「副業したいけど、税金の計算とか手続きがよくわらかない」と思っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、副業や確定申告の定義や、副業にかかる税金の計算方法などについてご紹介します。
副業を始めたい人や確定申告の方法を知りたい人はぜひ参考にしてください。
- 確定申告の定義や確定申告の種類
- 副業にかかる税金の計算方法
- 「フリマアプリ」による所得に関する確定申告の知識
「副業」とは? 自分の副収入は確定申告すべきなの?
副業をしているビジネスパーソンの中には「そもそも副業って何?」「自分のしていることは副業ではないから、確定申告をする必要はないのでは?」「金額が少なかったら確定申告などは必要ないでしょ」と疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか。
副業と確定申告の説明をする前に、まずは「副業」の定義をはっきりしておきましょう。
そもそも「副業」とは?
一般的に、副業とは「本業とは異なる仕事を、本業と同時に掛け持ちしている形態」のことをいいます。
サラリーマンのように本業の給料以外に収入が発生するものは全て「副業」という扱いになります。
本業以外に勤めている会社があれば、その会社での業務は「副業」となりえますし、個人で受けている仕事も「副業」となりえます。
確定申告などに関わる「税法」において「副業」という所得区分はない
上記では、副業は「本業とは異なる仕事を、本業と同時に掛け持ちしている形態」のことであると、ご紹介しました。
しかし、法律の上では「副業」には明確な定義はありません。
つまり、租税の割当や取り立てに関する「税法」においては「副業」という所得区分はありません。つまり「お金を稼ぐ」という行為に副業も本業もないということです。
しかし「どのようにしてお金を稼いだのか」や得た収入の性質によって、所得区分(雑所得、不動産所得など)が異なります。
確定申告の際に記入したり、記入時に用いる税金の算式や税率も変わってきたりするため、自分の副業収入がどの区分にあたるのかをチェックしておきましょう。
【副業の種類別】4つの所得区分
- 給与所得:本業とは別に行っているアルバイトなど
- 譲渡所得・配当所得:株取引など
- 雑所得:執筆活動やモデル出演、FX取引、ネットでの副業など
- 不動産所得:大家としての家賃収入など
上記は全て「所得」となり、以下に述べる確定申告が必要な副業の所得金額に含まれます。
法律上の定義はなくても、副収入を得ているものがあれば「副業」として認識しておいて間違いはないでしょう。
そもそも「確定申告」とは?
「副業とは何か」を理解したら、次は「確定申告」についてご説明します。
確定申告をする意味や必要性を認識しておくことで、面倒な手続きの重要度がわかるのではないでしょうか。
確定申告とは「1年間の所得(儲け)」を申告書にまとめて税金を納める手続き
まずは、確定申告の意味についてご紹介します。
日本社会では、「年間の所得額(どれくらい儲けたか)」を税務署に報告する義務があります。
その義務は会社員だけではなく、「勤労の義務」「納税の義務」がある全国民に課せられるものです。
つまり、確定申告とは、国民の義務を果たすために税務署に「年間の所得」を報告する手続きということになります。
確定申告で税務署に提出する「所得」とは?
- 所得=年間の収入−(収入を得るために使った)経費
確定申告を怠ると「最大40%」の税金加算も
確定申告は、「国民の義務」を全うするためのものです。
うっかり確定申告するのを忘れていたり、意図的に申告しなかったりすると「無申告加算税」が課されてしまうため注意しましょう。無申告加算税では、本来納めるべき税額に加えて「最大20%」の税金が加算されてしまいます。
もしも「確定申告をしなかった理由が極めて悪質である」と税務署に判断された場合には「最大40%」加算されるケースもあるようです。
また、「期日を忘れていた」という場合でも、申告期限の翌日から延滞した日数に応じて「延滞税」が追加されてしまいます。
