1. 【中国医学を参考に考える】注意力散漫な人はなぜストレスが溜まりやすいのだろうか?

【中国医学を参考に考える】注意力散漫な人はなぜストレスが溜まりやすいのだろうか?

by amanda herbert
 仕事中にストレスを受け、イラついたり、精神不安になることで注意力が散漫になってしまうことがあります。ストレスと注意力には大きな関連性があるのです。その関連性を中国医学の理論から考えてみましょう。

1. 精神と内臓の関係

 中国医学では、「怒る・喜ぶ・思う(考える)・悲しむ・恐れる」の5つの精神変化と「肝・心・脾・肺・腎」の五臓とが密接に関連していると考えます。「脾」以外は、おおむね西洋医学でいう臓器と相応しますが「脾」だけは西洋医学でいう脾臓ではなく、胃や腸の消化吸収機能全般を指します。

 この5つの精神変化の中で、ストレスと関連があるのは主に「怒る=肝の働き」「思う=脾の働き」「恐れる=腎の働き」の3つです。ストレスを受けたときに肝の働きのバランスが悪いと怒りやすくなり、脾の働きのバランスが悪いと無駄に思い悩むようになり、腎の働きのバランスが悪いとびくびくと怯えやすくなります。

 逆に、怒ることが多いと肝の働きが悪くなり、変に考えすぎると脾の働きが悪くなり、ストレスに過敏になると腎の働きが悪くなるとも考えられるのです。

 集中力は脳の働きにより支えられていますが、この脳を健全に動かしているのは腎の働きです。ゆえに、内臓がバランスを崩して過度な精神変化が怒ると、脳を司る腎の働きが悪くなっていき、次第に脳の働きを担保する腎が持つ精気の供給が滞って集中力が保てなくなり、注意力が散漫になります。

2. 内臓同士の関連

 五臓はそれぞれが支えあい、それぞれが制限しあうという「相生・相克」の関係によって正常に働いています。「肝→心→脾→肺→腎→肝」の流れでそれぞれをサポートし、「肝→脾→腎→心→肺→肝」の流れで制限しあって、異常に働きすぎることを抑えているのです。

 しかし、ストレスを受けてイラついたときは肝の力が強くなりすぎるため、脾の働きを強く制限しすぎます。そうすると消化吸収の機能が落ち、脳に供給するための栄養が不足するとともに脾が司る思考力も低下し、注意力も散漫になるのです。考えすぎて脾の働きが強くなりすぎると、腎の働きを制限して脳の働きが低下し、同様に注意力が落ちます。

 ビクビク恐れすぎるときは、逆に腎の働きが低下したときなので、これもまた脳の働きを低下させるとともに、肝の働きへのサポートが弱くなります。肝は、不要な血液は貯めて、必要なときに放出するという働きを持ちますが、その働きが弱まると脳へ供給される血流量が低下してしまうのです。

3. 発散するより溜め込むほうがより影響力がある

 ストレスを受けて精神的な動きが大きくなったときに、それをなんらかの形で発散することができれば、集中力が散漫になるのも一時的なことで済ますことができます。しかし、発散できずに溜め込むと、その影響は長く続くことになり、さらに五臓の働きのバランスを崩し、やがて集中力そのものがなくなっていってしまうでしょう。


 ストレスを受けても気にせずに精神的な変化をさせずにいられれば集中力が散漫になることはありません。しかし、人間の機能上それは不可能です。ですから「そんなものは気の持ちようだ」という精神論は意味がありません。重要なのは、いかに速やかに受けたストレスを追い出して、精神と内臓の働きを正常に戻すかが大切です。

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