1. 『「ひらめき」を生む技術』セレンディピティを起こす「現場主義」的ひらめき発想法

『「ひらめき」を生む技術』セレンディピティを起こす「現場主義」的ひらめき発想法

by qisur

 どの分野の仕事でも、新しいものを生み出すための「ひらめき」は重要です。では、「ひらめき」はどのようにして生まれるのでしょうか。待っていても、頭の中で考えていても「ひらめき」は簡単には生まれませんよね。

 実は、分野を問わず活躍し続けている人は「ひらめく」ための技術を持っていたのです。今回ご紹介する『「ひらめき」を生む技術』という本では、著者が様々な領域で活躍する4人と対談を行って「ひらめき」を生む技術はどこにあるのかを考察しています。では、詳しく見ていきましょう。

自らチャンスを作り出せる「セレンディピティ」

 本書では、「セレンディピティ」が「ひらめき」を生むために重要だと繰り返し述べられています。では、この聞きなれないセレンディピティというのはどういう意味なのでしょうか? 著者は以下のように非常にわかりやすく説明しています。

「探していたわけではないけれど何だか面白いものがあるぞ、ラッキー」ということです。

出典: 伊藤穣一(2013)『「ひらめき」を生む技術』


 探しているわけではないのにたまたま見つけてしまうという状況を自ら作り出すことができれば、視野が広くなりチャンスも増えるでしょう。計画を立てず、たまたま見つけたものを好意的に受け止める意識が重要です。

現場主義を徹底するメリットとは?

 組織で地位が高くなるほど、現場からは遠ざかってしまいます。そして、言葉や理屈だけで現場に指示を出す状況には限界があるそうです。その理由として、著者は以下のように述べています。

咄嗟の時に、どのように舵取りすればいいか自分で判断する右脳的な能力は、実際に経験を積むこと以外、培うことはできないのです。

出典: 伊藤穣一(2013)『「ひらめき」を生む技術』


 著者は実体験として、現場で得られることの多さを語っています。アメリカのデトロイトの夜道の暗さから治安の悪化を懸念し、街灯の代わりになるものを作ることを考え、「自分自身が光るウェア」というものを作りだしました。

 これは著者が一人で考え出したものではなく、現場に赴き、現地の人と相談を重ねた結果に生まれたものです。だれでも簡単に自作できるという点で、現地の人に受け入れられたそうです。

 そして、自分で作るという経験を経た現地の人の中には、テクノロジーに興味を持ったという若者も居たそうです。現場にコミットし生まれた「ひらめき」は、完成した物を通して他人にも影響を与える効果がありました。

世界の一員としてのアイデンティティを持つということ

 日本は島国であることから人々がまとまりやすい環境ではありますが、このまま他国と協力せず、関係を良くしていかないままだとと世界から取り残されてしまう恐れがあります。そのために著者は世界の一員という意識を持つことの重要性を説いています。

もっとこちら側から積極的に自分たちのことを発信していく必要があります。そして、経済力や競争力ではなく、自分たちと違う国 ー 違う人間 ー にエンパシーを持ち、つながっていけるかどうかで、今後の日本の行く末が決まるといっても過言ではないでしょう。

出典: 伊藤穣一(2013)『「ひらめき」を生む技術』


 また、日本人が世界の一員としてのアイデンティティを持ち、積極的な関わりを持っていくことで世界に対して大きな影響を与えられる可能性があるそうです。

 物作りや音楽など、日本は海外の文化を日本の文化と融け合わせることができる国なので、もっと多様な価値観を受け入れることもできます。イノベーションの時代といわれる現代において、日本の良さを世界に発信できる良い機会でしょう。


 本書は、映画監督・CEO・投資家・コメディアンと様々な分野の人たちと対談しており、それぞれの原点に遡って「ひらめき」について掘り下げています。どんな分野にも共通する「ひらめき」を生むための技術とはなにか、さらに詳しく知りたい人におすすめな本です。


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