余分な税金を払うような事態を避けるためにも、確定申告を他人事だとは思わずに、自分の副業に確定申告をする必要があるのかを確認しておきましょう。
確定申告の種類
税法上「副業」という定義はありませんが、先ほども紹介したように、副業の種類や得た副収入の性質によって「○○所得」という所得区分が異なります。
所得区分の違いで税金の算式や税率も変わってきます。副業をしている人は自分の副業収入がどの区分に当たるのかを以下で紹介する副業の種類でチェックしておきましょう。
- 給与所得:本業とは別に行っているアルバイトなど
- 譲渡所得・配当所得:株取引など
- 雑所得:執筆活動やモデル出演、FX取引、ネットでの副業など
- 不動産所得:大家としての家賃収入など
サラリーマンも確定申告する必要がある?確定申告が必要な副業の所得金額
「今まで確定申告をしてこなかったけど大丈夫かな」と心配になっている人もいるのではないでしょうか。
株やビットコイン、アルバイトなどの副業もせず、本業以外での所得が一切ないサラリーマンは確定申告をする必要はありません。給与明細を見ればわかるように、会社から毎月給与が支払われるサラリーマンは、毎月の給料から税金が天引きされています。税金分として天引きされたお金は、会社が代わりに税務署に納めてくれているのです。
そのため、会社勤めをしており、その他からの収入がない場合は自分で確定申告をする必要はないので安心してくださいね。
しかし、副業のあるサラリーマンや個人事業主は代わりに税金を納めてくれる人がいないため、自分で納税を行う必要があります。それが「確定申告」です。
社会の性質上、「納税」「確定申告」といった意識が欠けがちなサラリーマンですが、副収入がある場合に納税をするのは「自分の義務」になることを忘れないでください。
確定申告が必要なサラリーマンとは?副業をしている人は「所得」に注意
実は、副業をしている全てのサラリーマンが確定申告をする必要があるわけではありません。
副業での所得が年間20万円を超えない場合は、確定申告をする必要がありません。
ここで注意したい点は、確定申告の対象は「収入」ではなく「所得」ということです。
先も述べたように、所得とは「収入から経費を引いた額」のことです。この所得額が「1年間に20万円以上となる場合」に確定申告が必要になります。
副業する人が確定申告時に必要な知識「収入・経費・所得」
- 収入:企業から支払われる給与のこと。副業の確定申告を考える場合は、1年間に本業以外で稼いだ金額
- 経費:副業を行う上で、必要な支出。クラウドソーシングで副業を行った場合は、副業に使用した電気代の一部やPC本体の購入費の一部を経費に計上できる
- 所得:「収入-経費」で計算した金額。本業がある人は、副業によるこの金額が年間で20万円を超えた場合に確定申告の対象となる
副業収入があっても確定申告が不要な場合もある
「副業をしているけれど、確定申告していないから脱税になるのかな!?」と心配になった人もいるでしょう。
副業している人が確定申告しないと「脱税」になるかといえば、そうではありません。
給与所得や退職所得を得ている人の場合、給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
また、給与所得や退職所得のない人が副業をしている場合、その年間の所得が38万円以下なら、確定申告を行う必要はありません。
- 【給与所得や退職所得を得ている人】給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下
- 【給与所得や退職所得がなくて副業収入がある人】年間の所得が38万円以下
「所得の区分をきっちり行い、算式に正しくあてはめて計算する」というのが、副業にかかる税金の基本です。
副業している人が確定申告で「所得額の計算」をする際に注意すべきこと
確定申告が必要になるのは、所得が年間20万円以上のときとご紹介しました。これはその年内に確定した副業の所得の総額を意味しています。
たとえ支払いが翌年でも、金額が確定している収入は年内に副業の所得として確定申告しなければならないことに注意してください。
副業で「給与所得」を得ているサラリーマンは確定申告が必須!
