HOMEビジネス 仕事における「提案」と「意見」の違いは?すぐれた提案ができてこそ「デキるビジネスマン」

仕事における「提案」と「意見」の違いは?すぐれた提案ができてこそ「デキるビジネスマン」

U-NOTE編集部

2018/06/19(最終更新日:2021/03/09)


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ビジネスシーンでは、クライントや上司に「提案」をしたり「意見」を伝えることも多いですよね。同じ意味を持つ言葉のように感じますが、できるビジネスパーソンであれば正確な意味を捉えてうえで上手に使い分けていく必要があるのです。

本記事では、仕事における「提案」と「意見」の違いや使い分け、相手に好印象を与えられる提案の仕方を解説します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 「提案」と「意見」の意味と違い
  • 「意見」が「提案」になるプロセス
  • 提案のポイント・提案書作成時のチェックポイント

 

「提案」と「意見」のそれぞれの意味

まずは、「提案」と「意見」の意味の違いについて解説します。「同じような意味じゃないの?」と思う方も多いでしょう。まずは、以下の2つの文章を見比べてみましょう。

  • 相手に○○を提案する
  • 相手に○○を意見する

2つの文章を比較すると、なんとなく前者の方がビジネスシーンではふさわしい印象を覚えますよね。では、「提案」と「意見」はそれぞれどのような意味を持っている言葉なのでしょうか。

まずは、2つの言葉の意味を辞書で調べてみましょう。

 

「意見」の意味とは

【「意見」の意味】

1.ある問題に対する主張、考え。心に思うところ。
2.自分の思うところを述べて、人の過ちをいさめること。

参考:意見(イケン)とは - コトバンク
 

<「意見」の使用例>

  • 先輩社員が意見する
  • 反対意見派が、賛成意見派の数を上回った
  • 勇気を出して意見を述べる

「意見」は、自分の信念を言葉や態度で表明することを指す言葉です。社会心理学上では、「意見」は自身の態度や方向性を決めるための重要な指標になると位置づけられています。

 

「提案」の意味とは

【「提案」の意味】
議案・考えなどを出すこと。また、その議案・考え。

参考:提案(テイアン)とは - コトバンク

 

<「提案」の使用例>

  • 自分が提案者になる
  • プロジェクトの打ち切りを提案する
  • 先方への提案を再考する

「提案」は、自身の考えている議案や意見を提出することを意味する言葉です。提出した議案や意見も直接的に表現する場合もあります。

「提案」と「意見」の意味
  • 意見:特定の問題や出来事に対する自分の考えや主張
  • 提案:議論の場で意見や議案を提出すること

 

「提案」と「意見」の違いとは

ご紹介したように、同じ意味を持つ言葉のように思える「提案」と「意見」ですが、辞書上の意味は異なります。

では、ビジネスシーンでは「提案」と「意見」にどのような違いがあるのでしょうか。

 

「提案」と「意見」の違い

ビジネスシーンでは、意見には「自分の考えを述べて、相手の考えの改善点や課題を伝える」というニュアンスをもちます。「忠告」ほど強い意味はもちませんが、相手への指摘の意味を含んでいます。

一方で、提案には「特定の事柄を具体化するための自身の考え」というニュアンスがあります。ビジネスの場では、ひとつの出来事において関係のある人物が組織や他のメンバーに意見を出す場合に使用されます。

 

「意見」が「提案」に繋がる

前述したように、「提案」と「意見」はニュアンスが細かく異なります。ビジネスシーンでは、自身の意見があってこそはじめて提案が成り立つと捉えられています。ビジネスパーソンとして成長するためには、「意見」と「提案」の意味を理解したうえで上手に使い分けていく必要があるのです。

例えば、新商品の開発時に消費者アンケートやモニタリングを実施したと仮定しましょう。「○○の色味が気になる」「素材が××なのがいまいち」など、さまざまな意見が寄せられたとしても、意見を認識しただけでは新商品の改善には反映できませんよね。

新商品改善のためには、消費者からの「○○や××の部分が劣っている」という意見に対して、客観的かつ論理的な分析が必要です。劣っている点をどう変更すればより良くなるのか、具体的に提案していかなければなりません。

ビジネスシーンでの「提案」と「意見」
  • 意見をもとに解決策や改善策を考察する必要がある
  • 意見があってこそ、適切な提案に繋がる
  • 客観的、効率的な考察が提案をうみだす

 

「進言」と「提言」の意味もチェック

ビジネスシーンでは、提案や意見のほか「進言」や「提言」というフレーズも使用されます。

「進言」は意見の謙譲語として使用され、目上の相手に意見を申し上げることを指します。丁寧に伝えようとするあまり「進言させていただく」と使用しているビジネスパーソンも多いですが、謙譲語の言葉を合わせると二重敬語になってしまうので不適切。「進言する、進言します」と使用しましょう。

