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組織における「広報」と「マーケティング」の機能と役割の違い

Kazuhiko Tanabe

2014/04/05(最終更新日:2014/04/05)


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by Paul Stevenson
 企業活動の中でも重要な役割を担うのが「広報」と「マーケティング」です。広報とマーケティングを混同する人も多いのですが、この二つは機能も役割も大きく異なります。それぞれの持つ機能と果すべき役割を正しく理解しなければ、組織にとって大きな効果は期待できません。では、組織における「広報」と「マーケティング」の機能と役割の違いとは一体どのようなものなのでしょうか。

マーケティングは企業戦略の根幹を担うもの

 マーケティングとは、企業の顧客となる消費者や市場を分析し、潜在的な欲求を探り出すことで新たな顧客の獲得につなげる活動のことを指します。いわば企業戦略の根幹を担う活動です。マーケティングによって企業の進むべき道が決定するといっても過言ではないでしょう。マーケティングには様々な手法が用いられますが、消費者分析や市場分析はその代表的なものです。潜在的な欲求をマーケティングによって明らかにすることができれば、企業は欲求を叶えるような製品の供給を実現することで市場における確固たる地位を築くことが可能になります。

広報はマーケティング手法の一種

 広報活動は、市場における認知度の向上を目的としたマーケティング手法の一つです。広報はマーケティングの一部分としての機能は担いますが、マーケティングそのものではありません。マーケティングとは企業戦略であり、目指すべき目標に向けての手段でもあります。広告やPR活動は、目標を実現するための一手段なのです。もちろん広報は重要な仕事ですが、マーケティングに置いて必須の要素ではなく、マーケティング戦略によっては広報が不要な場合もあります。

なぜ混同してしまうのか

 なぜ広報とマーケティングを混同してしまうのかというと、広報が市場シェア拡大の手段として有効であるからに他なりません。企業PRなどの広報活動はマーケティングにおいて重要な手段であるがゆえに、両者を混同してしまうのです。しかし、マーケティングは必ずしも広報のように外部向けの作業ばかりではありません。従業員が目指すべき方向を示したり、選択の助けとなるデータを集める活動も重要なマーケティングです。

 広報は外部から企業を見たときに最も認識しやすいマーケティング手法ではありますが、企業活動におけるマーケティングでは他にも重要な活動は存在します。消費者調査や立地調査などは企業において欠かせないマーケティング手法ですが、マーケティングの目的は需要を調査して顧客を集めることであり、広報のように知名度やイメージをアップさせるだけのものではありません。広告はマーケティングの一種ですが、マーケティングは広告ではないということを覚えておきましょう。

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