1. 『本は死なない』Kindle開発者が語る電子書籍の未来

『本は死なない』Kindle開発者が語る電子書籍の未来

by J. Tegnerud
 電子書籍元年とも呼ばれた2010年から4年が経ち、徐々に普及してきた電子書籍。安く買えて、クラウド上に保存できるので本棚いらずなのが魅力ですよね。その一方で、いまだに紙の本を好む人が多いのも事実。

 本の電子化が進む時代に、紙の本はこれからどのような変化をしていくのでしょうか。現在の電子書籍業界の中で圧倒的なシェアを持つAmazon社 Kindleの開発者が書いた『 本は死なない』という本で、 本の未来について考えてみましょう。

紙の本はベストセラー作品だけになる?

 電子書籍がさらに浸透することで、紙の本は完全に無くなるのかという疑問が浮かびあがります。しかし、著者によると 紙の本は今後も残るそうです。ただし、現在のように紙の本が流通のメインで、一部の本だけ電子書籍化するという形ではなく、電子書籍で ベストセラー化した作品だけが紙の本になると著者は予想しています。

 つまり、紙の本は一部の熱心なファンのためといった意味合いで存在するという形態に変化するということです。そして、時代の主流は電子書籍に移り変わっていきます。

主流は電子書籍に

 電子書籍の未来について考えるために、印刷技術が普及しはじめた16世紀の出版事情に目を向けて見ましょう。当時の本は手書きの写本が一般的でしたが、すぐに印刷技術が登場しました。しかし、当時の富裕層は 「写本の方が人間味がある」という理由で、あえて写本を読んでいたそうです。しかし、時代と共に「人間味」以外利点の無い写本は廃れていき、印刷された本が主流になりました。

 「電子書籍の時代が来る」という話は、たびたびニュースで耳にしますが、利用している人はまだまだ少ないのが現状。それはまだ、電子書籍よりも紙の本のほうが利点が多いからです。しかし、電子書籍の機能の向上や電子書籍に特化したSNSの普及に伴い、 電子書籍が紙の本の利点を超えたとき急速に電子書籍が普及しはじめることでしょう。

電子書籍の時代、出版の一元化が起こる

 電子書籍が主流の時代になったとき、既存の出版業はどのような変化を遂げるのでしょうか。著者はこう述べています。

出版、著作、販売の3つが分化し、いまのような形態になった。ところが電子書籍が登場してから、再びこの3つが一元化されようとしている。

出典: ジェイソン・マーコスキー(2014)『本は死なない』
 このように、いままで出版業というのは分業で行われていました。しかし、電子書籍であれば、 著者自身が編集などの出版業を担いAmazonなどのプラットフォームで販売することが出来るようになります。そして、本を広めるのは今までのように出版社の仕事でなくなり、販売店の役目になるのだそうです。


 紙の本と電子書籍の未来を予想している書籍『本は死なない』。本書には今回ご紹介した内容にとどまらず、電子書籍の歴史や「本」という概念がどう変わりゆくのかが著者によって詳細に予想されているので、気になった方はぜひ手にとってみては?

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