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業界の70%のシェアを握ってきた「マクドナルド」のマーケティング戦略の裏にあったもの

Shingo Hirono

2014/04/09(最終更新日:2014/04/09)


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by midorisyu
 マクドナルドは最近になり、業績の低迷が懸念されています。しかし、マクドナルドは現在でも日本ではハンバーガー業界のシェアが70%を超えており、圧倒的な商品販売力を誇っているのです。そしてマクドナルドにはあらゆる企業が学ぶべき、様々なマーケティング戦略があります。今回はマクドナルドがこれまでに行ってきたマーケティング戦略について考えてみましょう。

1. 徹底した調査・分析力とその実行力

 マクドナルドのマーケティング戦略の最大の武器は、この「徹底した調査・分析力とその実行力」にあります。例えば出店の場合、その地域の年齢層や家族構成、すでに出店している外食産業などを徹底的に調査し、分析するのです。そして客層などによってその店舗形態を柔軟にし、例えば郊外のファミリー層の多い地域では子供向けの遊具施設を備えた店舗とするなど、分析した結果を事もなげに実行に移します。

 そして、スゴいのが、その調査→分析→実行の流れを「継続している」、ということです。この継続が、様々な小売業界で「マクドナルドの隣に店を出せば間違いない」と言われる所以です。

2. 徹底した顧客主義

 マクドナルドが徹底した顧客主義であることも、王座を守り続けている理由です。それを最も端的に表しているのは、かつてあった「スマイル0円」メニューです。現場に様々な問題も発生したとも言われてはいますが、メニューに「スマイル0円」と表記したのは、マクドナルドだけです。「スマイル0円」は、何の利益も生みません。

 しかし消費者からすると、誰もがほっとして微笑んでしまうメニューです。このような発想が、店舗と消費者を近づけた要因の一つであることは間違いないでしょう。

3. 徹底した軌道修正

 マクドナルドとは言え、何の困難もなくトップをひた走ってきたわけではありません。BSE問題や景気や消費者の変化により、苦難の時期は何度も訪れています。しかし、そこですかさず軌道修正を行ってきたのがマクドナルドのすごさでもあります。

 「メイド・フォー・ユー(MFY)」や地域別価格、「かざすクーポン」、メニュー表の撤去などの戦略を次々に行い、そしてそれに対する顧客の反応によって方針変更も辞さないその軌道修正の速さは、いわゆる「経営に必要なPDCA」が常に実践されている証でもあります。


 このように考えていくと、マクドナルドのマーケティング戦略は決して特別なものではなく、実に基本に忠実なものである、ということがわかります。王者でもおごらずに調査と分析を重ね、常に基本を忘れずに消費者に見えるように実行し続ける、それこそがマクドナルドが王者である最大の理由ではないでしょうか。

 現在のマクドナルドは苦難の時期と言えます。今後ますますパイの奪い合いとなっていく外食産業の中で、今度どのような戦略を見せるのか、注目しておくと面白いかもしれません。

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