1. 『年収は「住むところ」で決まる』イノベーションから考える、地域間格差の話

『年収は「住むところ」で決まる』イノベーションから考える、地域間格差の話

by june29
 近年では産業の技術革新に伴い、企業でも高い技能を持った人材を集めるようになりました。しかしこの影響からか、日本も含めた世界では地域格差が生まれていることをご存知でしたか? 『年収は「住むところ」で決まる』という衝撃的なタイトルの本が、産業イノベーションに伴う地域格差の問題について教えてくれます。

 今、アメリカの社会は急速に分断されつつあるそうです。成長している産業が集中する一握りの都市で良質の雇用が生まれ、人々が高い給料を手にする一方で、それ以外の大都市の都市はますます取り残され、置いてけぼりの状態に。高い能力を持った個人が経済的に低迷している都市を抜け出し、発展し続けている都市に移り住むことは可能ですが、すべての人が移住できる訳ではありません。そのため、雇用に成功している地域と、クリエイティブな人材を集められない地域の間には 格差が生まれてしまっているのです。

 これは日本においても同様です。「ものづくり」の技術では世界の評価も高い日本ですが、誰でもつくれるような製品を生産しても大きな価値を生み出せないのが今日の社会。求められるのは 新しいアイデア新しい知識新しいテクノロジーを創造できる企業・人材です。イノベーション能力に富んだ人的資本と企業を引きつけようとする国際競争は今後も激化することでしょう。イノベーション人材の獲得に躍起になる企業が増え続けることで、著者は次のような現象が多く生まれると言っています。

上位都市の高卒者は下位都市の大卒者よりも年収が高い

出典: エンリコ・モレッティ(2014)『年収は「住むところ」で決まる』

 そして人的資本がどこに集まるかは、地理と集積効果の影響を一層強く受けるようになります。その結果、国が繁栄するか衰退するかは、その国の頭脳集積地の数と実力にますます大きく左右されはじめるでしょう。工場の規模・数に対する重要性は低下し続け、その代わりに、互いにつながり合った 高学歴層が大勢いる都市が、アイデアと知識を生む「工場」として台頭するようになると、著者は予想しています。

 この本では「都市経済学」に基づいた、イノベーション産業の発展による地域格差の危険性について学ぶことができます。これからはより一層、モノではなく人に評価が集まる時代。知識やアイデアを磨き、あなた自身で「住むところ」を決めることができるようなビジネスパーソンを目指していきましょう!

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する