1. 基礎知識として知っておきたい「プロダクトアウト」が抱える3つの欠点

基礎知識として知っておきたい「プロダクトアウト」が抱える3つの欠点

by Maria Reyes-McDavis
 提供者側の都合を優先して活動を進めていく考え方をプロダクトアウトといいます。顧客の声をもとにして活動を定めるマーケットインとは、対極にある考え方ですが、正しく活用すれば大きなメリットのある考え方です。

 しかし、すべての物事がそうであるように、プロダクトアウトにも欠点は存在します。完璧な考え方などないのですから、欠点を踏まえた上で、それを補いながら運用していくことが重要です。そこで今回は、プロダクトアウトの欠点について解説します。

1. 見込み違いが生じやすい

 プロダクトアウトは提供者側の判断で活動が決まります。その判断が的中していればよいのですが、判断材料となるものが自らの技術力や推測のみのため外れてしまうことが多く、見込み違いによる損害が生じやすいという欠点があるのです。

 見込み違いが起こる原因は、判断の根拠となるデータ不足です。マーケットインを用いて活動方針を定める場合、判断の根拠となるのは市場調査や顧客リサーチなど具体的で客観的な視点から収集されたデータですが、プロダクトアウトではそういったデータが十分に活用されないまま方針が決定されてしまいます。

 提供者が市場の予想を超えるような価値を提供することができれば大きな利益を上げられるのですが、そうでない場合は当初の目標を達成することができず、見込み違いによる損失や過剰在庫が発生することになってしまうでしょう。

2. 性能だけでは売り上げにつながらない

 プロダクトアウトで提供される商品は、提供者が自信をもって提供する商品です。性能や機能が優れているものが多く十分に価値のある商品が提供されるのですが、市場では性能が高いだけでは売り上げにつながらない、という問題が起こります。

 顧客は性能や機能だけで購買の判断を下すわけではありません。その商品を購入するかどうかという判断は、商品の持つ性能、企業への信頼、ブランドイメージ、過去の実績などの様々な要素をふまえたうえで決断が下されます。

 提供者側が自信を持つ性能は顧客が判断するための重要なポイントではありますが、総合的な購買行動においては判断のための一つの要素にすぎません。性能がいいからといって必ずしも売り上げが伸びるとは限らないのが市場の難しいところであり、プロダクトアウトの持つ欠点でもあります。

3. ターゲットの不在

 プロダクトアウトでは、提供者側からの発信によって商品が開発されます。この時に開発される商品は特定のターゲットを想定したものではなく、あくまでも提供者本位で開発されたものです。商品が斬新で新たな価値観を占めるものであれば、新しい顧客を獲得し全く新しい市場をほぼ独占することができるのですが、そうでない場合はターゲットの不在が大きなマイナスになるでしょう。

 ターゲットが無ければ販促や広告といったマーケティングを十分に行うことができず、費用に対する効果を最適化することができません。ターゲットが不在な商品は、活動全体に余計なコストがかかってしまうという欠点を持ちます。

 仮にターゲットを設定してプロダクトアウトが勧められたとしても、そのターゲットは調査や分析に基づいたものではないため、想定と現実にズレが生じてしまい、余計なコストがかかってしまうのです。


 プロダクトアウトの持つ本質的な欠点は、高コストで失敗した時のリスクが大きい、ということです。マーケットインが重用されるのは、その方法が低コストでローリスクだからに他なりません。

 プロダクトアウトは成功した時のメリットは大きいですが、欠点が多く運用には高いスキルが必要になります。プロダクトアウトを採用する時は、計画全体に余裕を持たせておくのが成功の秘訣ではないでしょうか。

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