1. 「社内英語化=グローバル企業」ではない!社内英語化を推し進める上での問題点

「社内英語化=グローバル企業」ではない!社内英語化を推し進める上での問題点

 グローバルビジネスへの対応の一環として社内英語化を推し進める企業が増えています。英語がグローバルビジネスに欠かせないスキルであることは周知の事実ですが、社内英語化を推し進めようとすると必ず問題点に直面することになります。

 社内英語化における問題点とは何なのでしょうか。今回は社内英語化を推し進めていく上で生じる問題点と対処法について解説します。

【1】本業の業績が悪化する

 社内英語化を推し進めていく上で最も重要な課題は、業績の維持です。社内英語を推進するといってもそのレベルには個々の企業によって差があります。英語教育の症例や研修会の開催といったサポートレベルから、書類の作成や会議まですべて英語で行う英語の完全導入まで様々な段階があります。社内英語化を早急に進めてしまった場合、本業の業績が悪化してしまう恐れがあります。
 
 どんなに社員の英語教育を推進したとしても、日本語よりも英語の方が得意になる社員というのは存在しません。もし仕事で使う言語をすべて英語にしてしまった場合、意思疎通が日本語でのコミュニケーションに比べて難しくなってしまい本来の業務に支障が出てしまいます。

 日本語で書けば5分で書ける書類でも、英語で書けば10分かかることは珍しくありません。長年の経験で慣れた作業の中には、英語化によってまた一から習得し直さなければいけない作業もあります。

 会議での発言にしても、日本語で発言するのと英語で発言するのでは意見表明の難易度に大きな差があるのは明白です。業績向上のために社内英語化を進めるのは間違ってはいませんが、社内英語化を早急に進め過ぎてしまうと本来の業務の足を引っ張ることになってしまいます。英語力を磨くのと英語しか使用しないのは全く別の行為であることを認識しましょう。

【2】優秀な人材が退職

 社内英語化が勧められた場合、英語は苦手だが業績は優秀な社員は本来の能力を発揮することができず、別の会社に転職してしまう可能性があります。英語力と仕事力は別のはずなのに、社内英語化を進めていると英語力が無ければ仕事ができなくなってしまいます。

 仕事が得意で英語が苦手な社員の英語力を鍛えるのが、本来目指すべき社内英語化の方向のはずです。実際に社内英語化を促進しようとすると、仕事の実力に関わらず英語が得意な人間ばかりが評価されることになります。
 
 会社にとって有益な人材とは、業績に貢献してくれる優秀な社員です。本来の評価基準である仕事力よりも、英語力に対する評価が優先される事態に陥ってしまった場合、優秀な社員に残された選択肢は転職しかありません。

 グローバル化を進めるための社内英語化によって優秀な社員を失ってしまっては、本末転倒といわざるを得ません。英語が苦手な人材をサポートする体制を確立しなければ、社内英語化はかえってマイナスの作用をもたらしてしまうことになります。


 ビジネスにおける英語は非常に重要なものです。しかし不慣れな人間をサポートする仕組みを用意しなければ、社内英語化を推し進めていく事は不可能です。業務への影響と英語力向上のバランスを見極めることが、社内英語化を成功させるカギになるでしょう。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する