1. "原因追及"や"真相究明"は時間の無駄!部下の仕事を辞める理由に「嘘」を感じた時の対応方法

"原因追及"や"真相究明"は時間の無駄!部下の仕事を辞める理由に「嘘」を感じた時の対応方法

 マネジメントスタッフになると、時には部下から「仕事を辞める」という報告を受けることもあるでしょう。部下からの退職願いは、上司にとってショックなことです。

 仕事を辞める理由をヒアリングしながら、上司はどうしても「なんとか翻意させたい」という意識を持ちます。そのため、仕事を辞める理由に「嘘」を感じたとき、それを追及しようしがちです。それは正しい行動なのか。「嘘」を感じた際、どう対応すればいいのか、考えてみましょう。

追求や真相究明は生産性のない無駄な行動

 「できれば翻意させたい」という気持ちから、辞める理由の説明で感じた「嘘」を追及したくなるのは、上司の立場を考えれば、むしろ自然なことです。しかし、それが効力を持つことは、実際にありえるでしょうか。

 たとえば、「君の言っている退職理由は納得できない。説明にも矛盾があるし、他に本当の『辞める理由』があるのではないか」と問いただしたとして、部下は果たして「実は」と、本当の理由を口にするでしょうか。もし、その理由が嘘だったとして、部下は本当の理由を上司に伝えられないからこそ、嘘の理由を考えたわけです。そんな心境にある部下が、本当の辞めたい理由を話すはずがありません。

 また、他の部下からヒアリングして、「真相究明」を行うことも、避けた方がいいでしょう。場合によっては、退職を願い出ている部下を、心理的に追い詰めてしまいかねないからです。辞めたい理由について、部下から丁寧なヒヤリングをすることは大切です。しかし、「嘘」を感じた際に、部下を追及したり、真相究明を図ったりする行為は、生産性をほとんど持ちません。無駄な時間であるばかりか、時にはより悪い結果を招きかねないのです。

部下の意志を尊重し、「嘘」は自分の中で飲み込む

 ですから、部下の「仕事を辞めたい理由」に、もし「嘘」を感じても、それを指摘したり、追及することはおすすめできません。そもそも、部下が上司に退職を願い出るというのは、「一大決心」に基いて行われる行動です。決意が固まらないのに「辞めたいんですけど、どうしたらいいでしょうか…」と軽い気持ちで相談することは、まず考えられません。

 そうである以上、部下のその強い意志を尊重してやるのが、上司としての務めではないでしょうか。ヒヤリングをしたら、即答は避け、日を改めて、もう一度、部下に「退職の気持ちが変らないか」と尋ね、翻意していないようなら、了承する。感じた「嘘」は自分の中で飲み込んでしまう。これが、あるべき対応法です。「嘘の理由」を考えてでも、退職を願い出た部下の心境を察すれば、それが「親心」というものでしょう。


 嘘を厳しく追及し、無理に翻意させたとしても、その後、部下が気持ちを新たにして仕事に戻ることはありえません。部下の心をいっそう傷つけることにもなりますので、自分本位ではなく部下本位の意識を持って、対応することをおすすめします。

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