最も注意が必要な「必ず確定申告をしなければならない副業」についてご紹介します。
副業としてアルバイトや別会社での有給インターンを行っている場合、それらで得た所得の区分は「給与所得」となります。
給与所得の場合、たとえ年間20万円未満の所得であっても確定申告が必須となります。
本業とは別のところで給与所得のある人は、必ず確定申告を行うように注意しましょう。
副業にかかる税金の計算方法
確定申告の必要性についてご紹介してきました。確定申告でどれくらいの税金を支払わなければいけないのか気になる人もいるのではないでしょうか。
以下では、副業にかかる税金の計算方法についてご紹介します。
副業の税金高の計算式1.給与所得の計算方法
まずは、給与所得の税金高の計算方法をご紹介します。
給与所得は、「給与ー給与所得控除額」によって導かれます。
給与所得控除額給与所得控除額とは、個人の所得税額や住民税額を決める際、収入から一定額が差し引かれることを指します。
給与所得控除額は収入によって異なるため、以下を参考にしてみてください。
- 収入1,800,000円以下:収入金額×40%/650,000円に満たない場合には650,000円
- 収入1,800,000円超 3,600,000円以下:収入金額×30%+180,000円
- 収入3,600,000円超 6,600,000円以下:収入金額×20%+540,000円
- 収入6,600,000円超 10,000,000円以下:収入金額×10%+1,200,000円
- 収入10,000,000円超:2,200,000円(上限)
副業の税金高の計算式2.譲渡所得・配当所得の計算方法
次は、譲渡所得・配当所得の税金高の計算方法をご紹介します。
譲渡所得は、「譲渡収入金額ー(取引費+譲渡費用)」で計算しましょう。
取引費は、収入から建物の減価償却費を差し引いて出す「実額法」と、譲渡収入金額の5%で出す「概算法」の2種類があり、額が高い方を使うことが決まっています。
配当所得を出すには、「収入金額ー借入金の利子」という計算式が有効です。
副業の税金高の計算式3.雑所得の計算方法
雑所得の税金高の計算方法をご紹介します。
雑所得は、「公的年金等の雑所得」と「公的年金等以外の雑所得」の合計金額のことです。
公的年金等の雑所得は「収入金額ー公的年金等の雑所得」で表せ、公的年金等以外のものは「総収入金額ー必要経費」で表せます。
つまり、雑所得の計算式は「(収入金額ー公的年金等の雑所得)+(総収入金額ー必要経費)」です。
副業の税金高の計算式4.不動産所得の計算方法
不動産所得の税金高の計算方法をご紹介します。
不動産所得を出す計算式は、「総収入金額ー必要経費」です。
総収入金額には、賃貸賃貸料収入に加えて以下の3種類も含まれます。
- 名義書換料、承諾料、更新料または頭金などの名目で受けとるもの
- 敷金や保証金などのうち、返還をしなくていいもの
- 共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など
固定資産税や損害保険料、減価償却費、修繕費などの家事にかかる経費が必要経費です。
以下では上記でご紹介した税金高の計算式をまとめてご紹介します。既に副業を始めている人はぜひ参考にしてください。
- 給与所得:給与ー給与所得控除額
- 譲渡所得:譲渡収入金額ー(取引費+譲渡費用)
- 配当所得:収入金額ー借入金の利子
- 雑所得:(収入金額ー公的年金等の雑所得)+(総収入金額ー必要経費)
- 不動産所得:総収入ー必要経費
副業の税金高の計算式5.所得税の計算方法
最後に、所得税の税金高の計算方法をご紹介します。
所得税は「課税される所得金額×所得税の税率」で計算できます。
日本は累進課税制度を採用しているため、所得額上がるだけ税率が上がる仕組みです。
以下の所得税の税率を速算表を参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 195万円以下:5%:0円
- 195万円超 330万円以下:10%:97,500円
- 330万円超 695万円以下:20%:427,500円
- 695万円超 900万円以下:23%:636,000円
- 900万円超 1,800万円以下:33%:1,536,000円
- 1,800万円超 4,000万円以下:40%:2,796,000円
- 4,000万円超:45%:4,796,000円
現代人が知っておくべき:「フリマアプリ」による所得に関する確定申告の知識
Webサービスが充実している現代において、洋服や使わなくなったインテリア、聴かなくなったCDなどを「メルカリ」「ヤフオク」といったサービスを利用して販売する人も増えてきたのではないでしょうか。
このように、「フリマアプリ」による所得がある人も関する確定申告の知識を頭に入れておく必要があります。
「メルカリ」に代表されるフリマアプリで所得が発生した場合、サラリーマンなどの本業がある人は確定申告をすべきなのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。
「メルカリ」「ヤフオク」で20万円以上の所得があるサラリーマンは確定申告する?しない?
