい。

藤森:せっかく「夢はなんですか?」って聞いてくれたのに、「夢は持つな」と。

家入:逆に、夢って何かありますか。

藤森:いま3年生? 最後に聞いてみますか?

佐藤:就活はもう始まっているんですか。

質問者B:これからです。私は、人生を通して人に幸せを与えたい。

藤森:そういう職業、職種に就きたいなと。

質問者B:はい。

家入:僕は幸せになりたいですね。

中村:僕もなりたいです。

中島:僕の方がなりたいです。

佐藤:僕もなりたいです。

藤森:何なんですか。嫌な大人だね。頑張ってくださいね。

同じ空間にいることで生まれた”つながり”を残す

質問者C:最後に一言いいですか? 今、みなさんはどういうことに気を付けてしゃべっているんですか?

藤森:単純にテクニカルなことを言うと、人が聞きたくなる波長があります。声のトーンもそうですけど、芸人はやみくもに大きい声を出しているわけじゃなくて、「なんだ?」って聞きたくなるようなトーンで話してるんです。

 だから、自分がおもしろいっていうのは当然なんですけど、それにプラスして話の抑揚の付け方やボリュームを持ってますね。

佐藤:でも、今回はそもそも人が面白いんで。

藤森:家入さんは、生きざまが面白いですからね。

家入:僕、こんな感じなので、あまり喋れないんですよ。きっとこの後もみんな飲みに行って、結局聞いたことなんて忘れちゃう。喋るのにに意味がないって言っちゃったら身も蓋もない。

藤森:マジで身も蓋もないですね。夢を持つな、喋っても意味がない、尊敬は誰もしない。

家入:いやいや、だけど僕がやっているのは、喋った後。ここで集まったみんなでグループワークみたいなことをやったりして、喋ったことは忘れても、ここで生まれたつながりを残す。

 そうすると、人のつながりとこの時間を共有したっていう事実は残っていくと思うので、そこを仕組みとしてやっていきたい。だいたいわかりますよね、言ってること。

藤森:ちょっとわかんないですね(笑)。では、ありがとうございました。

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