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なぜ失敗してしまうのだろうか?企業が「フリーアドレス制」のオフィスづくりを行う際の注意点

Shingo Hirono

2014/05/16(最終更新日:2014/05/16)


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by Texas Tech University Student Housing
  従業員が仕事をする席を自由に選択することができる、フリーアドレス制のオフィスを採用する企業が増えています。フリーアドレス制のオフィスは、個人専用のデスクを用意する従来型のオフィスに比べて、必要な面積が4割ほど少なくて済むため、コストの削減を目的に導入する企業が増えているのです。

 しかし、フリーアドレス制のオフィスは従来型のオフィスに比べて運用が難しく、フリーアドレス制のオフィスのメリットを有効活用できていない失敗例も多く見られます。どのようにして、フリーアドレス制のオフィスは失敗してしまうのでしょうか。今回は、フリーアドレス制のオフィスづくりでの失敗例を紹介します。

スペース不足

 フリーアドレス制のオフィスの特徴は、従来型のオフィスに比べて必要な面積が狭くて済む点にあります。オフィスで働くのは、常に従業員全員が働いているわけではありません。外回りを中心に働いている従業員は、一日のほとんどをデスク以外の場所で仕事をすることになりますし、現場とデスクを往復して働いている人は、デスクを半分しか使っていないことになります。

 フリーアドレス制のオフィス画面積が狭くても機能するのは、このようなデスクを離れて仕事をする人たちの、スペースを削ることができるからです。最適のマネジメントが実現すれば、必要最低限のスペースを用意すれば業務進行が可能になるため、オフィス面積を削減しても仕事が十分回るということになるでしょう。

 しかし、部下の業務管理を完ぺきに行うことは不可能です。理論上は問題なく、業務が進行するだけのスペースを用意したとしても、従業員それぞれのオフィスワークの予定が被ってしまえば、オフィスのデスク不足の問題が生じてしまいます。

 必要最低限のスペースを用意した場合、予定外の事態が発生した時に対処することができなくなってしまうでしょう。デスク不足の失敗を防ぐためには、あらかじめデスクの数にある程度、余裕を持たせておく必要があります。

人間関係

 フリーアドレス制のオフィスでは、好きな場所で仕事をして多くの人と交流を深めることができますが、オフィスで働く人の中には、一緒に働きたくないような人物がいるかもしれません。自由に座席を選択できることが逆に災いし、疎遠にしたい人物にしつこく付きまとわれるような、トラブルが発生してしまうこともあります。
 
 フリーアドレス制のオフィスは、管理職の目が届きにくいため、特定の人物が見えないところでセクハラやパワハラに相当する付きまといを、繰り返すケースも報告されています。部下のメンタルヘルスケアを考えるためには、上司による業務管理を今まで以上に徹底し、何か問題のある人間関係を発見したら、速やかに対処する必要があるでしょう。


 フリーアドレス制のオフィスが失敗してしまう原因は、フリーアドレス制に対する理解の不足にあります。フリーアドレス制にはメリットもあればデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を理解した上で導入することが、フリーアドレス制のオフィスを最大限活用してメリットを生かすことに繋がるのではないでしょうか。

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