実は、フリマサービスなどで販売される多くのアイテムは「生活用動産」に区分され、非課税となります。
生活用動産を販売して年間20万円の所得が発生しても、販売したものが非課税であるため、確定申告をする必要はありません。
- 生活する上で必要な「家具・じゅう器・衣服・器具」。新品、未使用、中古などの使用状態は問わない
生活用動産とは、洋服、テレビ、家電製品、ソファ、インテリア、食器棚のことをいいます。1つ、1組の金額が「30万円」を超える貴金属、宝石、絵画、骨董品などは例外として課税対象です。
ここまでの説明を受け、「じゃあ、安く仕入れた生活用動産を販売して儲ければ、確定申告不要なの?」と思う人もいるのではないでしょうか。
客観的に売買の流れを見て「営利目的の生活用動産の売買」と判断されれば、所得が年間20万円を超過した際には確定申告をする必要があります。
課税対象となるのは、いわゆる「せどり」「転売」といった行為です。こういった行為の場合、所得区分は「譲渡所得」ではなく「雑所得or事業所得」となるので注意しておきましょう。
営利目的の生活用動産の売買であるかどうかを判断する明確な基準や法律などはありませんが、定期的な取引が見受けられれば営利目的と判断されてもおかしくはありません。
営利目的でフリマアプリを使っている人は、確定申告を忘れずに行いましょう。
「生活用動産」以外を販売したら? 譲渡所得は「50万円以上」で確定申告をする
もしも、サラリーマンなどの本業がある人が、転売を目的とせずに貴金属などを販売し、譲渡所得が20万円を超えてしまった場合は、確定申告をする必要はありません。
譲渡所得には「50万円の特別控除」があるからです。
例えば、1つあたりの値段が40万円を超えるブランド物の貴金属をフリマで販売しても、所得は50万円以下であるため、確定申告をする必要はないのです。
確定申告の有無が気になるフリマアプリユーザーは要チェック!「譲渡所得の計算方法」
- 譲渡所得額=譲渡価額−[取得費(購入代金、改良費など)+譲渡費用(送料、仲介手数料など)]−50万円
副業する人が確定申告で注意したいこと
確定申告には様々なルールがあり、自分のケースに当てはめて必要な手続きをする必要があることがわかりました。
確定申告のルールは複雑なため、うっかりとミスしてしまいそうで怖いと思う人もいるでしょう。
これから確定申告を迎える人のために、以下では、副業する人が確定申告で注意したいことをご紹介します。
副業の際にかかった費用を「経費」にするには確定申告時に「領収書」が必須
副業の際にかかった費用を「経費」にするには、確定申告時に「領収書」が必須なことに注意しましょう。
経費とは、その副業を行う際に使った金額のことです。
たとえば、副業のみに使用するソフトウェアや参考資料はすべて経費として確定申告ができます。
しかし、デジカメやiPadなど、プライベートでも使用することが可能なものに注意しましょう。あくまでも副業で使う割合の金額のみが経費となるため、確定申告する際は副業とプライベートのそれぞれのシーンで、どの程度使用したかを申告する必要があります。
使用した割合に合わせて、経費として申告できる割合を計算します。
また、確定申告をするならば、購入した商品や電気料金などの領収書を紛失しないことが大切です。
領収書がなければ経費として認められないため、確定申告を行うまでは副業に関わるすべての領収書をきちんと保存しておきましょう。
副業をしている人は必見!「確定申告」に関する2つのトピック
めまぐるしく変わる社会に応じ、確定申告の取り決めは年々変化していきます。
そこで、2018年より適用される「確定申告に関する新たな決まり」についてご紹介します。
経費の申請が簡単になったり、確定申告をする必要が生じたりといった決まりなので、確定申告を他人事だと思わずに以下の内容を確認しておきましょう。
2018年から、医療費控除が簡略化!
確定申告の際、医療費が10万円を超えた場合には超過分を所得から控除できます。
従来では医療費控除をしてもらうためには、申告時に「すべての領収書やレシート」を提出する必要があり還付額も少ないため、なかなか面倒な申請作業でした。
しかし、2018年の確定申告では「すべての領収書やレシート」の提出が不要になりました。代わりに「病院や薬局ごとに医療費をまとめた明細書」を添付する事になりました。
仮にこの明細書は保管しておかなくても、健康保険組合や国民健康保険から送られてくる「医療費のお知らせ」を申告時の添付資料として利用することが可能です。
2018年の確定申告(2017年分の確定申告)では、わざわざ領収書やレシートをかき集める作業をする手間が省けるのではないでしょうか。
2018年から、ビットコインなどの仮想通貨による所得も「雑所得」の扱いに
昨今、世間を騒がせている、ビットコインをはじめとした「仮想通貨」。
読者の中にも、ビットコインの売却によって利益を得た人もいるのではないでしょうか。
2018年からは、ビットコインなどの仮想通貨を売却、または使用によって生じた利益も「雑所得or事業所得」に区分されることが決定しました。
つまり、趣味でビットコインなどの売買を行っているサラリーマンも、ビットコインによる所得が年間20万円を超えれば確定申告をする必要があるということです。
「ビットコインは副業ではないだろう……」のように高を括っていては、無申告加算税が課されてしまう可能性もあります。
