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時間がかかることはデメリットばかりじゃない!仕事を覚えるまでの時間と知識の関係性

Rio

2014/10/07(最終更新日:2014/10/07)


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 何かを覚えるのに、早く覚えられる人ほど仕事が出来るイメージがありますよね。皆さんの中にも他の人と比べて”自分は物事を理解するのにどうしてこんなに時間がかかるんだろう...”と自己嫌悪に陥っている方もいるのではないでしょうか?

 でも、時間がかかる事は決してデメリットばかりではないようです。カリフォルニア大学の認知科学者、ロバート・ビョーク氏によれば、「学習が困難だと感じた時、より知識が身に付く」という研究結果を発表しています。

リンカーン元米大統領も理解の速度に苦しんでいた?!

 リンカーン元米大統領と言えば”世界で最も偉大な大統領”の1人として挙げられるほど偉大な大統領として有名です。しかし、リンカーン氏の従兄弟によれば、リンカーン氏の子供時代は一見ボーッとしていて、決して賢い子供ではなく、苦労して前に進む子供だったようです。

 リンカーン元米大統領が残した言葉にこんな言葉があります。

もし、木を切り倒すのに
8時間与えられたなら、

私は6時間を
斧を研ぐのに費やすだろう。

出典: エイブラハム・リンカーンの名言 | 地球の名言
 これは仕事をする際、使える時間の大半を道具を磨く、つまり 準備をすることに時間をかけた方が良いということを言っています。リンカーン元大統領自身も自分について、「私が分かったのは、自分が時間をかけて学び、時間をかけて忘れる人間だという事だ。私の心は鋼のようで、何かを刻むのには大変骨が折れるが、一度刻まれたものは消えることはない。」と語っています。

 リンカーン元大統領は、一見自分の欠点とも思える性質を前向きに捉え、自分自身のモチベーションを上手にコントロール出来ていたからこそ、偉大な成功を収められたと言えるでしょう。

”辛い経験をした方が鮮明に記憶に残る”という脳の仕組み

 辛い思いや苦労した経験ほど、時間が経っても忘れずに鮮明に覚えている気がしませんか?この感覚、どうやら気のせいではないようです。

 記憶には短期記憶と長期記憶の2つがあります。短期記憶はすぐに忘れてしまう一時的な記憶、長期記憶はずっと覚えている記憶のことです。長期記憶には2つ方法があり、1つ目は”回数を繰り返すこと”、そしてもう1つが”強い感情”です。脳が感情的に物事を分類することで、自分にとって痛みとなるものや快楽となるものを無意識に記憶しているという訳です。

 同じことを理解するにも人によって理解の速度は異なります。すんなり理解出来る人よりも理解に苦しんでいる人の方が、強い苦しみを感じているため記憶に残りやすいのです。そう考えると、苦労して覚えた人の方が後々まで忘れにくい、というのは理にかなっていると言えますね。

理解の速度に関わらず”反復”することが大切

 いくら理解に時間がかかる人ほど忘れにくいとは言え、真剣に取り組んでいなければ意味がありません。仕事を理解しようという気持ちがあるからこそ、理解出来ないことに苦しみ、どうしたら理解できるだろうかと考えるのです。何も考えず業務に取り組んでいても、時間だけがかかってしまう上になかなか覚える事は出来ません。

 また、どんな人にも共通して言えるのは” 反復しなくては忘れる”という事です。ドイツの心理学者、エビングハウスの”忘却曲線”という理論をご存知でしょうか?この理論は、「 人間はたった1日で学習したことの7割を忘れる」というものです。この忘却を記憶に変えるためには、理解の速度に関わらず、”反復する”しかないのです。理解しようという強い気持ちを持つこと、理解した後も復習を怠らないこと。この2つを続けることが長い目で見れば、記憶を強くすることが出来るという訳ですね。


 理解に時間がかかることはあまり良いイメージを持たれませんが、実際にはデメリットばかりではありません。理解しようと一生懸命取り組んだ気持ちは、時間がかかってもきちんと報われます。今、理解に時間がかかってしまうことに悩んでいる方も、前向きな気持ちで業務に取り組めたら、もっと仕事を楽しむことが出来るのではないでしょうか?

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