1. 日本人って本当に働きすぎなの? 海外の働き方まとめ

日本人って本当に働きすぎなの? 海外の働き方まとめ

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 「日本人は働きすぎだ」——メディアを通して耳にする海外からの声。諸外国のイメージ通り、日本人は本当に働きすぎなのだろうか?

 日本企業で働き、日本人の同僚と1日を過ごすと「働きすぎかどうか」を客観的に知ることができないものだ。

 そこで今回は、本当に日本人が働きすぎなのか考えるべく、海外の働き方をまとめていきたい。

日本人は本当に働きすぎ?データから見る日本人の働き方

 海外の働き方と日本の働き方を比較して、日本人が働きすぎかどうかを考えるためにも、まずは日本人の働き方について見ていきたい。

 日本人は働きすぎなのか?という疑問を解決するにあたって、重要な指標となるのが「有給消化率」と「年間の平均労働時間のデータ」だ。

【日本人の働き方データ①】2017年、日本人の有休取得率は「50%」

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 2017年に行われたエクスペディアの調査によると、日本人の有給取得率は50%。

 有給の支給日数が「20日」と、アメリカやメキシコ、近隣国である韓国、香港、シンガポールなどよりも恵まれているにも関わらず、休みを十分に取得できていないのだ。

 消化率も2年連続最下位と、不名誉な結果に終わっている。

【日本人の働き方データ②】有給消化率は50%前後を推移

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 有給消化率については2009年から50%前後を行ったり来たりするばかり。

 「働き方改革」が打ち出されていても、しっかり有給を取得できる人は少ないようだ。

日本人の年間労働時間は1,739時間。

日本人の年間労働時間は 1,733 時間で、OECD 平均の 1,749 時間より少なくなっています。

出典:日本 日本は幸福度を測るいくつかの指標で良好な実績を ... - OECD.org

 意外なことに、2016年の調査では、日本人の年間労働時間はOECD諸国と比べて平均よりも少ないという結果が出ている。

 しかし、この時間数はサービス残業といった公にできない数値は含まれていない可能性を考え、参考程度にしておきたい。

 全体では、上記の結果だったが、読者は自分の年間労働時間は何時間なのか、大まかでいいので数えてみてほしい。

 もし、自分の年間労働時間が1,733時間を大きく超えるようであったら、「働きすぎ」には要注意だ。

 ここまで、日本の現状を示したが、以下からは海外の働き方をみていこう。

日本人は働きすぎ?「ドイツ」の場合

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 自動車・鉄鋼・化学・機械などの産業が有名で、EU最大の経済大国であるドイツ。

 勤勉に働いているイメージがあるが、実際は働きすぎてはいないのだろうか。

働きすぎな日本人とは異なる?ドイツの年間労働時間

 ドイツの年間労働時間は、OECD諸国でもかなり少ない。

 日本の年間労働時間は平均1,733時間だったが、なんとドイツの年間労働時間は1,363時間という結果だ。

 日本とドイツでは、年間で約370時間もの差がついている計算になる。

 なぜ、このような差がでるのか、ドイツの働き方を探っていこう。

働きすぎな日本人とは異なる?ドイツの休暇事情

ドイツでは、4週間続けてバカンスを取るのは珍しくない。

断っておくが、病欠は有給休暇とは別の休暇である。病気のときは、病欠を取ればよい。医師の診断書があれば、最長6週間までは病欠でき、その間は給料も支払われる。有給休暇は、あくまでも楽しみ・休養のために使うものなのだ。

出典:「仕事が残ってても休みます」経済大国ドイツの人の働きかた

 ドイツでは病欠と有休をそれぞれ取得でき、労働者の私生活の時間を大切にする制度がある。

 日本では病欠を有休カウントすることが多いが、ドイツでは病欠と有休をしっかり区分けしているのだ。

働きすぎな日本人とは異なる?ドイツの働き方

自分の仕事も明示されているため、ドイツ人は自分の担当以外の仕事は、やらない。ドイツに来て「それは私の仕事ではない」という一言を幾度か聞き、突き放された気持ちになることがあった。日本人の私には冷たく感じられたが、ドイツの合理的な働き方を考えれば、そういう対応になるかもしれない。目的を遂行するために、無駄なことはしない。そう、ドイツ人は合理的なのだ。

