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【ビジネス文書のマナー】取引先に対して「お詫び」の連絡を入れる際に気をつけるべき3つのポイント

Shingo Hirono

2014/05/10(最終更新日:2014/05/10)


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【ビジネス文書のマナー】取引先に対して「お詫び」の連絡を入れる際に気をつけるべき3つのポイント 1番目の画像
 ビジネス文書には、「定型」があります。「この形式で、この文章を使って作ればマナーに適ったビジネス文書になる」という「型」です。ほとんどケースはその「型」に嵌めれば、無難なビジネスレターが作れます。

 ただし、例外もあります。それが「お詫び」を目的とするビジネス文書です。「お詫び」の手紙を書く場合、ただ無反省に「型」に倣って作ってしまうと、先方が不快の念を抱くことになりかねません。注意したいポイントを3つ紹介しましょう。

1. 前文はできるだけ簡略化

 通常のビジネス文書の書き出しは、およそ次のようなものでしょう。「拝啓 貴社におかれましては時下ますますご清祥の御事と、お慶び申し上げます。また、平素よりご厚情賜り、熱く御礼申し上げます。」

 あるいは「時下」の代わりに時候の挨拶、「梅雨の候」「初夏の候」「暑さ厳しき砌(みぎり)」と言った文言を記すケースもあります。これらは、通常のビジネス文書としては、一般的な書き出しです。

 しかし、こと「お詫びの文書」に限っては、その「型」がマイナスになることも少なくありません。特に、自社側のミスによって、先方が多大な迷惑や損失を被ったときに、「拝啓 梅雨の候貴社におかれましては…」と綴った手紙を先方が読んだら、どんな気持ちになるでしょうか。

 「なに、悠長なことを言ってるんだ!」と、さらに怒りを買うことでしょう。ですから、前分は必要最低限のものにすべきです。「拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」の一文で十分。「平素よりご厚情賜り、云々」は必要ありません。すぐに「さて」と、主文に移るべきです。

2. 「お詫び」と「善後策」に焦点を当てる

 「さて」としたあと、「この度、○○の件につきましては、貴社に多大なるご迷惑をおかけ致しました。心よりお詫び申し上げます」と続けます。「お詫び」という言葉をできるだけ早い段階で記すのがポイントです。くどくどしいお詫びは、かえって先方の不興を買うこともありますので、「心よりお詫び申し上げます」だけで構いません。

 大切なのは、その後です。「今回このようなことが起きたのは、こうした不手際があったためです」や「今回のミスはシステムのメンテナンスに、慣れからくる油断があったため生じました」といった、具体的な原因の説明を、まずします。それに続けて、そういうことが今後起こらないために、どういう改善努力をするか、具体的に示しましょう。

3. 余計な末文も省略する

 もう1つポイントは、手紙の締めくくり方。通常なら「今後とも相変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます」と締めくくるところですが、お詫びのビジネス文書には馴染みません。自分の非を詫び、「お許しください」という気持ちで書いているのに、最後に来て「今後とも相変わらぬご愛顧」を「お願い」するのは変な話です。

 そのため、「文書にて略儀ながら、まずはお詫びまで。また改めまして、お詫びに伺います」と締めくくったほうが、ずっと自然な印象を与えます。


 ミスやトラブルの規模や内容にもよりますが、あまり短い手紙では、相手に良い印象は持たれないでしょう。丁寧な説明を盛り込んだ、ある程度のボリュームのビジネス文書にするべきです。

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