1. PDCAを回す際に学んでおくべきターゲットにする顧客の決め方

PDCAを回す際に学んでおくべきターゲットにする顧客の決め方

 PDCAという言葉をご存じでしょうか。これは、「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」の活動を繰り返しながら、物事の改善を行っていく手法です。基本的には製品やサービスを向上させていく過程で用いられます。

 PDCAは企業や経営において重要とされる項目に、常に上がってくるものです。では、普段仕事をしている中でどれほどPDCAを意識しているでしょうか。顧客などのターゲット選定において、どのくらい活用できているでしょうか。

企業戦略からターゲットを考える 

 はじめに、自社事業の顧客ターゲットを再確認しましょう。 これは企業が扱う商品にもよりますから、一概に何が良いというわけではありません。

 まずは、現状のターゲットを明確にする必要があります。それが明確に特定できれば、次は「どれくらいターゲットの顧客の声を聞いているか」ということが重要です。これが、顧客のPDCAの根幹を成すものと言っても過言ではありません。これがあるからこそ、次の顧客ターゲット選定や見直し(Pの部分)にも役立ってきます。 

 このPDCAの顧客の声を上手に企業戦略に取り入れた企業があります。それはデジタルカメラで有名な、ニコンです。

ニコンのPDCA戦略 

 従来のニコンは技術力の高さに定評がある一方で、戦略的なマーケティングを苦手としてきました。例えば、今やほとんどのデジタルカメラが搭載する手ぶれ補正は、同社が1994年にフィルムカメラで初めて搭載した技術です。ところがこのデジタルカメラの市場では、マーケティング力に優るソニーやパナソニックなどに話題性を奪われてしまいました。 顧客の声を集めてはいたものの、組織的かつ迅速に分析し、商品に活かすような体制が整っていなかったのです。 

 この状況を打開するため、ニコンは2002年「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)プロジェクト」を立ち上げました。そして2005年に「マーケティングラボ」という組織に発展させました。このマーケティングラボの役割は大きく2つありました。 1つは「顧客の声などの情報を収集し、商品企画に生かす流れを作る」こと、 2つ目は「商品企画とそれに応じた情報収集の切り口を広げる」ことです。

 まず情報収集の面では、定期的に顧客アンケートを取るためのウェブサイトの開発や、各国の販売会社から定期的に顧客情報を集める手順作りを進めました。それと同時に、情報収集の切り口を広げるための活動も進めました。

 例えば顧客へのインタビューでは、デザインの好みなどの「個人の感性価値」を聞き出すことに注力しました。次の商品に盛り込む仕様のキーワードを見つける目的です。こうして、2007年にCOOLPIX S510を販売しました。

 顧客の声に「硬くしっかりしたものがない」「金属質で丈夫なものがほしい」というものが多くあったことを活かしましたのです。そして同機種は、BCN調べの販売ランキングで2007年10月第1週から8週連続3位を獲得しました。 

 このニコンの例から学べることは、顧客の声を聞くことが「PとA」の部分。そして活かすことが「CとD」と言えるでしょう。PDCAのサイクルや実現までのスピードは、組織や商品によって差が出るでしょう。いつでも顧客がいて初めて商品が売れることを再確認したいですね。

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