出典:「仕事が残ってても休みます」経済大国ドイツの人の働きかた

 現代社会の日本人には難しいかもしれないが、自分以外の仕事を断るドイツ人の働き方は生産性を高める上で参考にする価値はある。

 人に頼まれた仕事を断れずに仕事が積み重なっていき、残業時間が増してしまう……ということもドイツではあり得ないのだろう。

日本人は働きすぎ?スウェーデンの場合

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 ノーベル賞やIKEAなどのインテリア・雑貨、H&Mなどで有名なスウェーデン。

 高い税率による手厚い社会保証、女性の社会進出などで有名なスウェーデンの働き方を見てみよう。 

働きすぎな日本人とは異なる?スウェーデンの休暇事情

スウェーデンでは,1974年に「親休暇法」が定められた。休暇日数は1974年に180日であったが,その後改正を重ねて長期化していった。現在は,子が8歳になるか基礎学校の第1学年を終了するまでに,合計480日間を取得できることになっている。

出典:第3節 労働分野における女性の参画 | 内閣府男女共同参画局

 育児休暇の話になるが、スウェーデンでは480日間という長い日数の休暇を取得できる。

 女性の社会進出が進んでいる理由も、国が定めた労働の法律が背景にあるのだろう。

スウェーデンでは,育児休業取得者の約36%が男性であり,男性の割合が高く,男性も育児に参加する者が多い状況にある

出典:第3節 労働分野における女性の参画 | 内閣府男女共同参画局

 また、スウェーデンの育児休暇取得者の約36%が男性であることから、男性も育児休暇をしっかり取得できる土壌があることがうかがえる。

働きすぎな日本人とは異なる?スウェーデンの働き方

 OECDの調査から、スウェーデンでは残業をする人の割合はわずか「1%」しかおらず、OECD加盟国の中でも最低値だという。

 ワークライフバランスを大切にするスウェーデンらしさが現れている。


日本人は働きすぎ?アメリカの場合

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 ビジネス面でも、日本に大きな影響を与えているアメリカ。

 経済における世界の中心といっても過言ではないアメリカの働き方はどうなのだろうか? 

働きすぎな日本人とは異なる?アメリカの休暇事情

年次有給休暇制度における継続勤務要件:法令上の規定なし
年次有給休暇の付与日数:連邦法上の規定なし
年次有給休暇の連続付与:法令上の規定なし
年次有給休暇の付与方法:法令上の規定なし

出典:基礎情報:アメリカ(2013年) 4. 賃金・労働時間・解雇法制|労働政策 ...

 実は、アメリカは年次有給休暇の取得について法令では各企業へ義務づけていない。

アメリカ人の多くが有給休暇の権利を持っていないだけではない。たとえ付与されていても、消化できずにいるケースも多い。不況のあおりを受け、労働者が職場での賛同を得られなかったり、職を失うのではないかと不安を抱いたりしているのも一因だろう。

出典:「有給休暇」日本よりアメリカのほうが悲惨? - ハフィントンポスト

 日本でも有給休暇は取りづらい状況だが、アメリカでも多くの労働者は有給休暇を取得しづらいようだ。

 法律などで一定の規定を設けない限りは、有休を取得しづらい環境になってしまうのかもしれない。

働きすぎな日本人とは異なる?アメリカの働き方

 2015年の調査では、世界5位の労働生産性を保つアメリカ。

 この生産性の高さは、ジョブ・ディスクリプション制により、各人の職務内容が決められていることからだと推測できる。

 ジョブ・ディスクリプションとは、企業が通常業務において職務の目的や内容を詳細に記載する書類のこと。

 採用の際にジョブ・ディスクリプション制を利用する場合には、欲しい人材の条件が明確になることで生産性の向上を図る狙いがある。

 幅広く業務をこなすことが多い日本と異なり、明確に仕事内容が決められることで自分の仕事に集中できるのだろう。

 自分の仕事の範囲がはっきりしていることは、定時上がりのしやすさにもつながる。

 日本で残業が多く働きすぎる理由の一つとして「仕事の範囲が曖昧なことが原因」であるということが、アメリカの働き方から考察できるだろう。


 働き方に大きな特徴のある3カ国を例に、日本人は働きすぎなのか、検証を試みた。

 2つの国を見ただけだが、今回の結果からヨーロッパは国が率先して働きやすい環境を整えているように見受けられた。

 もちろん、現在の日本人の有給消化率の低さなど、労働時間の多さによる働きすぎは良いことではない。

 しかし、外国の働き方をそのまま日本に持ってきても破綻する可能性がある。

 各国の働き方を参考にしつつ、日本の風土と文化にあった働きやすい環境を自分たちや下の世代のためにも整えていきたい。

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