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【成功事例に共通する2つのポイント】ナレッジマネジメントを成功させる秘訣はどこにあるのか?

Shingo Hirono

2014/05/29(最終更新日:2014/05/29)


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by Grand Canyon NPS
 企業経営に導入される、マネジメントスタイルには色々なものがありますが、最近注目を集めているマネジメントスタイルが、ナレッジマネジメントです。

 ナレッジマネジメントとは、社員一人一人が持つ暗黙の知識を形式知として組織にフィードバックすることを重視したマネジメントスタイルです。今回はナレッジマネジメントにおける成功事例を紹介します。

1. ナレッジマネジメントによるノウハウの蓄積

 ナレッジマネジメントの目指すところは、社員一人一人が持っている暗黙知を形式知として共有化することにあります。ナレッジマネジメントが成功した場合、社員の経験や勘といった曖昧なスキルを明確な形で共有することが可能になり、業務効率を大きく改善することに成功するでしょう。

 ナレッジマネジメントを導入して大きな成功をおさめた事例として、発電所における運転保守ノウハウの蓄積事例があります。発電所を安全に運転させるためには日常的な保守業務が欠かせませんが、最初に作成されるマニュアルは現場の声を汲み上げたものではないため、効率や確実性の面で必ずしも最適なものではありませんでした。

 この発電所では、保守業務を担当する人員から聞き取り調査やミーティングを通じて自分独自の仕事上の知識や工夫等の暗黙知を吸い上げ、それを形式知としてノウハウを蓄積することに成功しました。この取り組みで重要なのは、もともとあるマニュアルが必ずしも最善の手段ではないという点にあります。

 仕事のことに一番詳しいのは、最初に仕事全体を計画した担当者ではなく、実際に現場で業務に従事している人間です。ナレッジマネジメントとは、業務に一番詳しい人間が持つ暗黙知を形式知に変換する作業であり、ベテランの技や経験を共有するための作業でもあります。

 マニュアルがあるからといって安心せず、常に現場とコミュニケーションを取り、不足している部分や改善すべき点をノウハウとして蓄積していけば、業務効率はより良い状態に改善されていくでしょう。

2. 大手衣料チェーンでのナレッジマネジメント

 ある大手衣料チェーンでは、従業員からの提案を積極的に採用することでナレッジマネジメントを実現しています。会社側は業務効率改善につながる暗黙知を吸い上げるために、従業員に改善提案を提示させ、採用された人には金一封を与えるのです。

 そのことにより従業員は、普段の仕事の中で自分が効率改善のためにしている取り組みや仕事のやり方を、改善提案として会社に提出します。その提案は多岐にわたり、効率の良い清掃の順番からハンガーに短時間で服をかける方法、見栄えの良いディスプレイのコツなど、従業員が普段の仕事の中で独自に編み出した仕事のノウハウを改善提案として会社に提出するようになったのです。

 会社は従業員の暗黙知を形式知として活用できるようになり、従業員には報酬や表象といった形で見返りがあるため、両社にとってメリットのある形でナレッジマネジメントがうまく機能した成功事例です。


 ナレッジマネジメントの成功事例に共通しているのは、現場の声をどのように吸収するのか、に最も力を入れている点にあります。ナレッジマネジメントを活用して、より良い企業運営を目指してください。

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