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ビジネスシーンにおける「ロジカルシンキング」と「クリティカルシンキング」の違い

Shingo Hirono

2014/04/13(最終更新日:2014/04/13)


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by Simon & His Camera
 ロジカルシンキングは論理的思考、クリティカルシンキングは批判的思考と訳されます。いずれも、ビジネスシーンでは欠かせない思考方法です。ただ、その違いを理解していない人も多いと思います。ここでは、それぞれの特徴と違いを簡単に説明していきます。

ロジカルシンキング

 あらゆるビジネスシーンでベースになるのがロジカルシンキングです。三段論法に代表される演繹法、個々の例から共通項を見つけ出し結論を得る帰納法、テーマが間違っていると仮定することで最終的にそのテーマの正しさを証明する背理法などがあります。論理学の授業ではないので、ここではそれぞれの内容には触れません。ともかく、物事を筋道立てて考えるのが、ロジカルシンキングです。

 簡単に言うと「前提Aは真、前提Bも真。したがって、そこから導き出されるCという結論も真と考えられる」といった思考法。仕事を進めていく上で、それができないと、自分の頭の中の整理ができませんし、ましてや、他社に対して説得力のある説明は不可能なわけです。

クリティカルシンキング

 クリティカルシンキングは、そうしたロジカルシンキングを補い、より正しい結論を得るための方法と言っていいでしょう。「批判的思考」というとどうしてもネガティブなイメージをもたれがちですが、「批判」と「否定」はイコールではありません。1つ1つの情報について、一度は批判的な目を向けてみるのがクリティカルシンキングです。

 すべての情報を「本当なのか?」と疑ってみる。そして、前提、思考内容、判断に誤りがないかをチェックする、慎重で緻密な思考法です。批判した結果、その批判対象の正しさがより強く裏づけられることも、実際に少なくありません。その意味ではネガティブな方法を取りながらポジティブな方向へ導くための思考法と言う事ができるでしょう。特に、会議やプロジェクト計画を練るときなどに、有効かつ必須の思考法です。例えば「前提Aは真」というところから、会議の議論がスタートしたとします。

 誰もが批判精神をもたず「前提Aは真」について信じて疑わないまま議論が進行し、そしてある結論に至った。ところがその事業計画を実際に進めるうち、事業は難航してしまった。その段階になってやっと、最初の前提、つまり「前提Aは真」が実は誤りだったと気づいた。しかしすでに多額の経費を使ってしまっていて、いまさら後戻りできない…この場合は、大変な損失が出ることは免れません。

 最初の会議の段階で「前提Aは本当に真なのか?」というクリティカルシンキングをしていれば、そうした誤った道を選択せずに済んだのです。クリティカルシンキングがいかに大切なものか、この一例からも分かると思います。


 ロジカルシンキングとクリティカルシンキング習慣づけることによって、仕事の成果を上げやすくなりますし、また誤った判断を未然に防ぐこともできるでしょう。

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