1. ベネッセは被害者?加害者?顧客情報流出事件の責任は誰がどうとるのか

ベネッセは被害者?加害者?顧客情報流出事件の責任は誰がどうとるのか

  • 3240views
  • 0fav

 ベネッセと聞いてあなたは何を思い浮かべますか?子供、教育、学び…等が挙がるでしょう。このように私たちの大切な存在に大きく関わる企業が今回のような情報流出を引き起こしたことが、かなりショッキングな出来事でした。

ベネッセの情報流出事件 進研ゼミで知られる通信教育大手「ベネッセコーポレーション」から、子どもと保護者の氏名、住所、生年月日、性別などの顧客情報が流出した。流出は最大で約2000万件を超える可能性がある。システムエンジニア(SE)の松崎正臣容疑者が売却目的で、ベネッセの営業秘密の顧客情報約1000万件を複製した容疑で、警視庁に不正競争防止法違反容疑で逮捕された。

出典: http://www.jiji.com/jc/zc?k=201407/2014071900191&g=soc
 少し良く分かりにくいな…と思うのは、容疑者の雇用形態などが特殊であり、さらに様々な要素が混ざり合っているからです。では一体どんな事件だったのでしょうか?

どんな事件?

 今回の事件は、外部のシステムエンジニアであった容疑者がベネッセコーポレーションから貸し出されたパソコンから顧客の個人情報をスマートフォンに移し、個人情報を買い取ってくれる業者に売り渡してしまったというものです。

 その個人情報は、1993年1月〜2013年12月生まれまでの子供や保護者の氏名・住所・電話番号・メールアドレスが中心です。さらに、出産を控える顧客の出産予定日やベネッセがイベント等で集めた契約をしていない人のデータが含まれていることが分かりました。

 現在では約2600万件もの個人情報が流出したと見られていて、転売業者からECC等の学習塾や予備校、成人式のための呉服店や化粧品業者に情報が転売され被害が拡大しています。

 では、なぜこの容疑者は個人情報を業者に売り渡したのでしょうか?それは、ズバリ金銭目的です。170万円もの借金を抱えており生活が厳しかったために上記のような事件を起こしたと供述しています。

ベネッセは被害者?加害者?

 今回の事件を起こしたのは、容疑であるエンジニアの容疑者です。しかし、責任をとるべきなのは容疑者だけではありません。

 実は、3つもの主体が責任をとる必要があるのです。それは、情報を持ち出し流出させた松崎容疑者本人・松崎容疑者から個人情報を買い取った業者・ベネッセコーポレーションの3者です。では、それぞれが一体どのような責任をとることになるのでしょうか?

松崎容疑者

 今回の事件で松崎容疑者が行なったことは、営業秘密侵害罪にあたり、不正競争防止法に違反している行為なのです。つまり、松崎容疑者は刑の執行によって責任をとることになるでしょう。具体的には、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金を科されます。この刑は私たちの身近なところで言うと、映画の盗撮によって科される刑と同じ重さと言えます。

名簿業者

 松崎容疑者から数十回に渡って個人情報を買い取っていた名簿業者。これは、犯罪になるのか否かということが大きな疑問ですね。ズバリ、今回の事件では犯罪にはならない可能性の方が高いです。

 個人情報保護法によってこの名簿業者は不正に情報を入手したとして、官庁がデータの削除を要求することができます。しかし、名簿業者は「不正なデータであるとは知らなかった」と言って過失を否定しています。そのため、今回のケースでは名簿業者に責任をとらせることは難しいことなのです。

ベネッセコーポレーション

 この事件は、外部のシステムエンジニアである容疑者が起こした事件であり、むしろベネッセ側は被害者なのでは?と思う人もいるかもしれませんね。しかし、ベネッセには大きな過失があります。

 ベネッセの過失は、管理・統制の甘さです。本来であれば、重要なデータが含まれている会社のパソコンにスマートフォンを接続する行為は禁止されなければいけません。コールセンター等でも、職場にスマートフォン等の私物を持ち込むことは禁止されています。そういった規制をしっかりと行なわなかったベネッセコーポレーションに大きな責任がある事は否定できませんね。

 ベネッセは上記の過失を紳士に受け止め、総額200億円の補償を行なうことを明らかにしました。具体的には、被害者へのお詫びの品を送ったり、受講費を減額する形をとると言われています。

 
 現在、この事件はさらなる拡大を見せています。様々な事柄が公になる一方で、この事件をさらに悪用する悪質な事件まで発生してきました。多くの情報が溢れる現代だからこそ、正確な情報管理、流出後の対策が必要ですね。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する