1. 【本当に大丈夫?】マンガの技名のビジネス利用の注意点

【本当に大丈夫?】マンガの技名のビジネス利用の注意点

 ネットに詳しい方ならご存知かと思いますが、以前「マカンコウサッポウ」というおもしろ写真が、女子高生を中心として密かなブームとなっていました。

 一般的に、漫画のワンシーンのように、あたかも人を吹き飛ばしているかのような写真のことを指すことが多いようです。

「マカンコウサッポウ」をサービス名にも使える?

 さて、こうしたブームに敏感な皆さんは、「マカンコウサッポウに関連したサービスを始めればウケるのでは!?」と思ったりしているのではないでしょうか。しかし、20代~30代の皆さんにとって、「マカンコウサッポウ」といえば、ドラゴンボールのピッコロさんの必殺技ですよね。そう、ラディッツ戦でラディッツと悟空を貫いたアレです。

 では、こうした有名漫画の技名を勝手に商品名やサービス名に使うことは、法的に何か問題がないのでしょうか。一般論としてではありますが、少し考えてみました。

マンガの技名をコンテンツに利用する際の法的留意点

 さて、ここからは少しトーンを変えていきます。このような取り組みを行う場合、問題となる可能性のある法律としては、①商標法、②著作権法、③不正競争防止法、④民法(不法行為)の主に4つがあります。

1. 商標法

 商標法は、商品やサービスにつける名前に関する法律です。商標は登録制になっており、ある単語について先に商標がとられていると、他の人は、同じ商品・役務の範囲では、その単語を使ってサービスを行うことができません。したがって、その技名が先に商標登録されていれば、その技名をサービス名に使うのはアウトということになります。

 その単語が商標が登録されているかは、IPDL特許電子図書館で検索することができます。厳密には類似商標もダメなのでこのチェックだけでは不十分なのですが、まずはこちらで確認してみると良いと思います。ちなみに、「界王拳\かめはめ波」は、バンダイさんが商標登録しているので、勝手に使ってはいけませんよ。

 さらに余談ですが、「界王拳\かめはめ波」の「指定商品・役務」(商標の効力が及ぶ範囲のことです)には、「おもちゃ」はもちろん、「楽器」や「ビリヤードクロス」なんてのも含まれています。指定商品・役務の異なる分野でその商標を使っても商標権侵害にはならないので、広く保護したければこのように広く指定商品・役務をとることになります(その分お金はかかりますが…)。

2. 著作権法

 一般に、漫画の「キャラクターの名前」は、それがいかに有名であっても、著作権法で保護される「著作物」に該当する可能性は低いと考えられており、技名についても同様と考えられますので、著作権法上違法となる可能性は低いと考えられます。

3. 不正競争防止法

 不正競争防止法(略して「不競法」といったりします)は、他人の商品名と似たような商品名を使った場合に問題となる法律です。たとえ商標ではひっかからなくても、他の商品名と似ているとこちらで問題となることもあるので注意してください。

 もっとも、「技名」は「商品名」ではありませんから、商品の名前として技名が利用されていない限り、今回のケースでは不正競争防止法が問題となる可能性は低いと考えられます。

4. 民法(不法行為)

 著作権法で保護されないようなものでも、その名称に「法律上保護される利益」があり、それが侵害されたと認められれば、民法上損害賠償義務を負う場合があるとする裁判例があります。

 漫画の技名は、有名なものであれば一定の顧客吸引力を有すると考えられるため、これを無断で使用することは「法律上保護される利益」を侵害していると判断され、損害賠償義務を負う可能性があると考えられます。

 もっとも、技名とサービスの間に全く関連がない場合や、技名自体が漫画を離れて一般的な用語として定着している場合など、技名を使用したとしても権利者の利益を侵害しないような場合も考えられます。

クレーム対策を考えたサービス運用を!

 いかがだったでしょうか。書いてみると、あまりスパッとした回答にはならなかったですね・・・このあたりの分野は、法律のなかでも比較的ふわふわした部分ですので、ケースバイケースにて判断されるところが悩ましいところです。また、このように適法性の判断が難しいケースでは、明確に違法でなくとも、著作権者や商標権者からクレームがきて、重要な問題に発生する可能性がありますので、ご注意ください。

 特にベンチャー企業ですと、仮に訴訟になった場合には訴訟を維持するだけの金銭的余裕がない場合が多いですから、クレームが入った場合にはすぐに名称を変更できるように、変更がきかないような主要サービスには使わない方が良いかもしれません。(名称を変更したからといって訴訟にならないとは限りませんが、実務上は名称を変更すればそれで収束するケースは多いです。)

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