1. 【3つの事例を紹介】日本企業における代表的な「昇進制度」の特徴

【3つの事例を紹介】日本企業における代表的な「昇進制度」の特徴

by Kaplan International English
 組織を運営していくうえで重要な役割を担うのが昇進制度です。公正な人事評価のもとに行われる昇進は、組織が安定的な発展を遂げていくための重要な役割を担います。優秀な人材を正しく評価し、昇進によってより大きな役割を担わせていくことが、現在の安定と将来の発展の両面で大きな力を発揮するでしょう。

 日本企業には伝統的かつ特徴的な昇進制度を採用していく会社が多く、欧米にはないような特殊な昇進制度もあります。今回は、日本企業における代表的な昇進制度の例を紹介します。

1. 年功序列制

 日本企業におけるもっとも代表的な昇進制度が、日本企業の代名詞となっている年功序列制。年功序列制の一番の特徴は、昇進に関する評価基準が勤続年数にあることです。個々人の能力の優劣よりも何年間勤務しているのかということが昇進に大きく影響するため、一つの企業に長年勤めることを前提とした終身雇用制と非常に相性のいい昇進制度と言えるでしょう。

 年功序列制のメリットは、勤続年数が昇進に大きく影響するため、中途退社や転職が少なく社員を長期的に雇用できる点にあります。長期的計画に建った人材育成が実行可能になり、戦力獲得のための人材争奪戦をおこなわずに済むため、右肩上がりの経済情勢にマッチした昇進制度です。

 デメリットとしては、個人の能力の優劣が評価にあまり影響しないため優秀な人材を生かすことができないという点です。年功序列制の下では、天才的な新入社員よりも凡庸なベテラン社員が優遇されるため、優秀な人間ほどモチベーションが下がりやすくなる傾向にあります。

2. 職能資格制

 個人の能力を最優先の評価対象とし、能力の優秀なものをふさわしい役職に就ける昇進制度のことを職能資格制といいます。職能資格制は主に特殊な技術や資格を必要とする会社で採用されている昇進制度で、建築や土木、機械など仕事に高い技術と知識が求められる専門的な職場に向いている昇進制度です。

 職能資格制では労働者の職務能力によって格付けがなされ、優秀な能力があると認められれば年齢や勤続年数にかかわらず昇進することが可能です。優秀な若手を抜擢することが可能なため、仕事をより上の段階へと向上させることが可能になりますが、昇進できなかった従業員からは正当な評価が行われていないと不満が出ることもあります。より公平・公正な昇進を実現するためには、資格試験や昇進試験を実施して昇進に値するだけの能力が備わっているのかを確かめるべきでしょう。

3. 内部昇進制

 社員全員が同じ条件のもとで入社し、研修や実務を通じてビジネススキルの向上を目指していき、業績を判断基準として昇進を決定する制度が内部昇進制です。内部昇進制は企業ごとに多少運営形態が異なるのですが、基本的には年功序列制と職能資格制を合わせた形の昇進制度。同年入社の人間がライバルとなり、個々人の能力の優劣で昇進を争っていく内部昇進性は、勤続年数という平等な評価基準と能力の優劣という評価基準の二つをうまく生かして昇進判断が行われるため、当事者からも不満の出にくい昇進制度と言えるでしょう。

 デメリットとしては、一度競争から脱落してしまうと出世の道が遠のいてしまうということです。同期入社組がライバルになるため、一度昇進で先を越されてしまうと後から追い抜くことが困難になります。優秀な人材をどんどん絞り込んでいくのには向いている昇進制度ですが、脱落した人材の救済制度を整えておかないと、昇進の可能性が経たれた人はどんどん退社していってしまうことになりかねません。


 昇進制度は色々な形がありますが、どれがベストというものではありません。会社ごとによって向き不向きがありますし、職種や市場環境によっても条件は異なります。日本企業では一般的な昇進制度でも、海外から見れば特殊な昇進制度もあるでしょう。重要なのは制度の形ではなく、どのように運用していくのかという点にあるのではないでしょうか。

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