仕事に追われて疲れ果ててしまった人や、閉塞感に悩まされている人はたくさんいると思います。これは、自分だけが特殊なわけではありません。
ましてや創業者なら猶更です。今回は創業者たちの名言から、仕事をポジティブに捉えるポイントを考えてみたいと思います。
阪急東宝グループ・小林十三氏
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」
これは、阪急電鉄や宝塚歌劇団をはじめとする阪急東宝グループ (現・阪急阪神東宝グループ)の創業者の小林一三氏の名言です。豊臣秀吉の話をたとえにしてますが、非常に面白いことを言っています。確かに、豊臣秀吉は織田信長の草履取りからはじまって、織田信長の死後はその後を継いで日本統一をするところまでになりました。
普通下足番というのは面白い仕事ではないでしょう。いわゆる雑用係りみたいなものです。しかし、小林氏はそれを真剣にやっていればやがて道が開けると言っているのです。一方で、一生懸命仕事をしていることは必ず誰かが見て評価しているということも示しているので、サボっていたらその分評価も下がることを暗にほのめかしています。
堀場製作所・堀場雅夫氏
「出る杭は打たれるが、出すぎた杭は誰も打てない。出ない杭、出ようとしない杭は、居心地は良いが、そのうちに腐る。」
堀場製作所は上場している大企業ですが、堀場氏自身はベンチャー企業だと言い張っています。確かに堀場さんは学生ベンチャーの先駆けなので、その志はまだもっておられるのです。
「出る杭は打たれる」は会社に入って多くの人が経験していることかもしれません。そして、多くの人はそれを評して大企業病と言っているかもしれません。しかし、「出すぎた杭は誰も打てない」とはあまり思いつくことではないと思います。閉塞感に悩んでいる人にとってみれば、「誰も打てない出すぎた杭になってしまえ」と考えれば勇気が湧いてくるのではないでしょうか。
本田技研工業・本田宗一郎氏
「社長なんて偉くも何ともない。課長、部長、包丁、盲腸と同じだ。要するに命令系統をはっきりさせる記号に過ぎない。」
本田氏は、ホテルの記帳で職業欄に「会社員」と書きました。それだけ、社長という言葉自体に興味がなかったのです。ここでいう通り、記号といっては言い過ぎかもしれませんが、それは役割の違いでしかないのです。
上司との関係に疲れている人は、上司を会社の役割だけでなくて他のことまで考えていませんか。上司もただの人間です。そういう意味で役割が違うため上司で役職がついているだけなのです。そう考えれば、上司に対してそこまで重く考える必要はないということがわかってくるはずです。
今回紹介した名言には共通点があります。それは「視点を変えてみる」ということです。長所も突き詰めれば短所になるように、つまりはどちら側から見るかというだけのことなのです。視点を変えてみれば、今までダメだと思っていたことが、非常に有望に見えることも多々あります。ポジティブになるというのは、意外と簡単なことなのかもしれません。
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