1. 「全員が諦める事をやる」ーグッドパッチCEO土屋氏が語る起業家が直面する壁と組織拡大7の課題

「全員が諦める事をやる」ーグッドパッチCEO土屋氏が語る起業家が直面する壁と組織拡大7の課題

 今の仕事に満足していますか?この問いから起業を目指す人は多い。起業し自分のサービスを作り仲間を集め、ユーザーに影響を及ぼしていくことは、なんといっても起業の醍醐味。そして、起業していく中で上手くいく事もあればどうしようもなく上手くいかない状況もある。

 今回UIデザイン特化型の成長企業となった株式会社グッドパッチ(以下グッドパッチ)のCEO土屋氏の実体験から、起業家が直面する壁と組織拡大の課題についてまとめる。

【1】共同創業者問題

 創業時、グッドパッチは共同創業者2人という体制であった。共同創業者が2人である問題は共同創業者間のパワーバランスだ。2人だと意見などの食い違いで衝突する。2人での創業も一緒に働いた事があるかどうかや3人以上での創業という選択肢をとる事で良いバランスを保つことが必要である。

【2】最初からいろんな事業をやろうとする問題

 グッドパッチが当初行っていた事業はコワーキング事業UI/UX事業/海外進出支援事業の3事業。起業したての頃はとにかく「武器」を持とうとして、ついいろんな事業に手を出してしまうのだが、これは全く上手くいかない。実際にグッドパッチも半年間全く上手くいかない時期を過ごした。その後、改善すべくすべての事業を捨て「UI設計とデザイン」に事業をフォーカスし思い入れがあった事業も全て捨てた。やりたい事を選ぶのはもちろんだが「キャッシュが回ること」を意識しなければならない。

【3】共同創業者が抜ける問題

 起業6ヶ月たった頃、共同創業者が大手企業に引きぬかれ土屋氏はたったひとりになってしまうという事態がおこる。このとき残りのキャッシュは3ヶ月で共同創業者がデザインをほぼ担当していたためUIの会社なのにデザインが出来る人がいないという状況に陥ってしまう。ここで土屋氏は「抜けた共同創業者に心残りを感じさせないためにも絶対に成功しよう」という考え方で苦難を乗り越えたそうだ。

【4】なかなかオフィスを借りない問題

 バーチャルオフィスも普及し多様化している中で、なかなか自社オフィスを借りないという人が増えている。固定費や管理の必要性を考えれば、特に自分一人のときはオフィスを借りようと思っても優先順位が落ちてしまいがちだ。

 グッドパッチは残りキャッシュ3ヶ月という状況でオフィスを借りた。そしてなるべく周りの人にオフィスに立ち寄ってもらえるように声をかけたりした事により事業が周りはじめた。土屋氏は自分の城を築くことが大切だと述べている。

【5】ピンチのときに仲間がいない問題

 事業を進めていく上で誰もが課題にぶつかり信じられないような事態にも陥る。そんなときに仲間の存在があるかどうかは死活問題である。

 UI会社なのにデザイナーが1人もいないという状況に陥ってしまった土屋氏を助けたのはデジタルハリウッド大学で共に学んだ前職の同僚だ。当時大阪に住んでいて奥さんと子供がいるという中仕事の合間をぬって土屋氏を手伝い、転職が決まっていた会社を辞退してグッドパッチに入社する。

 リスクがあっても飛び込んで、一緒に信頼して助けてくれる仲間がいるかどうかというのは組織を拡大していく中で最重要だ。

【6】大きなチャンスをつかめない問題

 ぎりぎりの経営の中、大手案件が舞い込んで来たのだがなかなか決まらずにいた。そこで土屋氏が出た行動は週2回ほどで行っていた取引先のオフィスに毎日通い、そこで仕事を行い熱意を見せた。誰もが受注出来ない案件だから諦めた方が良いと言われる中、その行動で別の定期案件をつかむ事が出来た。

 また土屋氏がシリコンバレーに滞在していた際の友人を無償で手伝いヒットしたのが「Gunosy」のUIである。

 苦しい時にここぞというチャンスをつかんでいく事は組織拡大のための大きな一歩になる。大きなチャンスも諦めたり見逃してしまわないよう日々起こる事柄と向き合っていくのが成功の秘訣と言えるだろう。

【7】成長期の人材採用問題

 仕事の依頼は増えていくが、安定収入がなく会社の知名度が低いままで給料も多く払えない。結果、人が採用出来ず組織拡大が見込めないというパターンはよく耳にする。また人が増えていく中で事業をスケールさせていく為には全員の共通認識が必要になるため、文化や環境づくりにより着目していかなければならない。

 成長期の人材採用には、どのような人材を採用するかという事を明確化しておくことによりチームづくりを行う必要がある。ちなみにグッドパッチの場合で言えば

1、技術・経験よりもマインド重視 
2、会社のカルチャーに共感してもらえるか
3、グノシーを使っているか、土屋氏のブログを読んできているか
(グノシーユーザーがまだ数万人という程度の規模の時)

という点を面接時に設け、社長自らが1次面接を行い、現場のスタッフで2次面接を行っていた。

 起業時は経験した事の無い中から日々壁に直面し、乗り越えていかなくてはならない。しかしながら、常に最悪の状況を想定し、社内文化に基づいた仲間とシンプルなサービスを作り続けるという単純なことが組織拡大において必要とされる。

U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう
この記事を報告する