1. 企業の一員ではなく個人として働く―クラウドワークス吉田浩一郎×田原総一朗が語る「今」の仕事

企業の一員ではなく個人として働く―クラウドワークス吉田浩一郎×田原総一朗が語る「今」の仕事

 10月2日、「日本で起業という生き方をメジャーに」というコンセプトで六本木にて開催された「STARTUP PRESS 2nd」。数々の著名人の本音を引き出してきたジャーナリストの田原総一朗さんが、10人の起業家たちと語りつくしました。

 イベント開始の挨拶で田原さんは、「大企業で働くのはもう古い。現在、ベンチャー起業家は1000人も2000人もいる。今夜はその中でも選りすぐりの10人と話をします。こうした人たちがたくさんいる現代は、とても面白い」とスタートアップ経営者との会話に強い期待を示しました。

 まずは、クラウドワークス代表の吉田浩一郎さんとのトークセッション。一言で言えば、クラウドワークスはネットを通して仕事の受発注ができるクラウドソーシングサービスの一つ。会社に勤めなくても個人で手軽に仕事が受注できるため、新しい働き方の選択肢を生み出しました。最近では大手企業や行政もクライアントとして利用しており、注目度は高まる一方です。クラウドソーシングをあまり知らない田原さんに、吉田さんがこれからの働き方を説明する形でセッションが始まりました。

スピーカー

吉田浩一郎 株式会社クラウドワークス 代表取締役兼CEO
田原総一朗 ジャーナリスト

これからは1人で20社と契約する時代

 最初に田原さんが注目したのは、今までの仕事との違い。

田原「要するにネットでの派遣事業みたいなものだと思うけど、今までの派遣とどこが違うの?」

吉田「契約できる会社の数が違います。クラウドワークスなら、1人で10社とも20社とも契約できるんですね。1社2万円で契約しても、10社と仕事をすれば20万円稼げる。これなら1社との契約が終わっても他からお金が入るため、安定して稼げます」とネットならではのメリットを挙げます。

 これには田原さんも「なるほど、新しいな」と納得。会社員と違って複数の会社と関わるので、仮に会社が倒産してしまってもリスクは大きくありません。また、常時すべての会社と関わるわけでもないので体調が悪いときや旅行に行きたい時でも、誰にも迷惑をかけないんですね。

「企業の一員」ではなく「あなた」として仕事ができる

田原「それで、結局クラウドワークスはいくら稼いでいるの?」

吉田「だいたい月間数億円前半のお仕事がサイト上にマッチングしていますね」
 
 と回答。クラウドワークスのビジネスモデルは、クライアントとワーカーの間で契約が成立して初めて手数料をもらうというもの。そのため、サービス開始当初は自分たちでクライアントを探していたそうです。

「現在社員数は28人しかおらず、営業・サポートは人員は10人ほど。それでサイト上にいる40000社を対応しています」と吉田さんは話します。田原さんは「それだけでどうやって仕事ができるの!?」と驚きを隠せない様子。インターネットのパワーに衝撃を受けていました。

 吉田さんはクラウドワークスでの仕事の特徴として、個人として仕事ができることを強調。大企業を退職後、地元に帰ってクラウドワークスを始めた人の中には、クライアントが自分のことを「大企業の一員」としてではなく、一個人として仕事を任せてくれることに感動した方もいるそうです。ネットで顔が見えないことも多いのに、かえって自分が相手の力になっているという実感を持てるんですね。

 ここでなんと、会場にクラウドワークスの案件第1号のクライアントを発見。彼はフジテレビの社員で、ゲーム関連のクリエイティブ制作を依頼したそうです。感想を聞いてみると、「仕事の出来には大満足でした。ただ、当時は吉田さんと直接顔を合わせて仕事をしただけなので、まさかクラウドワークスがこれだけ話題のサービスになるなんて想像もしていませんでした」と話していました。
 続いて吉田さんがクラウドワークスを通じて世の中にどのような影響を与えたいかを説明。吉田さんは、これからの個人に仕事と教育、社会保障の3つが必要だと考えています。これら3つをサポートできるようにするのが、クラウドワークスの今後の展望のようです。

 仕事のサポートは既に行っていますが、他の2つは一体どのようなものなのでしょうか?教育と社会保障についての、今後の施策についても語ってくれました。

 クラウドワークスが行う教育とは、仕事をしたくてもスキルの保証がない個人ための講座のこと。例えばサンケイリビング社と提携してライター講座などを開講して、卒業者はクラウドワークス上で卒業証明のマークが表示され、専門の仕事が貰いやすくなる仕組みを提供しています。

 社会保障については、今後クラウドワークスのワーカーのための共済のようなものを創ることで、個人がお金を出し合い、サービスをみんなで共有する仕組みを計画中のようです。フリーランスで働く人が心配なのは社会保障。クラウドワークスが作る共済は、彼らの労働への不安をゼロにしようとしているんですね。

 これを聞いて田原さんは、「これで何も持っていない人を働けるようにするんだね。でも本当は、何も持っていない人っていないんだよね。でも、教育を受けて能力が付けばそれが活かせることもある」と、これらの施策の展望を高く評価していました。

 最後に、田原さんが「今度はぜひ『朝まで生テレビ』にいらしてください」と吉田さんとの再会を約束してセッションは終了。田原さんも会場の多くの観覧者も、これからの働き方をリアルにイメージできるようになったのではないでしょうか。

後編はこちら

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