1. 事業の多角化によって生じる可能性のあるメリットとデメリット

事業の多角化によって生じる可能性のあるメリットとデメリット

 企業の経営戦略において、一つの事業だけにとどまらず様々な分野の事業に進出することを経営の多角化戦略といいます。
多角化によって得られるメリットはありますが、同時にデメリットも存在していることを忘れてはいけません。今回は、事業の多角化によるメリットとデメリットについて紹介します。

メリットは変化に強くなること



 多角化による一番のメリットは、時代や消費者行動の変化によって生じる企業収益の変動が低く抑えられる点にあります。
企業の事業が一種類しかない単一的経営の場合、何らかの要因によってその事業の収益が悪化してしまった場合、企業全体の収益が悪化してしまいます。

 
デジカメのみを製造販売しているメーカーを例に挙げると、スマートフォンの普及によってデジカメの需要が低下してしまえば企業収益は一気に悪化してしまうことになります。
この場合、デジカメ以外の製品を手掛けていたり全く別の分野のビジネスに参入していれば、デジカメの需要減少による経営損失を最小限にとどめることが可能となります。多角化のメリットとは、一つの分野の事業収益の低下をその他の事業が支えることができるということなのです。



デメリットはコストの上昇

 

事業の多角化にはデメリットも存在します。
企業経営における多角化の最も大きなデメリットは、資本や労働力を一つに集中することができ無いため必ずしも効率的な経営が成立しない点にあります。
手がける事業が多くなれば、それぞれの事業ごとに専門的な人材を用意して資本を割かなければなりません。経営の効率化に最も重要なのは、資本と労働力を集中させることで可能になるコスト削減ですが、事業が多角化すればそれが不可能になってしまいます。

 上記の例を使うと、デジカメのみを製造販売しているのであれば部品の大量発注やデジカメの開発に特化した人材の育成などが可能になり、コストカットに繋がります。
しかし、複数の製品を事業にしていればそれぞれ別々の部品を仕入れる必要があるので、大量発注によるコスト削減が不可能になってしまいます。また、労働者の専門性も事業ごとに分かれることになりますから流動性は低下し育成コストが上昇します。

単一化か高角化か



 企業経営において事業を多角化すべきかどうかの判断は、それぞれの企業が置かれている環境や条件によって異なります。
一つの事業に集中して成功した企業は数多くありますし、事業を多角化したおかげで急成長を遂げた企業もあります。


 多角化のメリットである変化への耐性は、時代が急激に変化する時に最大限のメリットとなります。単一的経営の場合でも、時代の波に事業があっているかどうかは重要なポイントです。
事業の判断は経営者の責任において下すしか方法がありません。市場動向と事業内容を考慮して、事業展開を判断してください。





 単一的経営と高角的経営のどちらの経営方針を取る場合でも、共通しているのは時代性を見極めることが重要であるという点です。
経済における時代性とは、消費者行動の変化と技術革新に他なりません。常に時代の最先端に注目して、今後の事業展開を判断する必要があります。


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