1. 上司が気をつけるべき、部下が退職を決意するきっかけ ——「あなた」がきっかけになってしまうかも?

上司が気をつけるべき、部下が退職を決意するきっかけ ——「あなた」がきっかけになってしまうかも?

by Logan Brumm Photography and Design
 部下が悩みを抱えた末に退職してしまうというのは、上司にとって自分のキャリアのためのマイナスになるだけではなく、場合によっては人間性さえ問われかねない大きな問題です。部下を持つ身としては、そうした退職はなるべく避けたいもの。ここでは、部下が転職を決意するきっかけは何なのか、それにどう対処すればいいかを考えてみることにしましょう。

上司がきっかけを作ってしまうケース

 意外に思われるかもしれませんが、上司が退職を決意するきっかけを作ってしまうことは多くあります。退職を決意する人は、大きく分けて2つのタイプがあるでしょう。仕事や人間関係に悩み退職を考える場合と、スキルアップなどの人生設計の上で転職を考える場合です。いずれのタイプもその多くが退職を決意する前に、一度は上司に相談するものです。

 はっきり退職を口にしなくとも、「最近、自分はこんなことをふと考えることがあるんですよ」と、それを匂わす話を持ちかけるケースが多いでしょう。その時の対処法を間違ったために、上司が決断のきっかけになってしまうことが少なくありません。

 「そんなこと考えずに、目の前の仕事に邁進しろ」と突き放されたら、おそらくその部下は「これで踏ん切りがついた」と感じることでしょう。これは鈍感な上司が犯しやすいミスと言っていいでしょう。部下の悩みや相談を真摯に受け止め、親身になってそれに応じる。「自分もそういう心境になったことがあった」と、あくまで自分の経験談として適切なアドバイスができれば退職の決断を遅らせる、あるいは決断を見送らせることができるのではないでしょうか。

敏感な感性と細かい目配りによって、「孤独感」を未然に防ぐ

 そうした相談を受けない場合でも、基本的なスタンスは同じです。常に細かく目配りし、敏感な感性を持っておけば「最近A君はどうもおかしい。退職を考えているのではないか…」と感じ取ることができるはず。それを感じたら、自分からその「A君」に声をかけて、2人でじっくり話をする機会を持ちましょう。

 退職を考え、それに悩み迷う人の多くが、「孤独感」をきっかけに決意するものだからです。「私は君のことをよく見ているよ。君の悩みは君一人のものではないのだから、なんでも私に話してほしい」という態度を示すことによって、「A君」は「自分は一人ではない。身近にこんな親身になってくれる人がいるんだ」と感じることでしょう。

 人間にとって最も厳しい状況は「孤独」です。孤独の自覚が、退職を決意させるきっかけになることは大変多いのです。「寄り添う」という言葉が最近よく使われますが、寄り添う人が一人でもいれば、退職の決意は鈍るもの。

 
 人をマネジメントするには、繊細な感性と適切な対応が不可欠です。部下の退職に関しても、まさにそのマネジメント能力が問われると言っていいでしょう。「すべてのスタッフはチームに有用な人材」という前提で、日ごろの目配りを欠かさないことをおすすめします。

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