1. 安易な導入は失敗を招くかも!?企業の給与体系における「インセンティブ契約制度」の基礎知識

安易な導入は失敗を招くかも!?企業の給与体系における「インセンティブ契約制度」の基礎知識

 インセンティブとは、ビジネスにおける動機づけのことを意味します。広義には「やりがい」や「達成感」のことを意味しますが、狭義には成果報酬の意味で使用されているのです。一般的には狭義の意味で使用されており、インセンティブ契約制度といえば成果に応じて、報酬額が変化する雇用契約のことを指します。

 インセンティブ契約制度には、どのような特徴があるのでしょうか。今回は、インセンティブ契約制度の基礎知識について解説します。

成果に応じた報酬が支払われる

 インセンティブ契約制度の特徴は、成績や成果に応じて、報酬が変化する点にあります。月給制度や年俸制度とは異なり、固定給ではなく自分の成果に応じて報酬が変化する契約ですから、頑張って成果を上げれば、その分沢山の報酬を受け取ることができるのです。インセンティブ契約の詳細については、契約によって異なります。

 保険会社であれば、契約一件ごとに○○円といった形で、インセンティブ報酬が支払われますし、野球場のビールの売り子は一杯売るたびに〇〇円という形でアルバイト料が決まります。固定給とインセンティブを組み合わせた形の給与体系を、採用している会社もあるのです。

 毎月の月給を最低水準に設定する代わりに、成果に応じてインセンティブ報酬が上乗せされるため、高い業績を上げた人にはそれだけの労働に見合う高い報酬が支払われることになります。スポーツの世界でもインセンティブ契約はよく見られます。一勝ごとに〇〇円、一試合出場ごとに〇〇円、優勝したら〇〇円といったような出来高契約は、インセンティブ契約の代表的なものです。

 仕事の成果が直接、報酬に影響するため、労働者の労働意欲を引き出すのに効果を発揮します。特に業績が目に見える形で、はっきりと表れるような職種の場合は、従業員間の競争意識を刺激して、更に高い業績を目指すのにも効果を発揮するでしょう。

評価基準が重要

 インセンティブ契約制度を導入する場合、最も注意しなければいけないのがインセンティブの評価基準です。インセンティブは成果を客観的に評価できて、初めて正しく機能します。販売数や契約数など客観的に評価できる基準が無い場合、インセンティブの導入は難しくなります。

 会社の業務には評価が、難しいような仕事もたくさん存在します。総務や経理などはミスなく仕事をこなすことが重要視される職場であり、求められる以上の成果を達成するのが困難な仕事です。

 このような仕事にインセンティブ契約制度を導入する場合、ミスに対するマイナス評価ばかりが目立つことになってしまい、努力の成果を報酬に還元するというインセンティブ契約制度を導入する本来の目的を達成することが困難になってしまいます。


 インセンティブ契約制度は努力が成果に結びつくような仕事の場合は、やる気を引き出し全体の業績を引き上げる効果が期待できますが、仕事の達成度を客観的に評価することが難しい仕事の場合は、かえってやる気をそいでしまいます。

 インセンティブ契約制度を導入する場合は、仕事の内容がインセンティブ契約制度に向いているかを見極めることが重要です。

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