1. 「なるほど」と納得させるのが肝心!例題から見るフェルミ推定の問題の解き方メソッド

「なるほど」と納得させるのが肝心!例題から見るフェルミ推定の問題の解き方メソッド

by 三二四版畫工作房
 論理的思考力を高めるための方法として、「フェルミ推定」に注目が集まっています。ビジネスマンにとっては、実際の仕事に生かせる思考方法であり、キャリアアップへの道を開く鍵と言っていいかもしれません。ですので、今回はフェルミ推定の概略と、具体的な問題の解き方を見ていきましょう。

フェルミ推定とは

 フェルミ推定の「フェルミ」とは、アメリカ・シカゴ大学の物理学者の名前です。フェルミ博士は「答えのない問題、答えがわからない問題」を、最低限の知識と、論理的思考力のみで推論し、「仮の解」を導き出すことを得意としていました。それで「フェルミ推定」という名前がついたのです。

 博士が学生に出した問題は「シカゴには何人のピアノ調律師がいるか?」というもの。シカゴ大学の学生ですから、「シカゴの人口」は知っているでしょう。しかし、わかっている情報はそれだけ。そこから、どうやって「仮の解」を導くか。「シカゴの人口」を唯一の手がかりとして、「世帯数は?」「シカゴ市内の家庭のピアノの所有台数は?」「調律の頻度は?」「調律師1人は1日に何台のピアノを調律する?」「調律師は年に何日働く?」といった条件を自分で考えていきます。

 そうした条件について、1つ1つ演算し、数値を仮に置きます。そして最終的に仮の解を出すのです。大切なのは、「これこれこういう演算をすることによって、この解が導かれる」という、その筋道の論理性。現実に答えが正しいかどうかは問題でなく、その説明を聞いた人が誰でも「なるほど」と納得できる筋道立った「解き方」が、フェルミ推定の「肝」なのです。

例題「東京都にはピアノの調律師が何人いるか?」

 フェルミ博士は「シカゴのピアノ調律師」を問題に出しましたが、より身近に感じられるように「東京都にピアノの調律師は何人いるか?」という例題で、その解き方を説明しましょう。

 まず、東京都の人口をおよそ1300万人とします。まず、そのあたりだろうということは、日本人の多くが知りうるであろう情報でしょう。わかっている数字はつまり、この人口だけです。

 次にピアノを持っている世帯を割り出し、ピアノの台数を決める必要があります。東京は単独世帯が多いので、1世帯の平均人数を2人と仮定しますと、世帯数は650万ということになります。世帯のピアノ保有率を「1割」と考えると、東京都内には65万台のピアノが存在するということになるわけです。ピアノを持っている世帯が、1年に1回のペースで調律してもらうとして、東京都内で年に行われる調律は65万回ということになります。

 さて、今度は、調律師の仕事を考えます。1人の調律師が1日に調律するピアノを平均2台と仮定し、年間の労働日数を250日と仮定すると、1人の調律師が年間500台のピアノを調律することになります。ここまでくればおわかりでしょう。「年間行われるピアノの調律65万回÷1人の調律師が年間行う調律500台=1300人」、これがこのフェルミ推定の問題の「解」になるわけです。


 以上のようにフェルミ推定の問題では、推定される数値を算出していき、仮の解を導いていきます。ですが、あくまでも「誰もが納得する論理的解き方」が問われます。ですので、解を導く過程を大事に思考力を磨いていきましょう。

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