ビジネスシーンでは頻繫に使用されている印鑑。丁寧に押したつもりでもカスレやにじみが生じてしまい、押し直しが必要になることも多いのではないでしょうか。
本記事では、印鑑を押すのを失敗してしまったときの対処法を徹底解説。ビジネスマナー違反とされる、押し直しのNG例もご紹介します。
- 印鑑の正しい訂正方法
- うっかりしてしまう、NG訂正例
- 印鑑の訂正に関するよくある質問
押し直すべき? 大人が知っておきたい「印鑑の正しい訂正方法」
当事者であることを示すために、署名の代わりにも使用される「印鑑」。ビジネスシーンではたびたび使用されるため、勤め先から自分専用の印鑑を支給されている人も多いのではないでしょうか。
近年は効率化を目指して電子印鑑の普及も進んでいますが、日本では現在も直接捺印する方法が主流。印鑑を押すときに失敗してしまい、慌てた経験をお持ちのビジネスパーソンも多いはずです。では、捺印時にカスレやにじみが生じてしまったときには、どのように対応すればよいのでしょうか。
まずは、大人の常識ともいえる「印鑑の正しい訂正方法」を解説します。
重ねて捺印はNG! 押し直しをしないで訂正する
うっかり捺印に失敗してしまった場合、簡単に上から重ねてしまいたくなりますよね。しかし、印鑑を重ねて捺印するのは厳禁!印鑑に書かれた氏名や会社名が読み取りにくくなってしまい、印鑑を押している意味がなくなってしまいます。
とくに、銀行の届出印や印鑑証明のように、印鑑の照合が必要な場合は要注意。せっかく書類を記入したとしても、印鑑を重ねている場合には受理してもらえないケースも多いのです。
捺印に失敗してしまった場合には、上から押し直しをせずに訂正する必要があります。次は、具体的な印鑑の訂正方法をチェックしていきましょう。
文字と重ならないように押し直す
前述したように、捺印を失敗してしまった場合には上から重ねるのは厳禁。失敗してしまった印鑑とは違う場所に、改めて印鑑を押し直す必要があります。下記のステップを参考に、印鑑の押し直し方法をマスターしましょう。
【印鑑を押すときに失敗した場合の対処法】
- 間違えて印鑑を押してしまった箇所にもう一度印鑑を重ねて取り消す
- 重ね押しして取り消した印鑑の横に、もう一度捺印しなおす
ヨレやにじみが生じた場合だけでなく、誤って別の印鑑を押してしまった場合も同様です。取り消すための重ね印には正しい印鑑を使用して、横にもう一度正しい印鑑を捺印しましょう。
また、印鑑を押す場合には、文字に重なってしまわないよう注意が必要です。書類に記載している文面や署名に印鑑がかぶってしまうと、書類自体も読みにくく、印鑑の照合も難しくなってしまいます。書類の余白上どうしても捺印できるスペースがない場合には、できる限り文字とかぶらないよう配慮しましょう。
- 印鑑を上から重ねる押し直し方法は厳禁!
- 訂正したい場合には、失敗した印の上から重ねて訂正→横に印鑑を押し直す
- 文字の上に印鑑を押さないように気をつける
訂正したほうがいい、印鑑の失敗例
「印鑑の失敗とは、どういう状態なの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
以下のような失敗は、再度印鑑を押し直したほうが無難です。
- 印影が逆さになっている
- 印影が二重になっている
- 読めないレベルでかすれている
- 印影の一部がかけている
苗字が読み取れる程度のかすれや、少し斜めになっているなどは問題ありません。
押し直したほうがいいか悩む場合は、念の為、納得がいくまでやり直したほうが安心です。
印鑑を訂正する際のNG例と、NGの理由
印鑑の訂正方法が間違ってしまうと、社会人として最低限のマナーが備わっていないと思われる可能性もあるので要注意。自己流の印鑑訂正は避けて、正しいマナーを守るようにしましょう。
次は、印鑑を訂正する際のNG例と理由を解説します。印鑑に関するNGマナーを覚えて、ビジネスシーンでのマナー違反を防止しましょう。
NG例1.二重線で訂正する
文字を訂正する場合と同じように、捺印に失敗した印鑑をサッと二重線で訂正している方も多いのではないでしょうか。
しかし、二重線での印鑑訂正は公的な書類やビジネス書面ではNG。第三者が悪意を持って別の印鑑で修正する可能性もあるため、思わぬトラブルや悪用に繋がる恐れもあるのです。「担当者が正しい方法で修正を行った」と証明するためにも、二重線ではなく印鑑を使って訂正するようにしましょう。
NG例2.上からかぶせて押し直しをする
先述したように、上から印鑑を重ねるのは「訂正」ではなく「取り消し」の意味を持つものです。いくら丁寧に重ねるように意識しても多少のズレが生じてしまうので、上からかぶせるのは絶対に避けましょう。
また、印鑑が重なってしまうと正確な捺印として認められません。印鑑の訂正のために改めて捺印する場合には、印鑑同士が重ならないように注意してくださいね。
NG例3.修正液・修正テープを使用する
ビジネスマナーの「基本のき」ですが、修正液や修正テープを用いた印鑑訂正は言語道断です。改ざんした書面だと誤解される可能性もあるので、ビジネスシーンでは印鑑訂正時に修正液や修正テープは使用しないよう徹底しましょう。
銀行や証券会社など一部の業種・業態のなかには、書類の改ざんやトラブルを回避するために修正液の持ち込み自体を禁止している企業もあります。あらゆる業種において、印鑑の失敗だけでなく記入ミスに対しても修正液の使用は避けた方が賢明です。
印鑑を押し直しに関するよくある質問
これまでご紹介したように、印鑑の訂正にはさまざまなルールやマナーがあります。ビジネスパーソンとして成長していくためにも、訂正の押し直しの関する知識はしっかり身に付けておきましょう。
最後に、印鑑の押し直しについてよく寄せられる疑問をピックアップ。あわせて正しい対処法も解説するので、ぜひチェックしてくださいね。
押し直しは何回までOK?
一度印鑑を押し直したあとに、最後訂正が必要になることもありますよね。しかし、ビジネスシーンでは印鑑の押し直しは「1度まで」がマナー。何度も印鑑を押してしまうと書類自体が汚れてしまうので、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
誤って複数回の印鑑訂正を行うときは、イチから書面を印刷し直すことも一案です。再度印刷できない書類の場合には、できるだけ文字とかぶらないように配慮しましょう。
押し直し欄がある場合はどうしたらいいの?
金融機関の書面や申し込み用紙などには「押し直し欄」が設けられていることもしばしば。押し直し欄は、印鑑の一部欠損や不明瞭が生じた場合に備えて設けられているものです。印鑑の間違い・カスレ・ズレ・欠損などが生じた場合には、押し直し欄にもう一度印捺印しましょう。
なお、正しい印鑑を正確に捺印できている場合には、押し直し欄に捺印する必要はありません。
印鑑の正しい訂正方法を覚えよう
- 上から重ねて、印鑑を修正するのはNG
- 印鑑を訂正したい場合には、印鑑を重ねて取り消す+横に再度押し直し
- 修正液やテープを使用した訂正は、改ざんを疑われる可能性もあるので厳禁
- 書類が汚れてしまうので、押し直しは原則1度まで
ビジネスの場では、あらゆるシーンで印鑑を押すことがあります。誤った印鑑を押してしまった場合や印影に欠損が生じた場合には、本記事を参考に必ず正しい方法で訂正を行いましょう。
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