1. 「理想はどストレートな恋愛」採用後のミスマッチを防ぐために人事が大切にしていること

「理想はどストレートな恋愛」採用後のミスマッチを防ぐために人事が大切にしていること

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 いま、多くの新卒採用担当者は積極的な採用活動を行なう一方で、ある悩みを抱えながら仕事をしている。それは、採用活動において
ミスマッチが少なからず生じている
ということだ。苦労して獲得した新入社員の約1/3が3年以内に会社を辞めているというデータが示すように、入社間もなくして会社を辞めてしまう人が後を絶たない。

 今回は、人材教育コンサルティング事業を行なうアチーブメント株式会社で人事部マネージャーを務める高橋優也氏に、アチーブメントではどのようにしてミスマッチが生じない採用活動を展開しているのか、話を伺った。

理念共感型・全社採用スタイル

―御社では、新入社員とのマッチングの質がとても高いと伺っています。具体的に、どのようにして今のスタイルを確立していったのでしょうか。

弊社で、新卒採用を始めたのは2005年からです。2005年から2006年にかけて合計32名を採用したのですが、その時期に採用した人材は独立したり、転職していった社員も多くいます。企業規模も小さく認知度が低い中で、採用担当者の能力で引っ張り、開拓者精神を打ち出していった結果、いわゆるベンチャーマインドを持った人達が多く入ってきたんです。アチーブメントは、「社員と会社が一緒に成長していこう」というスタンスの会社なので、道半ばで辞めていくのは求めている状態ではないと課題に感じていました。「事業・理念に対する共感」を重要視した採用活動を展開したのは、そういった背景からで、その結果、高いマッチングを実現できるようになりました。


―理念共感をつくるために、採用活動はどのようなコンセプトで行なっているのですか?

採用コンセプトがどこから出てくるかということは、とても大事だと思っています。マーケティングの発想だと、ターゲットから逆算して「これがいま流行ってるから学生にはこうすれば響くんじゃないか」という考えになると思います。しかし、僕らは「理念共感型採用」なので、採用活動のコンセプトはターゲットから逆算したメッセージであると同時に、事業内容などが元になった「社内の共感から作られたコンセプト」でもあるのです。そういった、両面のアプローチからコンセプトを作っていくことをすごく意識して採用活動をしています。また、弊社では「全社採用」という、より現場に則した採用を意識しています。全ての選考に現場の社員が関わっていますし、全ての選考プロセスに事業コンセプトから一貫した採用コンセプトが注入されているんです。だから新卒採用は、人事だけではなく全社をあげたプロジェクトなんです。

育成型採用でどストレートな恋愛を

―理念共感型ということは、もしすごく優秀でアチーブメントにどうしても入りたいっていう学生がいたとしても、そこに事業に対する共感が生まれなければダメということですよね。

もちろんです。しかし、我々は人材教育コンサルタント。「人や組織の成長を作り出すこと」を事業の軸としています。我々は事業コンセプトから一貫した採用活動をモットーにしているので、単純に学生に不合格を言い渡すということはしません。採用活動では学生の成長に全力でコミットします。現在は倫理憲章で本格的な採用活動が遅れてきている一方、インターンシップなどでの学生との接点はますます早期化しています。そうすると、学生と採用する企業の関係性はより長期にわたっている場合も多く見受けられます。僕らの場合は、就職活動の早期から出会った学生に対して「成長する場」を提供するというスタンスで活動しているので、そういった時代環境に対応しやすいという側面もあると思います。私たちの採用活動を一言で言うと、「どストレートな恋愛」ですね。口説き落とすというものではないです。自分たちが本当に共感している会社の魅力を伝え、相手がそれを魅力的に感じてくれるのであれば、それは素晴らしいことだよね、という。まさに結婚ですね。



 アチーブメントでは、理念共有型の採用方式でミスマッチを防止する新卒採用が実践されている。実際に、入社してからネガティブな理由で辞める社員が他社と比べて少ないというのも、一貫したコンセプトの採用活動が徹底されているからだろう。

 企業と学生のマッチングの質をより高めるためには、会社の事業と採用とを分離して考えてはいけない。新卒採用担当は、企業理念や事業コンセプトから一貫した採用コンセプトをつくり、学生に伝えていく必要があるのかもしれない。

高橋 優也|YUYA TAKAHASHI

 1983年神奈川県生まれ。 早稲田大学卒業後、2007年にアチーブメント入社。人事担当として内定者即戦力化プロジェクトを確立し、2009年からは新卒採用責任者に。現在はアチーブメントの人事マネジャーとして、採用・内定者育成・社内教育制度・人事制度など社内のあらゆる人事改革を手がけながら、若年層キャリア支援事業部マネジャーを務める。また、企業の組織活性のための人事コンサルティングも多数実施している。

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