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ピーター・ドラッカーが提唱したマーケティングにおける「顧客思考」の重要性

Shingo Hirono

2014/04/18(最終更新日:2014/04/18)


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 ドラッカーは、言うまでもなく、マーケティングという概念をこの世に送り込んだ第一人者です。中でも、「企業の目的は顧客の創造である」という言葉はあまりに有名だと思います。ではドラッカーの言う「顧客」とは何でしょうか。ここでは企業が顧客をどのように捉えれば良いか考えてみようと思います。

1. 企業は顧客を創造するためにある

 ドラッカーは、「顧客は企業の外にいる」ということを繰り返し言っています。そして、その外に出て顧客を創造するべきだとも言っているのです。これは今で言う「消費者志向」のマーケティング。企業は、中ではなく外を見て企業は行動しなければならないと言っているのです。

 内向きの企業が普通だったこの時代に、このような考え方は画期的だったと言えるでしょう。そして、「顧客とは自社の製品やサービスを買っていないすべての人たちである」とも言っています。たとえ市場シェアが高かったとしても、まだ自社製品やサービスを買っていない人がいる限り、顧客は創造できるということです。

2. 顧客は企業から与えられて満足する

 ドラッカーは、「顧客は自らの欲求に気づいていない」と言っています。企業のマーケティングやイノベーションにより、その欲求に気づくのだということです。よって、企業の使命は顧客のニーズをいかに理解し、そのニーズに合った製品やサービスをいかに提供できるかということになります。

 ドラッカーはまた、「コミュニケーションで大切なことは、相手が口には出さないことをいかに理解するかである」とも言っています。これは顧客のインサイトを理解するということにつながるマーケティングの考え方です。

3. 企業は顧客に存続させてもらっている

 ドラッカーは、企業は顧客や社会によって存続させてもらっているのと言っています。顧客や社会は企業を一瞬にして滅ぼすことができ、それゆえに企業は顧客や社会に対して、最大限の努力をしなければならないということです。

 製品やサービスが良いから生き残れるのではなく、顧客が買ってくれるから企業は社会に生き残れるのだという考え方です。よって、企業は常に最大限の努力をし、成功のためにあらゆる労力を惜しまず、失敗を恐れず、未来に向けて進まなければならないとドラッカーは言っています。


 これらのことは、今の時代に思うと普通のことのようにも思えます。しかし、これを普通だと考えることこそが企業の驕りであり、そう考える企業ほど「自分本位」に陥りやすいのも事実です。

 マーケティング感覚に優れた経営者にドラッカーを愛する人が多い理由は、そのあたりにあるのかもしれません。マーケティングの基本に立ち戻るため、常にドラッガーの「顧客志向」を忘れないようにすることが大切なことだと言えるでしょう。

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