1. 日本企業の多くが新卒者の採用を早める傾向にあるその理由

日本企業の多くが新卒者の採用を早める傾向にあるその理由

 日本のような新卒一括採用の国では、その制度ゆえの弊害もあります。学生の時に就職を決められなければ、一生キャリアアップの道が閉ざされてしまったり敗者復活制度に繋がらないなど、既卒者は就職できないまま卒業してしまうと非常に不利な人生を送らなければなりません。

 また企業の側もそれを問題視する動きもあります。新卒者の採用活動を遅らせることを提唱するなど、問題改善の試みはあります。ではなぜ、問題があるとわかっていながら企業は新卒者の採用時期が早まってしまうのでしょうか。

優秀な人材の確保

 企業として、優秀な人材を確保したいと考えるのは当然のことです。他社にさきがけて優秀な学生を選抜しなければならないし、自分たちだけが採用を遅らせても、他の企業と学生がマッチングプロセスにいては意味がありません。

 自分たちが新たな採用活動の遅滞に理想を掲げてでも業界全体のすり合わせがなければ、むしろ自分たちだけが煮え湯を飲まされる結果になってしまいます。

企業と学生双方の事情

 そういった理由から、企業側としても採用活動を遅らせるということは非常に難しいのです。また学生の方も、就職活動を意図的に遅らせることはできないというのが実情でしょう。学生の方も早い段階で就職活動をして企業に応募して面接を受けないと企業の採用枠は無くなってしまいます。

 また既卒者が就職で不利になることはわかっていますから、積極的に早い段階で就職活動をして早い段階で内定をもらいたいと考えるのは当然のことです。

既卒者の採用改善がポイント

 企業における新卒者の採用活動を遅らせたいと考えるなら、既卒者を問題視したり偏見のまなざしで見ることを改めることが鍵を握っていると思います。

 学生も卒業してしまうと就職に不利だと考えればなんとしても在学中に内定をもらいたいと考えるのが自然で、企業のほうも優秀な人材を確保しなければならないので他社に後れを取るわけにはいかないのです。そういった双方の事情を考えてそれを改善するためにはどうしたらよいかと考えれば既卒者に採用の門戸を開くことが大きなポイントとなってきます。既卒者にも採用の枠を与えて、新卒の早期採用の流れを緩和したいところです。

 新卒者の採用時期が早いことが問題視される流れは、以前からありました。しかし企業も学生も、採用活動や就職活動を意識的に遅らせることができません。それは企業にとっても学生にとっても自殺行為だからです。その新卒者の採用時期が早いことへの改善のアプローチとしては、既卒者へ採用の窓口を広めることが大切で、それによって企業と学生に採用時期や就職活動の遅延化を求めたいものです。

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