1. あらためて考えたい「お金」との付き合い方『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

あらためて考えたい「お金」との付き合い方『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

by Tracy O

 あなたは「お金」と「人」どちらが信用できますか? 多額のお金を儲けることに「成金」などとネガティブなイメージを持ちがちですが、その背景に堅実な貯金が美化されるという日本の風潮があります。

自分でお金を溜め込んでいるということは、人にお金を出したくないということ。それは、人を信じていないことでもあります

出典:藤野英人(2013)『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

 つまり、「お金」を保持することを善としている人は「人」よりも「お金」を信じているということになりますね。

 今回ご紹介する『投資家が「お金」よりも大切にしていること』では先述したような「稼ぎすぎは悪」とし、あえて豊かな生活を否定し「コツコツ貯めることは善」というような日本人の「お金」に対する思想を批判しています。では、「お金」とはどのように付き合っていけばいいのかを考えてみましょう。

「お金=汚い物」のイメージは日本人特有のもの?

日本人は自分のこと、すなわち、自分のお金のことしか考えていないのです。自分のお金を現金や預金として守ることしか考えていないのです。

出典:藤野英人(2013)『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

 著書によると日本は、世界的にみても寄付をしない国だそうです。そして、お金は社会のためというより個人的なものとして捉えているため、必然とお金は汚い物だといったイメージが根付いています。

 そして、このような日本人はお金に対して「不真面目」つまり誠実ではないと述べています。現在の不況と呼ばれる状態も、そういった「不真面目」が会社規模で増えていることに原因があり、逆に「お金」に対して「真面目」であるということは、「お金」を使うことで社会を良くしようとすることだそうです。

社会を良くするために使う「お金」

 では、社会を良くするために「お金」を使うとはどういうことなのでしょうか。著者は次のように述べています。

自分が素敵だと思ったこと(モノ)に自分のお金を使う行為は、そのステキな商品やサービスを提供してくれている会社やそこの従業員たちを応援する行為と、同義であるということです

出典:藤野英人(2013)『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

 「お金」を使うことは、私欲を満たすためだけではなく生産者に対して応援する行為でもあるのです。それが結果として社会を良くするために機能し、あくまで「お金」は応援するための過程にあるもので、最終目的ではありません。

 そのように考えると、「お金」を稼いで使うことは社会にとって貢献できると言えます。決して、たくさんの儲けがあることは悪いことではないのだそうです。

ブラック企業の原因は消費者にあった

 著者は、消費者が貯金に走ることで社会に貢献できないばかりか、お金を使わないことでブラック企業を作り出しているとも述べています。

低価格帯の旅行ツアーが流行るのも、居酒屋チェーンが朝まで長時間営業しているのも、「お客様のため」と言えば聞こえはいいですが、要は、私たち消費者が求めているから

出典:藤野英人(2014)『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

 安くないと「お金」を使わない消費者、それにもかかわらず高水準のサービスを要求する消費者によって、労働者は低賃金で働くことになってしまいます。不況を喘ぐのであれば、社会に貢献できるという意識を持ち、「お金」を使うようにする必要がありそうですね。


 少々過激な批判をしているように感じる本書ですが、貯金そのものを批判しているわけではありません。将来が不安だから自分だけでも生き残りたいという利己的な貯金が、結果として不況を招いているという示唆に富んだ批判をしています。海外の事例などを用いて、「お金」とどのように付き合ったらいいのか、いままでの「お金」に対する価値観を改めて確認するためにも本書を手にとってみては?


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