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ロジカルシンキングをする時に用いられる「ゼロベース思考」の強みと弱み

Shingo Hirono

2014/04/14(最終更新日:2014/04/14)


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by Jocey K
 ロジカルシンキングを実践する時に重要になるのが、「ゼロベース思考」という技術です。ゼロベース思考をロジカルシンキングに取り入れることで、より正確な結論が導き出せるようになり、ロジカルシンキングの効果を高めることが可能になります。

 では、ゼロベース思考とは一体どのようなもので、どのような形でロジカルシンキングに取り入れればよいのでしょうか。今回は、ロジカルシンキングをする時に用いるゼロベース思考について解説していきます。

ゼロベース思考とは?

 ゼロベース思考とは、ある物事について考えるときに既成概念や常識といった先入観を取り払ってフラットな状態から思考を開始する方法です。一般的な思考では、常に常識や既成概念、先入観といったものが先に立ってしまいます。それらが有効になる場合もありますが、往々にして自由な発想を阻害してしまい、論理的な思考の妨げになってしまいます。ゼロベース思考とは、余計な要素に左右されないフラットな思考のための技術であり、公平・公正な思考をするために最適の技術です。

ゼロベース思考のメリット

 ゼロベース思考を用いる最大のメリットは、物事をありのままに捉え、本質的な問題を発見することができる点です。過去の経験や常識をもとに思考を行う場合、その経験が今では役に立たないものになってしまっている可能性もありますし、常識そのものが誤ったものである可能性もあります。

 ロジカルシンキングの基礎である論理的思考とは、事実を積み重ねていくことで結論を導き出す技術。思考に採用した事実の中に間違ったものや誤解が存在する場合、その結論は誤ったものになってしまいます。しかし、ゼロベース思考を用いることで思考の出発点における誤りを排除し、余計な要素や情報に左右されない正確な論理を構成していくことができるのです。

 ゼロベース思考を用いることで、どのような場合でも常に一定の条件でロジカルシンキングを行うことが可能になります。前提条件を整えることで本質的な問題を捉えることが可能になり、どのような状況にも当てはまる客観的で公平な結論を導き出すことができるでしょう。

ゼロベース思考の欠点

 ゼロベース思考とは、前提条件に左右されない結論を導き出すための技術です。その結論は一般的な事象に当てはまるものですが、前提条件が重要な意味を持つ場面においては、ゼロベース思考は役に立ちません。

 国が異なれば文化も風習も異なるのは当然のことであり、動かしがたい事実です。特定の問題を国際的なケースで考える場合、国よる前提条件の違いを排除してゼロベース思考を実践したとしても、その結論はどの国にも当てはまらない無意味なものになってしまいます。

 ゼロベース思考は本質的な問題を捉えるのに適した技術ですが、現実には前提条件を無視して行動することは不可能です。ゼロベース思考はあくまでも論理的思考のための技術であり、結論を現実に応用するためには、改めて前提となる要素を再検討する必要があるでしょう。


 ゼロベース思考とは、ロジカルシンキングを実践する際に条件をフラットにするための思考技術。論理構成を、純粋にするために非常に役立つ技術ですが、導き出される結論をそのまま現実に応用することはできません。ゼロベース思考で得た結論は、ゼロベース思考という前提条件のもとに出た結論であり、現実に応用するためには再び前提条件を加える必要があります。

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