1. 競合から逃げていたら、イノベーションは起こらない。『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』

競合から逃げていたら、イノベーションは起こらない。『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』

出典:picjumbo.com
 企業がビジネスを展開する市場を選ぶ際のポイントは、競合の少ない「ブルー・オーシャン」を探すこと。これは市場選びの基本理論としてこれまで扱われてきましたが、時にはライバル企業に囲まれた、通称 「レッド・オーシャン」で勝負していかなければならないこともあります。

 そしてこのレッド・オーシャンから抜け出すには、新しい価値を生み出す 企業のイノベーションが必要不可欠。今回は 『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』という本から、競合に立ち向かうための企業戦略の秘訣を、少し覗いてみましょう。

”取り替える”だけでもイノベーションに

 もともとイノベーションの考え方の基本は、「ゼロから新しい価値を生む」ことではなく 、既存のものを組み替えて、新たな枠組みを作り出すこと。この新たな枠組みの構築に向け著者は、イノベーションの前には、 既存の製品・サービスを様々な要素に分解しておくことが必要だと説いています。

 そして、製品・サービスを「部材」まで分解したのであれば、 一部を新たな部材に取り換えただけでも、画期的なイノベーションになり得るそう。ある分野では競争力を発揮できない平凡なものでも、他分野に移ることで新境地を開拓できる可能性が見えてきます。この ”取り替え”を用いたイノベーションの好例として、著者は次のようなものを挙げています。

 最近の面白い例としては、群馬県前橋市にある「相模屋食料」の「ザクとうふ」が挙げられます。
『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツのザクの頭部を豆腐で作ったものですが、これは樹脂を豆腐に置き換えたものと言えます。豆腐は液体の豆乳ににがりを入れて固形化するものですが、これは溶けた樹脂を熱成形する工程とほぼ同じです。「ガンプラ」を樹脂ではなく、豆腐(豆乳)で作ったものがザクとうふということです。

出典: 高橋 正明 (2014) 『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』

時には”足し引き”も必要

 「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉があるように、 製品に求める機能・スペックは、多ければ多い程よいというものではないようです。 消費者にとって、過剰な機能やスペックは煩雑に成りかねません。オーバースペックの製品やサービスは消費者の選択肢から外されてしまう可能性が高いのだとか。飽和・過剰の時代には、イノベーションの「引き算」も価値になり得るのです。このイノベーションの 「足し引き」を上手く活用しているのが、 喫茶店やレストラン等の「禁煙化」

禁煙を足し、喫煙を引くことで、客層と店のカラーが大きく変わります。20世紀には禁煙化した喫茶店が客離れのために閉店に追い込まれることもありましたが、喫煙率が低下した近年では、少数の喫煙者のために多数の非喫煙者を失うことのデメリットに気付いた店や企業が増えています。一般論ですが、非喫煙者は喫煙者に比べて所得水準が高いため、客単価の上昇が見込めることも利点です。

出典: 高橋 正明 (2014) 『レッド・オーシャンで儲ける7つの法則』

 このように、その商品やサービスにはどの機能が必要で、どれが不必要なのかを消費者目線で見極めることが、イノベーションの成功には求められます。 顧客にとっての価値が何なのかを考えれば、「足し引き」の線引きも明確になることでしょう。



 市場選びでは、ブルー・オーシャンで事業展開することが良しとされていますが、市場も変化し続ける現代では、今いる市場がいつまでも安泰、と言う保証はありません。しかし、競合が多いからといって勝負をすぐに諦めるようでは、企業経営は務まらないでしょう。いくら競合に囲まれても、イノベーションを成功させることはできます。大事なのは戦略次第、ということですね。


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