1. 全ての起業家に贈る。ピーター・ティールの“ゼロ”から価値を生み出す 『ゼロ・トゥ・ワン』の考え方

全ての起業家に贈る。ピーター・ティールの“ゼロ”から価値を生み出す 『ゼロ・トゥ・ワン』の考え方

新しい何かを作るより、在るものををコピーする方が簡単だ。おなじみのやり方を繰り返せば、見慣れたものが増える、つまり1がnになる。だけど、僕たちが新しい何かを生み出すたびに、ゼロは1になる。

出典:ピーター・ティール/ブレイク・マスターズ (2014) 『ゼロ・トゥ・ワン』

 これは、世界最大のオンライン決済システム「ペイパル」を創業し、後に世界的に有名な投資家の1人となったピーター・ティール氏の言葉です。今や日本を含めた全世界において企業の乱立が進んでいますが、競争の激しいビジネス社会で生き残れるのはほんの一握り。このサバイバルレースを勝ち進むためには、今までにない新しい価値を創出できるか、に懸かっています。今回は新たな価値を生み出すための『ゼロ・トゥ・ワン』の考え方を、著者であるピーター氏に教えてもらいましょう。

ゼロから価値を生み出す「垂直的進歩」を

 これからの企業の働きによって、私たちの生きる未来は大きく変わります。著者によれば、その企業による未来の進歩には、2つのパターンが存在するそう。

ひとつは水平的進歩、または拡張的進歩と言ってもいい。それは、成功例をコピーすること、つまり1からnへと向かうことだ。水平的進歩は想像しやすい。すでに前例を見ているからだ。もうひとつの垂直的進歩、または集中的進歩とは、新しい何かを行なうこと、つまリゼロから1を生み出すことだ。それまで誰もやったことのない何かが求められる垂直的進歩は、想像するのが難しい。1台のタイプライターから同じものを100台作るのが水平的進歩だ。タイプライターからワープロを創れば、それは垂直的進歩になる。

出典:ブレイク・マスターズ/ピーター・ティール (2014) 『ゼロ・トゥ・ワン』

 2つのパターンの内、新たな価値を生み出していく企業に求められているのは「垂直的進歩」でしょう。そしてこのような進歩をしていかなければ先はない、とされているのがスタートアップ企業。著者はスタートアップが持つ強みとして、「新しい考え方を持っている」「少人数で機敏にアクションを起こせる」「考えるスペースが与えられている」を挙げています。従来のビジネス思考を取り払い、ビジネスをゼロから考え直すことが、垂直的進歩を可能とするのです。

起業家なら市場の独占を目指せ

 では、誰も築いていない新たな価値を創造できる企業となるためには、どうすればいいのでしょう?著者が言うには、企業間の競争は極力避けろ、とのこと。

 スタートアップがターゲットとすべき市場の理想は、「少数の特定ユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいはまったくいない市場」です。実際には、大きな市場は参入余地がないか、誰にでも参入できるため目標のシェアに達することがほとんど不可能かのどちらか。壮絶な競争から利益が出ることはない、ということを覚えておきましょう。

 この独占企業が成功する特徴の1つとして、著者は「規模の経済」をポイントとしています。独占企業は、市場の規模が拡大すればプロダクト開発における固定費が分散される、という効果が生まれ企業全体がパワーアップ。この規模拡大の可能性を、最初のデザインとして組み込むのが優良なスタートアップです。例えばTwitterのユーザー数は現時点で2億5千万を超えていますが、さらなるユーザー獲得に向けたカスタム機能を追加する必要はなく、成長をストップさせる要因もありません。このように、市場規模の拡大を予め予測することが、独占企業が成功する秘訣です。



 既存のものをコピーして価値を生み出すよりも、ゼロから新たな価値を創出する方がエネルギーが必要です。乱立する企業の中で生き残るために、この『ゼロ・トゥ・ワン』の考え方が活きてくるでしょう。新たな価値を市場に持ち込み、独占するためのノウハウが、この本には詰まっています!

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