また、文法上では問題ありませんが、「目上の人に意見を述べている」と不快に思われてしまう可能性もあります。自分と相手の関係性を考えながら、慎重に使用してくださいね。

「提言」は、自分の意見を出すことや意見自体を指す言葉です。提案や意見と似た意味をもちます。

 

相手に喜ばれるすぐれた「提案」をするポイント

ビジネスシーンでは、相手の心を掴む「提案力」こそが商品やサービスの開発や改良に繋がります。では、消費者やクライアントに喜ばれる提案をするためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

次は、できるビジネスパーソンになるために身に付けたい「提案のポイント」を解説します。

 

ポイント1.相手について徹底的にリサーチすること

ビジネスでは、自社の利益だけでなく、クライアントや消費者にとってのメリットを追求しなければなりません。相手にとっての喜びを探るためには、相手についてよく知る必要があります。

相手の情報を徹底的に調べるためには、丁寧なヒアリングと観察、分析が重要です。証券会社であれば顧客の投資動向、食品メーカーであれば消費者の好みやトレンドなど、課題を探りつつ顧客についてしっかりリサーチしていきましょう。

 

クライアントが口にしていることだけでなく、相手も気づいていない本質を考える

ヒアリングをする際には、相手に質問して回答を得るだけでは不十分。回答だけでは本心を探りづらく、結果的にクライアントの課題や問題点に気付けないことも多いのです。

また、クライアント自身も何が課題なのか把握していないケースも往々にしてありえます。ヒアリングをする場合には、相手が抱いている課題や会社の状況だけでなく、一見ビジネスの場では関係のないような事柄や、アイスブレイクでの会話でポロッともらした一言などについても気を配る必要があります。

クライアントが口に出していない些細な情報から、本人も気付けていない本質や今後直面する可能性のある問題点を見つけていきましょう。

 

クライアントだけでなく、従業員や顧客からの意見も取り入れる

より良いサービスや商品を生み出し、クライアントとの深い関係性を築くためには、物事を客観的かつ論理的に分析する必要があります。

客観的、論理的な分析を行うためには幅広い層からの意見の収集が不可欠です。直接的にやり取りをするクライアントだけでなく、関連する従業員や顧客などからのヒアリングも積極的に行いましょう。

また、意見を取り入れるためには「○○がしたい」「××の機能が欲しい」といった要望だけでなく、要望が生まれた背景を知る必要があります。従業員や顧客が抱える背景や意図を理解できれば、より良い提案が可能になるのです。

ビジネスシーンでのヒアリングのポイント
  • 相手が抱えている潜在的な要望を探る
  • 一方向からの意見を反映させるのではなく、論理的かつ客観的な分析を心掛ける
  • 顧客や従業員からもヒアリングする

 

ポイント2.相手のメリットを考え抜くこと

クライアントや顧客へのヒアリングのあとは、具体的な「提案」に進みましょう。

提案する場合には、ヒアリングで得られた情報をもとに、現時点の問題点や課題が解消できる方法を示します。相手の視点に立ち、クライアントのメリットや喜びに繋がる「今よりもさらに良くなる方法」を提案しましょう。

 

ポイント3.提案はWHY→HOW→WHATで伝える

クライアントの心を掴む提案をするためには、「WHY→HOW→WHAT」の流れが重要です。相手の課題や問題点を明確にしたうえで、改善に繋がる具体策を提案していきましょう。

STEP1.WHY
「なんのために行う?」「だれのためのサービス、商品?」

STEP2.HOW
「WHY」を叶えるために必要な手段、具体策の考察

STEP3.WHAT
「HOW」を実現するための、より具体的な決定(使用する素材・必要な機能・納期など)

 

提案書を作成するときのポイント 

クライアントや顧客に提案を行う際は、提案内容をテキストや図を用いて明確に示した「提案書」の作成が不可欠です。抱えている問題や課題を改善するまでのフローを示していきましょう。

提案書を作る際には、いくつか作り方のコツや注意点があります。ぜひ下記の記事をチェックしたうえで、提案書の作成を行ってみてくださいね。

 

仕事は「意見」で終わらせず「提案」に繋げよう

本記事のまとめ
  • 「提案」は議案や考えなどを出すこと
  • 「意見」は、ある問題に対する自身の考えやスタンスを示すこと
  • ビジネスシーンでは「意見」によって「提案」が作り出される
  • より優れた提案を行うためには、相手の視点に立ってメリットはなにかを考える
  • 提案スキルを上げるためには、「提案書」の作成ポイントをマスターする

ビジネスパーソンにとって、クライアントや顧客に心に寄り添える「提案力」は必須のスキルです。本記事でご紹介した「WHY→HOW→WHAT」の流れやヒアリングのコツを意識しながら、相手の視点に立ってメリットや喜びを追求していきましょう。

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