1. 『MEDIA MAKERS』誰もが情報発信できる今、読み手の心を動かすメディアとは?

『MEDIA MAKERS』誰もが情報発信できる今、読み手の心を動かすメディアとは?

by Jason A. Howie
 ネット技術やSNSの発展により、私たちはあらゆるメディアから情報を簡単に得ることができるばかりか、個人がメディアとなり情報を発信することもできます。「情報爆発社会」とも呼ばれる現代ですが、その中でも本当に読み手の心を掴むことができているメディアはほんの一握り。そんな人の心を動かすメディアコンテンツとは、一体どんなものなのでしょうか? 『MEDIA MAKERS』という本が、その答えを示してくれます。

 読み手の心を動かすメディアとなるためには、現在のメディア潮流がどのように変化しているのかを、メディアとしての自身の立ち位置と共に正しく把握することが必要です。ここで著者が挙げるのが、メディアコンテンツにおける 3つの対比軸
 
 1つ目は、 「ストック性」「フロー性」。例えばウィキペディアのようにストック性の高いコンテンツは、時代を超えて「読むべき」とされているもの。しかし「いつ読んでもいい」というのは「今すぐ読む必要もない」ということになりがちです。ニュース記事のように、”今読むことに意味がある”と読み手に思わせるフロー性を持つことも重要です。

 2つ目の対比軸は 「権威性」「参加性」です。メディアにとって、読み手が信頼に値する権威性を持つことは非常に重要。ミシュランが良い例でしょう。ガイドに掲載されているだけで、読み手は「ミシュランに載っているんだから」と信頼してしまいます。この対極にあるのが「食べログ」にはじまる参加性メディア。全体としての「意思」や「責任」についてはグレーゾーンのままですが、多くのユーザーの評価がベースとなっている集合知的な部分に大きな可能性が存在しています。

 対比軸の3つ目は 「リニア化」「ノンリニア化」です。リニアなコンテンツとは映画のように初めから終わりまで、一直線に連続した形で見てもらえることを想定したコンテンツのこと。一方、元々の雑誌レイアウトにおいて持っていた台割によるストーリー性や文脈といったものをそぎ落とし、ソーシャルメディアや検索エンジンから記事へ直接流入させていることをここではノンリニア化と言っています。著者はこの対比軸について次のように言っています。

デジタルメディア上では、ほとんどのコンテンツがノンリニア志向になっていく

出典: 田端 信太郎(2012) 『MEDIA MAKERS』
 
 デジタル化やスマートフォン化、ソーシャル化の進展に伴い、今日のメディアコンテンツのトレンドには変化が見られます。「フロー性」と「ストック性」の軸においては、引っ張り合う力が拮抗して 中立の状態ですが、「参加性」と「権威性」の軸では 「参加性」へ、「リニア」と「ノンリニア」の軸では 「ノンリニア」の方へと傾いているようです。

 この本では「NEVERまとめ」や「BLOGOS」など、数々の有名メディアを立ち上げた著者から、読み手の心を動かすメディアの本質について学ぶことができます。まずは今の時代、どのようなメディアコンテンツが求められているのかを把握する必要がありそうですね。多くの人に必要とされるメディアとなるためには、メディア潮流を見誤ってはいけませんよ!

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