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「勝てるマーケティング戦略」の肝!確実に押さえておきたい「バリューチェーン」の考え方

Shingo Hirono

2014/05/02(最終更新日:2014/05/02)


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by SBA73
 マーケティングで使われる用語として、バリューチェーンというものがあります。バリューチェーンはポーターが提唱した、「付加価値連鎖」と訳される、マーケティング戦略の代表的なフレームワークです。ではバリューチェーンとは一体何なのでしょうか。

1. バリューチェーンの意味

 バリューチェーンとは、企業活動を「分野」に分解してその分野ごとにコスト削減や利益獲得方法を考え、結果として業界内での競争力向上を目指そうという考え方です。具体的には、まず企業活動を主活動と支援活動に分類します。そして主活動を購買(仕入れ)や製造、物流、マーケティングや販売活動などに分解するのです。例えば、製造業、小売業の主活動のバリューチェーンは以下の通りです。

製造業のバリューチェーン

 商品企画→設計→購買→生産→マーケティング→流通→販売→保守

小売業のバリューチェーン

 仕入れ→店舗運営→マーケティング→販売→顧客フォロー

 上記のように企業活動を分野ごとの連鎖と考え、その中で強みや弱みを見つけて業界内で優位性を持とうというのがバリューチェーンになります。企業活動全体の付加価値をどうするか考えるよりも、その活動を分解して一つ一つの活動のコストと利益を計算する方が、結果的に効率よく企業の競争力を高められるというわけです。

 また、分解することで、より詳細に現在の課題や今後の目標などを設定できるという利点もあります。そして企業利益を最大化するために各分野で、どのようなことを行えばよいかを考えるのです。

2. バリューチェーンの多様化

 近年、バリューチェーンは刻々と変化しています。例えば上記の小売業でも、インターネット販売では以下のようなバリューチェーンになります。

インターネット販売のバリューチェーン

 仕入れ→サイト運営→マーケティング→注文→流通→顧客フォロー

 先ほどの小売業のバリューチェーンと比較すると、「店舗運営」が「サイト運営」となり、「販売」が「注文」と「流通」に分かれています。店舗とインターネット販売は同じく小売業ですが、バリューチェーンは微妙に異なります。

 そしてインターネット販売の場合、店舗を持つ小売業と比較すると、「サイト運営」にコストがかからないという強みがあり、注文後の「流通」にコストがかかるという弱みがあるのです。

 しかし、インターネット販売大手のAmazonなどはここに着目し、「流通」の「送料無料化」によって、通常の小売店よりも圧倒的に競争力を高めています。このように、バリューチェーンは多様化し、その活用方法も変わりつつあるのです。

3. バリューシステム

 また、これらのバリューチェーンを突き詰めるとやはり企業間の問題も考えなくてはならなくなります。例えば購買(仕入れ)分野は原材料の供給者によってコストや品質が変わり、製造分野が外注を使っていればその外注先によって、コストや品質が変わってくるでしょう。

 よってバリューチェーンで利益を最大化するということは、外部から調達するものについても自社の利益が最大化される方策を取らなければなりません。これをバリューシステムと呼びますが、現在ではバリューチェーンという言葉で企業間をとらえることも多くなっています。


 以上がバリューチェーンの意味です。バリューチェーンを活用して自社の強みと弱みを掴み、マーケティングに活かしていきましょう。

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