ビットコインのような仮想通貨による所得がある人は、国税庁が発表した「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を熟読し、確定申告の有無をしっかり確認しておきましょう。
副業で収入があると、会社にバレる可能性があるので注意
会社で副業が禁止されているけど、副業をしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
これまで紹介してきたように、副業をすると、多くのケースで確定申告が必要になるでしょう。以下では、副業で収入があると、税金を通して会社にバレる可能性があるケースについて紹介します。
「税金」が原因で会社に副業がバレる
上述したように、給料が手渡しであっても税金はかかるようになっています。小さな会社で副業をし、手渡しで給料をもらっている場合も同様です。
「たいした額じゃないし、会社にはバレないだろう」と思っている人がいるならば、気をつけておきましょう。
実はこの税金が原因で、会社に副業をしていることがばれてしまい、トラブルになるケースがあるからです。
【実例】副業禁止の企業で副業がバレると、減給や解雇にも繋がる
副業禁止の企業で副業が会社にバレてしまうと、減給や解雇にも繋がります。
サラリーマンのSさんは、小遣い稼ぎに暇な土日を利用してイベントのアルバイトをしていたそうです。
給料は手渡しで、勤務も不定期。確定申告にかかるような年間所得額ではないので、会社にはばれないだろうと思っていたそうです。
しかし、しばらくしてから会社の経理から「副業をしていないか」と連絡が来ました。
就業規則で副業が禁止されていたSさんは、結局「減給処分」を受けるはめになってしまったそうです。
Sさんの副業がバレた原因は何だったのでしょうか。
実は、副業がバレた原因は「税金」です。給料が手渡しだからといっても給料の支払があった場合、必ず記録は残ります。
記録が残るだけならば調べられなければバレないのだが、厄介なのが住民税です。
なぜ住民税によって副業がバレてしまうのかというと、住民税は収入に応じて支払う金額が変わってくるため、アルバイトの収入が税額に反映されてしまうからです。
「同じ給料なのに住民税の金額が増えている」ということに経理が気づいてしまうと、副業をしていることが発覚してしまいます。
そもそも副業禁止の会社で副業をすべきでないですが、「住民税」の存在には気をつけておいて損はないでしょう。
「マイナンバー制度」で副業がバレる可能性が高くなった?
また、平成28年より施行された社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)によって、「副業がバレる可能性が高まったのでは?」と心配する人もいるのではないでしょうか。実際のところマイナンバーカードはあまり関係ありません。
源泉徴収票や支払調書、給与支払報告書にマイナンバーが記載されることによって、税務署や在住している市区町村の税務課が所得の捕捉をしやすくなっただけです。
今まで確定申告をせずに納税を怠っていた人にとっては、その行為がバレる可能性が高くなったといえます。
- 給料に税金がかかる
- 収入額に応じて住民税が変わる
- マイナンバー制度により所得の捕捉がしやすくなった
会社に副業がバレない・副業トラブルを避ける方法
会社から副業が禁止されている訳ではなくても、職場や同僚に副業について根掘り葉掘り聞かれるのは避けたい……という人もいるでしょう。
そういった場合、どのようにしたら会社や同僚にバレずに副業をできるのでしょうか。また、どうすれば会社での副業トラブルを避けれるのでしょうか。以下で詳しくご紹介します。
一番よく知られているのが、住民税額を役所から会社に通知されるのを防ぐ方法です。
簡単にいえば、アルバイトの収入による住民税を給料から天引きではなく、自分で役所に直接納める、ということです。
まず役所の住民税担当者に連絡して、副業分の税金を自分で払うことが可能か、それらは会社に報告されないのかを確認しましょう。
確認がとれたら、確定申告で「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」の欄において「自分で納付」を選択。基本的にはこれだけで手続きは完了です。
- 役所の住民税担当者に「副業分の税金を自分で払うことの可否/会社に報告されるか否か」を確認
- 確定申告の「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」欄で「自分で納付」を選択
とはいえ、会社の規約で副業が禁止されている場合は、契約遵守、そしてトラブルを避けるためにも、上司に秘密にして副業を行うことは避けましょう。
副業をするときには税金についての知識が必要
- 税法では副業という所得区分はなく副業の種類によって税区分が変わる
- 確定申告を怠ると最大40%の税金加算
- 副業禁止の企業で副業がバレると、減給や解雇にも繋がる
本記事では、副業における給料の税金に関する話や副業がバレる原因について紹介してきました。
税金の計算は、所得の種類によって変わってきます。自分の所得がどれに当てはまるのか考えてみることをおすすめします。
副業をしている人、これから副業を始めようかと考えている人は、ぜひ本記事をきっかけに「税金」のことについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。
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